テスラ超えの超急速充電 センサー・AI・データ管理で安全性クリア

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テスラ超えの超急速充電 センサー・AI・データ管理で安全性クリア

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車載電池用の超急速充電を実現するソリューションベンダー「昇科能源(THINK ENERGY)」がプレシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。出資を主導したのは「藍馳創投中国(BLUERUN VENTURES CHINA)」で、株主の「常見投資管理(C&I CAPITAL)」も出資に参加した。調達した資金は製品開発や実用化に充てられる。

米EV大手テスラが独自に手掛ける最新規格の充電スタンド「V3スーパーチャージャー」を上回る超急速充電設備の急成長を睨み、昇科能源はこれに特化している。スマート機器、診断機器、スマート化アルゴリズム、運営プラットフォームを含むフルスタックのソリューションは、超急速充電のボトルネックになっている安全性の問題を解決し、自動車メーカーや車載電池メーカーにはスマートセンサーやAIアルゴリズムを、充電ステーションの運営企業にはテスラのV3スーパーチャージャーを超える「V4クラス」の超急速充電システムやビッグデータ運営プラットフォームを提供する。

中国国務院が昨年末に発表した「新エネルギー車産業の発展計画」によると、2025年までには中国で販売される新車の約20%を新エネルギー車が占め、年間販売台数は400万台となる。こうした新エネルギー車にとって、長距離移動時、あるいはビジネス街での突然のバッテリー切れの際、自宅に充電設備を持たない場合などには超急速充電設備の利用が主な選択肢となるだろう。将来的にはガソリンスタンド以上の普及が進むと考えられる。

昇科能源の超急速充電ソリューションは出力360kW以上、電圧800V、電流値4Cという超高スペックだ。同社の褚政宇CEOによると、今後10年で超急速充電に対応したEVは現在の1000倍にあたる3000万台に達し、車載電池の充電市場の30〜40%を占め、市場規模は年額1500億元(約2兆5900億円)に達する。

テスラのスーパーチャージャーが実現している超急速充電のアーキテクチャー「V3」は最大出力250kW、電圧400〜800V、電流値3C以下で、同社の「Model3」および「ModelY」の2車種に対応し、わずか15分の充電で200kmの走行が可能になる。テスラは昨年末、さらに大出力の350kWの充電スタンドの開発に挑んでいると発表した。こうした「V4」クラスの超急速充電技術は世界的に実用化されてはおらず、その主因はこれだけの電流容量に耐える電池、充電スタンドおよび電力系統の安全性が保証できないことだ。

安全上の制約が多い超急速充電技術だが、昇科能源は電池に対してスマートセンサーとAIアルゴリズムを用い、ライフサイクル全体におけるリチウム析出対策や故障の早期警報の表示を行う。安全の範囲内で電池の能力を最大限に発揮させるとともに、90%以上の異常を数日前に予知し、リチウム析出やその他の不具合を適時発見する。また、充電設備に対しては自主開発した超急速充電システムを供給する。充電スタンドはモジュール化されているため拡張可能で、出力360〜480kWの範囲で柔軟に対応する。

充電スタンドの安全管理に関してはビッグデータ運営プラットフォームを用い、充電中の電池や充電スタンド設備のデータをアルゴリズムで処理し、安全面のリスクや故障を検知して95%以上の事故を防止する。

超急速充電スタンドにかかる運営コストは主に電力系統のアップグレードにかかる費用、駐車場の借地料、充電設備、メンテナンス費などだ。普通充電なら設備の設置費は1台あたり4〜5万元(約69万〜86万円)だが、昇科能源の目指す超急速充電設備は25〜30万元(約430万〜520万円)かかる。収益モデルは明確で、超急速充電では1台あたりの使用時間が短いため広い駐車場を借りる必要はなく、高い運営コストや低い客単価に悩まされずに済む。資金は2年以内に回収可能で、将来的にスタンド建設のラッシュが起こると踏んでいる。

昇科能源の安全な超急速充電ソリューション

現在は「CATL(寧徳時代新能源科技)」や「BYD(比亜迪)」、韓国「SKイノベーション」など車載電池の世界的大手メーカーやロイヤル・ダッチ・シェル、中国国営ステートグリッド(国家電網)などの充電ステーション運営企業と取引している。褚CEOによると、昇科能源は昨年に前年の20倍以上の売上高を記録し、大口顧客は30社近くにおよぶ。

昇科能源は、電池の安全分野では中国で最も権威ある機関の一つである清華大学安全実験室が2019年にインキュベートさせた新しい企業だ。
(翻訳・愛玉)

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