日本人でも使える「Alipay(支付宝/アリペイ) 」

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日本人でも使える「Alipay(支付宝/アリペイ) 」

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日本人でも使える「Alipay(支付宝/アリペイ) 」

中国のIT大手・アリババグループ(阿里巴巴集団)傘下にある世界最大規模のモバイル決済サービス「Alipay(支付宝/アリペイ)」は、中国国内だけでも5億人以上ものユーザーを抱えている(2018年5月現在)。2004年、アリババが運営するECモール「タオバオ(淘宝)」に紐づけた電子マネー決済のひとつとして登場した。現在では中国人なら誰もが知る主要決済方法となっている。ここではAlipayの利用登録から使い方までを徹底ガイドする。

Alipayって何?

Alipayの登録ユーザー数はおよそ5.5億人だ。単純なユーザー数の比較だと、競合のWeChatPay(微信支付)と拮抗しているが、Alipayは海外ユーザーの取り入れにも熱心な点で異なる。国外まで含めると、総計8.7億人のユーザーを抱え、全世界で180以上の銀行とタイアップしているのだ。VisaやMastercardなど、クレジットカードの国際ブランドとも提携しているため、外国人にとってはより親切なサードパーティ決済プラットフォームだと言えよう。

サードパーティ決済とはいわゆる第三者決済だ。具体的にはAlipayにチャージされている金額内でのダイレクト決済はもちろん、手持ちの銀行口座やクレジットカードと紐付ければAlipayを介してそれらの決済をも行うことができる。かくしてAlipayは「タオバオ傘下の決済サービス」という当初の立ち位置から、現在では独立運営するプラットフォームになっている。

中国の電子決済業界では最古参組である一方、新規顧客獲得という面から見ると、Alipayは競合のWeChatにやや劣る。これは「あくまで支払いのためのツール」というスタンスを貫いているからだろう。消費者視点で見ると、さまざまな支払いを1本化できるAlipayは使い勝手で群を抜いている。多機能で資産運用ツールも豊富なため、まとまった金額を貯蓄するというオプションが得られるのも特徴だ。一方のWeChatPayは、マーケターの視点からすると、広告ツールとしての役割を持たせられる特性がある。

Alipayを「モバイル銀行」に例えるなら、WeChatPayは「モバイル財布」と言える。大きな金額を取り扱う場合は運用もできるAlipayが、細々とした少額決済であればWeChatPayが使いやすい。

Alipayを使いはじめると、これまで複数持っていた各銀行のスマホアプリはほぼ使わなくなる。すべてのキャッシュカードをまとめてAlipayで一括管理できるからだ。

銀行の存在意義が薄れてしまいそうだが、銀行そのものが衰退して消失すれば国の経済は立ち行かない。よって、Alipayができることには限界が設けられている。例えば、Alipayではキャッシングはできない。Alipayにチャージされたお金は一切現金化できないため、生活の中ではやはり銀行に足を運ぶ必要が出てくる。

日本人もAlipayは使えるのか?

このAlipayは日本人でも使うことができる。しかし、中国での銀行口座の開設と有効な電話番号、そして実名登録が必要だ。パスポートの写真を登録すれば、使用枠も増える。ただし、外国人が中国で銀行口座を開設するには、ビザが必要だ。また、Alipayを使えるようになったとしても、残念ながら日本国内では使用することができない点には、あらかじめ注意しよう。

それではAlipayを外国人が使用する際は何らかの制限があるのだろうか?

Alipayに外国人が登録した場合、たとえ実名登録(詳細は後述)していても「花唄(ホアベイ)」などのキャッシングサービス(※)が受けられない。外国人がお金を借りたまま国外に出てしまったら、法的な処置が困難なためだ。(※消費者金融機能やクレジット機能に近いサービス)

ただし、Alipayには海外のクレジットカードを登録することができるので、タオバオでの支払いやお店やレストランでの出費もクレジットカードで支払える。ここが、AlipayとWeChatの決定的な違いだ。

Alipayを実際に使ってみよう

【ステップ1】ここは避けて通れない!中国の銀行口座

各種サービスを利用するなら、登録後にさまざまな手続きを行なわなければならない。そのひとつ目は銀行口座の登録だ。

その前に、中国の銀行で口座を開設することになる。口座開設は外国人ならビザの取得が必要だ。

【ステップ2】誰でも簡単。アプリのダウンロード

アンドロイドならGooglePlay、iPhoneならAppStoreでAlipayのアプリをダウンロードする。アイコンは水色の地に白で抜かれた「支」の字が目印だ。

【ステップ3】Alipayにユーザー情報を登録

有効な電話番号さえあれば、登録の第1ステップは完了だ。続いて銀行口座の登録、実名登録を行えば、サービスが利用できるようになる。

これがAlipayの最初の画面だ。2018年7月時点では日本語に対応していないため、中国語で登録を進めるか、画面右上の「語言」から英語を選択する。今回は英語で登録してみる。

