バイオプラスチックで環境保全 中国新興、年産能力50トンのFDCAパイロット設備を披露

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バイオプラスチックで環境保全 中国新興、年産能力50トンのFDCAパイロット設備を披露

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フランジカルボン酸(FDCA)は高性能バイオベースプラスチックであるポリエチレンフラノエート(PEF)製造のカギとなる成分で、米国エネルギー省(DOE)が選定した12種類の最も期待されるバイオベース化合物のひとつだ。石油由来の高純度テレフタル酸(PTA)と比べ、FDCAは二酸化炭素排出量を45~55%削減することができる。

しかし製造コストの高さ、純度を高めることの難しさなどから、FDCAは未だ量産が実現されていない。FDCA商業化の有力候補企業と目されているオランダのAvantiumも、年産能力5000トンのプロジェクトが今年4月ようやく工場の起工式にこぎ着けたところだ。

そうしたなか中国メーカーに動きがあった。バイオテック企業「拜奥邁斯生物技術」は9月14日、バイオベース素材産業に関わるシンポジウムの席上で年産能力50トンのFDCAパイロット設備をお披露目した。

同社の親会社である「安徽中羰碳一工業技術」は2019年設立、化学品中間体の研究開発、製造・販売を手掛けるテック企業で、主にフッ化ポリイミドモノマー、液晶性モノマー(主に中間体)、FDCAおよびその誘導体バイオベース化学品を扱う。今年7月、FDCA事業を独立させ、子会社として拜奥邁斯を設立、小規模なベンチスケールから大規模パイロットプラントの早期実現を目指している。

拜奥邁斯は一般的な製造プロセスを採用している。果糖(フルクトース)を原料とし、脱水反応によりヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)を得て、それを再び酸化してFDCAを得るというものだ。果糖の脱水反応では不純物が生じやすく、かつ5-HMFの純度を高めるのは非常に難しいため、それに続く酸化プロセスも技術難度が高くなる。

そこで拜奥邁斯は独自の技術を生み出した。脱水反応後の果糖に簡単な処理を施し、沈殿させて得た5-HMFの粗生成物を直接酸化して重合FDCAを得ると、純度は99.9%以上になる。同社の製造するFDCAで合成したPEFは薄い色で、結晶化すると乳白色になるという特長を持つ。また、同社は複数の反応釜をつなぐ連続的なHMF合成技術も開発しており、より高効率に純度の高いHMF粗生成物を得る。

拜奥邁斯の製品:左から2,5-フランジカルボン酸ジメチル、PEF、FDCA(同社提供)

拜奥邁斯では月産能力5トンの生産ラインを完成しており、国内ではトップレベルになる。製造コストを抑えるために世界最大の果糖メーカーと提携し、必要な工業レベルの果糖を手に入れている。

生産能力が拡大すれば、バイオベース素材は石油由来材料に匹敵する価格にできる。同社の劉顕偉総経理によると、設備の調整や経験曲線から考えると9月に正式に運用できるFDCAの月産能力は予定の30%、1.5トン程度にしかならないが、年内に5トンになる見込みだという。

しかし拜奥邁斯にとって、川下の顧客を見つけるのは資金よりも重要だ。劉総経理は「肝心なのは市場の信頼を回復すること」と語り、FDCAの製造コストがまだ高いうちに、迅速に商業化できる顧客を見つけたいとする。PTAに代わるプラスチック原料となるPEFに比べ、ナイロンなど売れ行きが価格に左右されにくい素材は、商業化を比較的早く進めた製品だと劉総経理はみている。「明確な応用シーンを描いているか、あるいは商業化のスピードが速い川下の顧客と協力したい」と語り、「もちろん、より低価格で提供したい」と加えた。

中国国務院は8月30日の第十三回全国人民代表大会常務委員会第三十六回会議で、低炭素型社会への転換を改めて明言した。生分解性素材とバイオベース素材は素材産業が目指す二つの方向だ。しかし劉総経理は、生分解性素材は二酸化炭素排出という課題を根本から解決するものではなく、低炭素のバイオベース素材に今後さらに多くの応用シーンがあると考えている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)

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