うつ病や睡眠障害に効果、精神疾患向けデジタル治療「WonderLab」に投資家も期待

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うつ病や睡眠障害に効果、精神疾患向けデジタル治療「WonderLab」に投資家も期待

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近年、医療・ヘルスケア分野におけるテクノロジーの活用が新たな局面を迎えている。これまではオンライン診療や医薬品のオンライン購入などが中心だったが、現在では「薬」のように病気を治療する手段として本格的な活用が始まっている。その最前線にあるのがデジタル治療だ。

デジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)は一般的に、疾患の治療や管理、予防のためにソフトウエアを用いて行う医学的なエビデンスに基づく治療介入と定義されている。単独でも、また医薬品や医療機器、その他の療法と組み合わせて実施することもでき、情報(アプリ上のテキスト、画像、動画など)や物理的要素(音、光、電気、磁場またはその組み合わせ)、薬剤などを通じて患者に働きかけ、症状の改善を目指す。

デジタル治療は従来の治療法の限界により発展したもので、AIやVR、クラウドコンピューティング、ビッグデータなどデジタル技術の成熟とともに、従来とは異なる革新的な治療法となっている。デジタル技術を駆使して既存の医学原理やガイドライン、標準治療計画をアプリケーション主導型の治療法に変換し、患者の慢性疾患管理を効果的にサポートすることができ、従来の薬物治療の限界を打ち破る画期的なアプローチと言われている。

この2年ほどの間に、デジタル治療の分野では米国のAkiliやPear Therapeuticsなどが大きく成長している。中国では成長著しい企業の1つとして「望里科技(WonderLab)」を挙げることができる。

精神疾患を治療するためのスマホ向けアプリを開発する

望里科技は2017年に設立され、精神神経疾患向けのデジタル治療に注力している。今年1月に医療機器として承認を受けた同社の「認知機能障害治療用ソフトウエア」は、モバイル端末で認知機能障害を治療するもので、アルゴリズムに基づいた認知機能の矯正トレーニングを提供し、患者の治療状況に応じてトレーニングや治療法を調整する。

設立以来、望里科技は資金調達を重ね、これまでに1億元(約20億円)以上を調達した。出資者には博遠資本(BioTrack Capital)、SIG、長嶺資本(Long Hill Capital)、康寧医院(Kangning Hospital)などが含まれる。現在、望里科技には数百人が在籍しており、本社は北京にある。創業者の李岱氏は北京大学心理・認知科学学院を卒業後、ボストン コンサルティング グループ(BCG)で医療分野のコンサルティングに従事したほか、中国テック企業・楽視(LeEco)のVR事業CEOを務めた経歴を持つ。

望里科技では精神疾患にフォーカスし、うつ病や睡眠障害、依存症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などに対応したプロダクトを展開している。なかでも睡眠障害向けソフトは、第14次五カ年計画の重点テーマに選ばれ、うつ病向けソフトも大規模サンプル調査で有効性が実証されている。商業化の面では、心理学へのさまざまな応用に向けて、大規模な心理スクリーニング、客観的評価、トレーニング効果の向上を含むトータルソリューションを提供している。また医療や精神障害、薬物依存症治療、地域住民、消防、教育、軍隊、刑務所などさまざまな分野でサービスを提供して、顧客のニーズに応えると同時に一定の収益を上げている。

李岱氏は次のように語る。「医学の商業化は非常に厳格なものだ。有効性と安全性を確保した上で医療基準に沿って段階的に準備を進める必要があり、収益を得るにはそれぞれの段階を全て適切に行っていなければならない。このプロセスは医薬品開発とよく似ている。発売までに数年もの準備期間を要するが、市場で販売されるようになれば収益は急拡大する。我が社も治療効果の研究から臨床試験、政府関連部門との連絡まで、一連の業務を推し進めているところだ」

デジタル治療を手がける企業は、プロダクトの開発から臨床的検証、さらにはビジネスモデルの模索や一定規模の収益実現まで、非常に長いプロセスを経る必要がある。業界全体はまだ形成期にあるため、業界の発展を促すには政策や保険、資本など複数方面からの参画が欠かせない。

(翻訳・畠中裕子)

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