世界で注目のAI画像生成 追い風に乗った中国「TIAMAT」、米DCMから数億円調達

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世界で注目のAI画像生成 追い風に乗った中国「TIAMAT」、米DCMから数億円調達

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AIによる画像生成が世界中で注目されている。

テキストからの画像生成(Text-to-image)や拡散モデル(Diffusion model)を特徴とする画像生成プラットフォームが、既存のコンテンツ制作やアートデザインなどを覆そうとしている。簡単な数行の文字で誰もが質の高いアート作品を作り出すことができるようになり、創作のハードルはさらに下がった。AI画像生成に対する業界の反応は様々で、抗議をする一部のアーティストがいる一方で、使用したことのあるユーザーの多くはAIが芸術の民主化を引き起こすと考えている。

中国初のAI画像生成プラットフォーム「TIAMAT」がこのほどエンジェルラウンドで米VC「DCMベンチャーズ」から数百万ドル(数億円)を調達したことがわかった。

同社は2021年に設立。中国国内でいち早くAI画像生成の分野に参入した技術チームであり、自社開発のアルゴリズムやエンジンを利用して個人や企業ユーザー向けにクリエイティブ制作広告、デジタルコレクションなどの場面でサービスを提供している。

AI生成コンテンツがクリエイティブをより効率的に

海外でのAI画像生成ブームとほぼ時を同じくして、TIAMATは今年上半期にソーシャルEC「小紅書(RED)」やTikTok中国版「抖音(Douyin)」などのソーシャルメディアで中国語の文から画像生成を行うプロダクトを発表、内部テストを開始している。

TIAMATはまだコミュニティでの内部テストを行っている段階だが、収益化が見え始めている。すでに有名なSF作品や国営テレビ局「央視網(CCTV)」、人気ファッション雑誌「時尚芭莎(Harper’s BAZAAR)」「嘉人(marie claire)」と長期的な提携を締結しているほか、多くの大手ゲーム企業や、故宮文化関連の無形文化遺産IPを有する「知造局(ICI)」などと戦略的提携を結んでいる。

画像素材市場全体とAI生成コンテンツには重なる部分があり、テキストからの画像生成は大きな可能性を秘めている。例えば世界の画像データベース市場規模は現在3000億ドル(約44兆円)に近いが、有料素材でもプラットフォームにある既存の画像を使うしかなく、ユーザーのニーズに応えたものではない。

一方、TIAMATのバックグラウンドデータによると、AIのサポートがあればユーザー1人につき1カ月3000〜1万枚もの画像が生成可能だという。この大規模な量的変化は業界の質的変化をもたらす可能性がある。

「TIAMAT」が生成した画像

「クリエイティブな仕事とは制作そのものだと考える人が多いが、実際は同じ事の繰り返しであり、機械的で無意味な作業も多い。これらの作業が創造力を抑圧してしまう」とTIAMAT創業者の青柑氏は話す。またこれは同氏がAI画像生成に参入した理由でもあるという。

「中国語」を強みにさらなる成長を目指す

TIAMATコミュニティの主体となっているのは1995〜2005年以降に生まれた若者だ。彼らはクリエイティブ、美意識、IP、メタバースでの交流などに対し強いアイデンティティーを持っている。現在TIAMATは、コミュニティを通してAIアートのインフルエンサーなどを育成しているという。

海外で注目を集めているテキストからの画像生成サービス「Stable Diffusion」「DALL・E2」「Midjourney」などと比べ、TIAMATが持つ強みは次の2点だ。

まず中国語でのNLP(自然言語処理)に蓄積があり、今後はアジア市場の他言語に拡大していく予定であること。次に、中国ユーザーのニーズにより適した画像を提供することができるほか、中核ユーザーを専門家やビジネス向けに設定していることだ。

ユーザー獲得とコミュニティ構築に力を入れているTIAMATは、すでに内部テストで数千人のアクティブユーザーを集めている。新規ユーザーは毎月数万人にのぼり、コミュニティには中国国内のデザインやアートなどのトップブロガーも参加している。

「TIAMAT」が生成した画像

TIAMATのようなAIプラットフォームは、ユーザーがどのような画像を生成したいのか、どのようなワードを使って画像を生成しているのかなど、ユーザーの行動を日々観察する必要がある。流行しているアートのスタイル、インターネットコンテクスト、頻出のワードやトピックは絶えず変化しており、それをサービスに反映させなければならない。そのため、サービスを発表した後、コミュニティでリアルタイムにフィードバックとニーズを理解することがより重要になってくる。

TIAMATの新モデルは現時点で1日あたり10〜14万枚の画像を生成でき、1枚当たり数秒から2分以内に生成可能だという。
(翻訳・山口幸子)

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