中国のコロナ治療で注目の「水素医学」、ナノバブル技術で医療・一般向け応用進む

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中国のコロナ治療で注目の「水素医学」、ナノバブル技術で医療・一般向け応用進む

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「水素医学」は多くの人にとってなじみのない概念かもしれない。しかし医療分野における水素研究の歴史は長く、1975年に米科学誌「サイエンス」に水素ガスを吸入することで扁平上皮がんを治療できるとする論文が掲載されたのが始まりとされている。2007年には日本医科大学の太田成男教授(当時)が、濃度2%の水素を動物に投与して脳虚血の治療に成功したという研究論文を学術誌「Nature Medicine」に発表、水素医学が徐々に注目を集めるようになり、2008年頃から中国でも研究が始まった。

数々の論文では水素の持つ抗酸化作用、抗炎症作用、抗アポトーシス作用、シグナル伝達の制御メカニズムなどが示されている。2020年の新型コロナウイルス感染症の大流行では、中国の感染症研究の第一人者である鐘南山氏が提唱した水素・酸素混合ガス吸入治療法が中国でコロナ感染症の標準治療に採用され、水素技術の医療応用が広く認知されるきっかけとなった。

水素医学の研究が本格化するなか、産業界でもその技術応用が始まっている。2014年に設立された「Nanobubble(納諾巴伯)」もこの分野に注力する企業だ。上海本社のほか、日本にもオフィスを構え、ナノサイズの微細な気泡を発生させるナノバブル技術を利用して水素の医療応用を進めている。水素製造、水素水生成、一般消費者向け水素製品などを事業内容とし、これまでに2回の資金調達を行った。

Nanobubble創業者で董事長の穆華侖氏は、中国の高齢化に伴い「健康」が今後の大きな流れになると考えた。穆氏は参入分野を見極めるため高齢化の進む日本に赴き、最終的に水素医学に狙いを定めた。穆氏はその後、水素を作るのに最適なナノバブル技術に着目する。ナノバブル技術は気体を液体に溶けやすくする理想的な技術で、水中に水素を長時間溶解させることができるため、水中の水素濃度を大幅に高めることができる。

現在、ナノバブルの主な生成方法には、加圧溶解、キャビテーション、高速旋回せん断、膜分離の4種類がある。Nanobubbleが独自開発したナノバブル物理溶解技術は、膜分離技術により10~230nmのナノバブルを生成し、2500ppb以上の超飽和水素水の高速製造を可能にした。

Nanobubbleはナノバブル技術の産業応用を足がかりとし、複数のビジネスラインを展開している。水素製造にはPEM(プロトン交換膜)水電解技術を採用し、これをベースに第3世代CCM(触媒層付き電解質膜)を開発することでナノスケールの電極間距離を実現し、純度の高い水素を効率的に生成できるようにした。

また既存の水素製造技術や溶解技術を基盤として、水素水生成ボトル、水素吸入器、水素水生成器、風呂用水素発生器などの水素関連製品を開発してきた。

医療分野にも取り組んでおり、目薬や心停止液、血液透析液、手術用洗浄液など低粘度の液体に水素を添加することで医療用液体の改良も進めている。現在、Nanobubbleは中国健康促進基金会や中国科学院上海応用物理研究所、上海交通大学水素科学センターなど多くの機関と産学官連携を進めており、数十件もの水素医学研究プロジェクトに技術的なサポートを提供している。

NanobubbleではB2B2Cモデルを採用し、代理店を通じて中国や日本のヘルスケア機関や漢方クリニックなどでビジネスを展開している。これまでに水素水生成器や家庭用水素発生器、風呂用水素発生器などを6万台近く売り上げた。

同社はまた水素医学業界の規格の起草・発行にも参加して水素医学分野の標準化を推進するとともに、一部の製品の医療機器登録を進めるなど、法規に沿った産業の発展に尽力している。
(翻訳・畠中裕子)

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