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光集積回路でLiDARを小型チップ化 従来価格の10分の1にも

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高性能かつ小型で低コストと、従来にはない高度なLiDARの実用化を目指す「撃感光子科技(OmniSensing Photonics Technology)」がシリーズAで1億元規模(約17億円)の資金を調達した。リードインベスターは「北極光創投(Northern Light Venture Capital)」と「中芯聚源(China Fortune-Tech Capital)」が共同で務め、「仁智資本(R-Z Capital)」、「呉江創投(Wujiang Venture Capital)などがコ・インベスターを務めた。

撃感光子科技はコヒーレント(波動が干渉し合う意味。二つ以上の波動の振幅、位相間に一定の関係性があること)光通信技術を活用した産業用レーザーセンシング、車載LiDARへの応用を手がけている。同社の強みはFMCWの光回路を小型のチップに集積し、世界の類似製品と比較して販売価格を10分の1から5分の1にまで押さえるのに成功したことだ。

撃感光子科技が開発した光回路集積型チップ

LiDARの主要な計測方法にはFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave、周波数連続変調波)とToF(Time of Flight、飛行時間)がある。FMCWは、一定の間隔で変調を加えた連続波を発信して物体の位置、速度の計測を行う。ToFはレーザー光を照射し、その反射光を受け取る時間差で計測するものだ。

ToFと比較すると、FMCWは10~100倍感度が高く、長距離計測が可能で、消費電力が少ないなどの利点がある。しかしこれまでのFMCW機器は、計測対象の機器と別のコンポーネントとして作られており、サイズ、コスト、速度の遅さなどで課題があり、産業分野へは利用されてこなかった。

撃感光子科技が開発したレーザードップラーセンサー

創業者の陳偉CEOは、「大型だったFMCW機器を自社開発したホモダイン(干渉を応用し、微弱な信号を測る方法)光学処理チップ上へ集約させることに成功した。また、自社で開発したマイクロチップ、信号処理アルゴリズムとも連携可能にし、ナノレベルでの振動測定、マイクロレベルでの距離測定も実現させた。そして産業用のセンサー、車載LiDARへの応用にこぎつけた」と語る。

同社が開発した産業用レーザーセンサーはさまざまな製品の品質検査や計測に応用され、3C(家電、情報通信機器、コンピューター)、新エネルギー電池、超音波機器などをカバーしている。

2019年、世界の産業用レーザーセンサー市場規模は300億元(約5200億円)を超えている(車載LiDARは含まない)。これまで同市場をけん引してきたのは日本のキーエンス、オムロン、ドイツのMicro-Epsilon、SICKといった企業で、中国企業はこの分野では後発組だった。

光回路集約型のチップ設計の総責任者を務める吴雷氏によると、同社は今後車載向けにFMCW方式のLiDAR開発を加速させるという。今年の年末までにはサンプルの完成を予定している。他社と差別化を図るためにFMCW技術に位相変調技術(送信する信号が持つ搬送波の位相を変調させて伝送する方式)を合わせ、連続的な距離測定データの出力を可能とし、毎秒約3000万点のスキャニングを目標としている。同社のFMCW方式は狭い線幅における高速の周波数変調レーザー、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform;、FFT、音響や振動を測定するのに重要な解析方法)を必要としないことから、ソリューション全体のコストを大幅に下げることが期待される。

同社に在籍するスタッフは約35人。中核メンバーは清華大学、上海交通大学、米メリーランド大学などの出身者。陳CEOは光回路集積型のチップの開発に関し20年近い経験を積んでおり、複数の光通信企業でチップの設計を担当してきた。

リードインベスターである中芯聚源の董事総経理・陳紹金氏は「撃感光子科技が展開する製品の性能、コストは海外の競合製品と比べて優位性が高く、さまざまな市場に参入できると期待している」と語った。
(翻訳:Qiunai)

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