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市場調査会社Informa Pharma Intelligenceが2021年に公表したレポートによると、中国では2020年にフェーズⅠからフェーズⅣまでの臨床試験が3641件実施された。臨床研究デジタル化関連の市場規模は急速に拡大しており、手堅い需要のある臨床試験SaaSの市場は今後も拡大することが予想される。
こうした状況を背景に、臨床研究SaaSプラットフォームを運営する「耀乗健康科技(Aurora)」は2020年8月、グーグル上海研究院の院長を務めていた陳暁CEOにより創業された。同社はこのほど、シリーズA+で数千万ドル(数十~百数十兆円)を調達した。シードラウンドとシリーズAに参加していた漢康資本が主導し、B Capitalも参加した。
創薬や医療機器の研究開発では、非臨床研究や臨床試験、リアルワールドデータ研究などを含む研究開発費が最も大きな割合を占めている。耀乗健康科技は自動化とスマート化のツールを通じて、データセキュリティとコンプライアンスを確保しつつ、臨床研究に関わりを持つ人々がそれぞれの分野でコスト削減・効率向上とデータクオリティ向上を実現できるようサポートする。
臨床研究データ統合化ソリューション
耀乗健康科技は創業以来、臨床向けエンジン「Clinical Logic Engine」をコアとし、臨床試験フェーズにおける全データのフロー・集積・応用を手掛けている。
この2年間で同社は徐々に製品ラインナップを揃えてきた。最初に実用化されたのはデータ収集と統合データベース構築機能だ。コストと時間がかかり、大量のマンパワーを必要とする臨床試験のデータベース構築においては、「Prime Construct」のデジタル化ツールを通じて臨床試験実施計画書に基づいた来院日と症例報告書(CRF)を自動作成し、データ検証計画(DVP)に基づいて自動的にロジカルチェックができるようにした。
続いて同社は、臨床ドキュメント作成支援ツール「Prime Create」を開発した。臨床試験実施計画書を作成するには、多くの機関、部門をまたいだ協力が必要となり、様々な人が関わってくる。そこでPrime Createには、申請者・開発業務受託機関(CRO)や医療機関・治験責任医師などに向けたオンライン共同編集ツールという基本機能を持たせた。また電子図書館やデータベースのような機能もあり、病気の種類、試験フェーズ、薬剤の分類、データ統計などのテンプレートやコンテンツを蓄積しユーザーに提供する。ユーザーがこのシステムで作成したドキュメントは構造化・デジタル化して蓄積され、データベースの自動構築、収集、統計などに利用される。
ノーコード・ローコードの導入で手軽に
新薬は多種多様で、臨床試験のデザインは複雑だ。臨床研究システムをカスタマイズしたいという申請者や受託機関のニーズに応えるにはどうすればよいのか。
陳CEOによると、臨床研究フロー全体のシステムのペインポイントとニーズを調査し、柔軟なシステムを設計したところ、90%以上のニーズはコードの書き換えを必要としない「ノーコード」で解決できるようになったという。例えば、対面ではなくリモートでデータを収集する分散型臨床試験(DCT)のシステムでは、電子的臨床結果評価(eCOA) のアウトカム(評価項目)設定など、多様な機能が使えるようになっている。「コンピュータ技術という視点で多くの機能を持たせ、データベース構築においてWYSIWYG(ウィジウィグ、最終的な仕上がりを画面で確認しながら作業できる)を可能にし、直感で簡単にカスタマイズできるようにした」と陳CEOは述べた。
また、生物統計の分野については「Prime Compute」を開発し、大量のユーザー定義アルゴリズムを提供している。ユーザーはそのまま使用することも、カスタマイズ設計を施すことも可能だ。もうひとつの製品、データ観察・追跡システムの「Prime Comprehend」でも多種多様なレポートやプレゼンテーションを選択できる。同社が開発したローコードプラットフォームをベースに大量の標準パックを提供しているため、ユーザーはわずかなプログラミング作業だけで、システムを企業の個々のニーズにかなった製品とリンクさせることが可能だ。
このほか、国際的な大規模臨床試験に対する理解に基づき、同社のシステムはマルチクラウドを採用。世界中のコンプライアンス、ローカル展開、データの分散保管や国境を越えた利用に対応し、国際共同治験や多施設共同治験の要求を満たす。耀乗健康科技はすでに複数の大手創薬企業やバイオテクノロジー企業、開発業務受託機関と緊密に協力している。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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