日本でプチ流行の中国コスメ、人気定着の鍵はオフラインのブランド認知

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日本でプチ流行の中国コスメ、人気定着の鍵はオフラインのブランド認知

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くっきり眉毛と真っ赤な唇がポイントの中国風メイク、いわゆる「チャイボーグメイク」が日本の若い女性の間でちょっとしたブームになっている。新大久保のような韓国コンテンツが集積する街でも、昨年くらいから中国コスメや東南アジアコスメを取り扱う店が増えてきた。

中国人留学生のAさんは「ここ2年で中国ブランドの化粧品を使う日本の女の子が急に増えました。以前は中国在住の友人のために日本ブランドの化粧品をせっせと代理購入していたのですが。ずいぶん状況が変わりました」と語る。

インターネットテレビ「ABEMA(アベマ)」が2022年夏に配信した連続ドラマ「ANIMALS‐アニマルズ‐」では、ヒロインが愛用するアイシャドウパレットに注目が集まった。赤色と金色が際立つカラーリング、屏風をモチーフにしたデザイン、中国風の浮き彫り。中国では誰もが知るブランド「Florasis(花西子)」のアイシャドウパレット「百鳥朝鳳」だった。同ブランドは、プロダクトプレイスメントとしてテレビ番組などに商品を提供するだけでなく、SNSを活用したプロモーションも展開している。

中国の化粧品業界では海外市場に向けた事業展開がトレンドとなっている。中国税関総署が発表した貿易統計によると、2021年のメーキャップ・スキンケア用品の輸出額は前年比14.4%増の48億5200万元(約970億円)に上った。

中国国内では化粧品ブランドが激しい市場競争を繰り広げている。新たなブランドも続々と誕生している。そんな中、高級感ある中国的なデザインを売りにするFlorasisや、乙女心をくすぐる「Flower Knows(花知暁)」、スタイリッシュな「COLORKEY(珂拉琪)」などのブランドがいち早く海外市場に目を向け、日本や東南アジアへの進出を開始した。

日本の若者は購買力が高く、メーキャップに対する関心も高い。化粧品の販路も専門店から雑貨店、コンビニエンスストアまで多岐にわたる。海外ブランドの化粧品を受け入れる土壌も整っている。日本進出を果たした中国化粧品ブランドは、ここ2年ほどで急速に販売量を伸ばしており、ネットでの反響も高まっている。

中国風メイク流行のきっかけは、美容系インフルエンサー「鹿の間」さんが2019年に発表したユーチューブ動画だったとされる。中国風メイクの流行とともに中国ブランドの化粧品にもスポットライトが当たり、韓国ブランドと並ぶトレンドとなった。

中国の美容系インフルエンサー「果果」さんは「日本のSNSでは2年ほど前から中国ブランドの化粧品が話題になり始めた」とし、「美容系のウェブサイトやインフルエンサーがこぞって中国ブランドの化粧品を紹介している」と説明する。

日本で話題になったのは主にアイシャドウや口紅などのメーキャップ用品で、いずれもコンセプトやデザインに工夫を凝らしたアイテムだった。上海発の化粧品ブランド「和粧」の「麻雀アイシャドウ」は、麻雀牌そのもののケースの遊び心と全43色の豊富なカラーバリエーションが人気を呼んだ。

中国ブランドの化粧品は、斬新なデザインや優れた使用感で日本の消費者の関心を集めている。とはいえ、日本進出を果たした中国ブランドが継続的に成功を収めるためには、日本市場に合わせたマーケティングが必要になるだろう。

中国ではECやライブコマースが発達しているため、新興化粧品ブランドはオンラインチャネルの開拓を優先することが多い。大手ECプラットフォームで「ネット最安値」をうたえば大量の顧客を獲得できるものの、顧客ロイヤリティの向上にはつながらないというジレンマもある。

一方、日本では実店舗での小売システムが成熟しているため、9割以上の化粧品がオフラインチャネルで販売される。オンラインチャネルは補助的な役割にとどまる。日本の女性は実店舗に出向いて自分の目で化粧品を選ぶことを好む。化粧品ブランドは店頭にポスターなどを掲示し、販売促進を図っている。

中国の化粧品ブランドが日本市場でしっかりした足場を築くためには、ブランドとしての影響力を高め、常にブラッシュアップしていくことを考える必要もある。

Flower Knowsはブランドの認知度を高める試みの一環として、日韓両国で活躍するアイドルの宮脇咲良さんをアジアアンバサダーに起用している。ファッション誌「ViVi」の21年10月号では宮脇さんが表紙を飾り、同社の主力商品を紹介した。同社は渋谷や新宿などの繁華街でアドトラック(宣伝車)も走らせている。

中国と日本とでは、化粧品の開発から発売までの期間にも大きな違いがある。中国化粧品ブランドの日本進出をコンサルティングしてきた「Mold Breaking(モールドブレイキング)」の郭兮若社長は「中国ブランドは、化粧品の開発から発売までに2カ月程度しかかけない。一方、日本ブランドは開発からテストまで細心の注意をはらい、発売までに最短6カ月をかけている」とした上で、中国ブランドの強みは強力なサプライチェーンを背景とする大量生産と効率性だと指摘した。

郭社長はさらに、「海外進出する中国ブランドは、短期間で収益を上げることに固執すべきではない。ブランド力を確立し、長期的な収益獲得を目指すことが重要になる」との考えを示した。

とくに日本のビジネスでは、信用構築が極めて重要になる。中国の化粧品ブランドが日本市場で長期的な成功を目指すならば、「製品の輸出」から「ブランドの輸出」へと考え方を切り替える必要があるだろう。

作者:WeChat公式アカウント「霞光社(ID:Globalinsights)」(翻訳・田村広子)

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