画面下の「More」をプッシュしたら「Sign up(サインアップ)」を選択。次の利用規約画面で「Agree(同意)」を押す。次に携帯電話番号を入力する。中国の携帯電話ならそのまま、日本の携帯電話なら「Phone region(通話エリア)」をJapan(日本)に設定し、頭の「0」を除いた番号を入力する。携帯電話に4桁の確認コードが送信されてきたらこれを入力する。これで完了だ。

【ステップ4】ステップ1で取得したキャッシュカードを登録する

「Me」をタップ。「My Card」からキャッシュカードを追加する。
キャッシュカードやクレジットカードの関連付けが完了するとこのように表示される。

【ステップ5】本人確認

任意で6ケタの支払いパスワードを設定し、身分証明書の登録を行う。ここまで済むとお店でのQRコード決済ができるようになる。

「Me」をタップした後、プロフィールアイコンの下に表示される赤い文字をタップする。ここに自分で決めたパスワードを2回入力すると、ID登録画面「Profile」に切り替わる。

国(Country)でJapanを選んで、身分証の種別(ID Type)はパスポート(Passport)を選び、パスポートナンバーを登録する。1ヶ月の取引額が5万元を超えるか1回の取引が1万元を超える場合は、実名登録と併せてパスポートの写真をアップロードしなければならない。

【ステップ6】手数料無料!銀行口座からのチャージ

銀行口座を登録したら、チャージができるようになる。「Me」の「Balance」からAlipay残高を調整できる。

「Top Up」から料金のチャージを実行。「Balance」に貯蓄できるのはRMB(人民元)のみで、外貨は貯蓄できない。

銀行口座以外からチャージできる?

銀行口座以外からAlipayのアカウントに電子マネーをチャージできるのだろうか?結論から言うと、2018年7月現在は不可能だ。チャージに使うカードは国内で発行したキャッシュカードしか選べない。

海外のクレジットカードは債務不履行となる可能性を懸念して敬遠される。代行業者にお願いする以外は、国外のクレジットカードでチャージする方法はない。

実名登録と利用限度額の関係

マネーロンダリング防止のため、Alipayには利用限度額があらかじめ定められている。ただし、実名でアカウント登録をすれば信用度が上がり、より大きな金額を扱えるようになる。

実名登録していない場合

実名登録をしていないAlipayアカウントは、振込や残高の使用といった基本的なお金のやり取りもできない。

実名登録している場合

実名登録していれば、毎月5万元までのやり取りができる。また、一度に1万元までの取引が可能だ。

実名と写真を登録している場合

取引額が月5万元を超えると、パスポートの顔写真入りのページを登録しなければならない。また、1回の振込で1万元を超えることがあるなら、パスポート写真を提出しておこう。写真の登録なしに利用限度額を超えた場合、アカウントの残高が凍結する可能性がある。

実名登録の方法

実名登録は非常に簡単で、スマホ内で完結する。第1段階はパスポート番号と実名などを登録するのみだ。第2段階は、パスポート写真と顔写真をアップロードする。

Alipayの使える10機能

店頭レジでキャッシュレス決済(最短2秒)

何と言ってもAlipayの面白みはここだ。中国国内はどんなお店でもAlipayとWeChatPayに対応している。さらにiOSなら、コントロールセンターからシームレスに支払いができる。

「タオバオ」での決済

アリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝)」を利用するなら、Alipayはダウンロード必須だ。タオバオはクレジットカードとAlipay残高からの支払いに対応している。

友人とメッセージのやり取り

Alipayには簡単なインスタントメッセージ機能もついている。SNSに紐づいたWeChatPayのように高い自由度ではないが、簡単なチャットなら問題なく行える。ただし、WeChatのモーメンツ(タイムライン)に相当するものはない。

その場にいる人に送金

その場にいる人に送金したい場合は、お金を受け取る人に受け取り用のQRコードを表示してもらい、それをスキャンするだけだ。金額を指定して、Touch IDもしくはパスコードで支払いを完了させる。

右から2番目の「Collect(徴収)」をタップ。

「Specify an amount(額面を決定する)」をタップして送金額を入力する。

食事会などで便利な割り勘機能

1回の支払いを複数の人間で負担する「割り勘機能」もある。複雑な操作ではないので、慣れれば簡単に使いこなせるだろう。

もし自分が全員分のお金を建て替えたなら、右上の「…」マークをタップしてオプションを開く。

一番上の「Collect from Alipay accounts(Alipayのアカウントからお金を徴収する)」をタップ。

「Collect from WeChat/QQ friends」を選べば、WeChatやQQにアカウントを持つ友達とも割り勘ができる。WeChatとAlipayは競合関係だが、このようなところで通じ合っているのだ。

電話番号やAlipayアカウント名で割り勘対象者リストを作成していく。金額もこの画面で入力する。

定期預金で利子を稼ぐ

MMFの「Yu’E Bao (余額宝、ユアバオ)」は、銀行の定期預金のようなイメージだ。Alipayに入っているお金を移しておくと、一定期間を経て利子を受け取れる。例えば、1万元を余額宝に移しておくと7日で7.29元、1年間では300元以上の利益になる。
日本の銀行の定期預金を例にとると、三菱UFJ銀行のスーパー定期の利率は年間0.010%。Alipayだと0.034%で約3倍となる。まとまったお金があるなら、Yu’E Baoを利用したほうが断然お得だ。

「Yu’E Bao」は定期預金のようなものとして使えることがわかる。

ワンタップでデリバリー利用

中国は現在、空前の出前ブームだ。国内のどこに住んでいても、街中の店から出前を取れる。利用料も安い。Alipayはサードパーティのデリバリー大手「餓了麼(ウーラマ、ele.me)」と提携している。

メインメニューの画面から「More」をタップ。

下方にあるサードパーティサービスから「Takeout」を選択する。

シェアサイクルを乗り回せる

Alipayアカウントがあれば、提携しているシェアサイクル「ofo」を自由に利用できる。利用時は街中に駐輪している自転車を探し、車体のQRコードをスキャンして解錠するだけだ。目的地に着いたら乗り捨てOKで、道端の邪魔にならない所に停めて施錠すれば良い。

個人信用をスコアで証明

「芝麻(ゴマ)信用」とも呼ばれるセサミ・クレジットは、Alipayを利用するならぜひ知っておきたいサービスだ。個人の信用度を第三者機関が査定するもので、スコアが650以上あるなら、世にあるほぼすべてのレンタルサービスをデポジットフリーで利用できる。スコアは最低350点、最高は950点だ。

セサミ・クレジットが提供するレンタルサービスは家、車、本、電気製品、家電、衣服までと幅広く、身の回りのあらゆるものが含まれている。補償金無料で、レンタル料のみをAlipayで決済すればよい。

メインメニューの「Zhima Credit(セサミ・クレジット)」をタップ。

スコアは650~700点あれば、ほぼすべてのサービスを利用できる。

家賃から通話料金まで、生活関連の支払いを一本化

生活関連の支払いは「Utilities(生活必需サービス)」から行える。水道代、電気代、ガス代、有線テレビ利用料、固定電話代、インターネット料金、アパートの管理費、中国北部で冬季に各自治体から提供されるセントラルヒーティングの使用料までカバーしている。

Alipay、日本進出の状況

日本の店舗がAlipay対応に本格的
日本人は、日本国内でAlipayを使うことはできない。しかし、インバウンド対策として、日本のコンビニやショッピングモールが次々とAlipayに対応し始めている。駅ビルとして約1500店を展開するアトレは2017年末、全館でAlipayへの対応を進めていくと発表した。WeChatPayを含め、本格的なインバウンド対策が進んでいる。

また、Alipayが採用するQRコード決済に対応する国内初のマルチ決済端末も開発された。エルモ社が2017年9月に発売した「FP-1」は、QRコード決済やNFC(近距離無線通信)を利用した各種電子マネー決済に対応していく。利用明細票の印刷やLTE通信にも対応が可能だ。

観光庁によると、2017年の中国人によるインバウンド消費は1兆6,900億円を超えた。そのため各店舗のAlipay対応が急がれている。日本国内でAlipayに対応している店には、例えば以下が挙げられる(念のために追記するが、2018年3月時点で、日本人のパスポートで作ったAlipayアカウントでは、日本の店舗でのQRコード決済は出来ない)。

・ローソン
・ドン・キホーテ
・ビックカメラ
・無印良品
・パルコ
・ピーチ・アビエーション

これ以外にも多くの店がAlipay決済に対応し始めている。また、Alipay決済は日本だけでなく、海外でも導入されている。すでに韓国や香港・マカオ、台湾などの他、タイ、フィリピン、インドネシアなどの東南アジアでも使用が始まっているのだ。

一部銀行ならAlipay導入支援も
一部の銀行はAlipayの導入支援サービスを開始している。東和銀行、京都信用金庫などの金融機関が先陣を切ってサービスに取り組んでいる。銀行側がAlipay導入ノウハウを提供する代わりに、手数料収入を得るというビジネスモデルだ。

中国のインバウンド対策にはAlipay
以上のことから分かるように、中国人のインバウンド対策ならAlipayとWeChat、また、ここでは紹介していないが銀聯カードがあれば十分だろう。一方、中国以外の外国人に対するインバウンド対策なら、やはりペイパルが有効だ。ペイパルは世界中に2億人以上のユーザーを抱えており、日本のアカウント向けには20以上の外貨に対応している。
Alipayはクレジットカードが登録できるなど、WeChatよりも外国人向けにローカライズされていて使いやすい。ご興味を持たれた方は、まずはアプリのダウンロードから始めてみてはいかがだろうか。

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