物理発泡技術の効率化・コスト削減に成功、中国新素材メーカー「大毛牛」が独占市場打破へ

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物理発泡技術の効率化・コスト削減に成功、中国新素材メーカー「大毛牛」が独占市場打破へ

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新素材を開発する中国スタートアップ企業の「大毛牛(DMN)」がシリーズBで1億元(約20億円)以上を調達した。出資者は毅達資本(Addor Capital)や既存株主の坤泰資本(Kuntai Capital)など。調達した資金は製造技術のコスト改善やエネルギー節約装置のカスタマイズ、生産能力の拡大などに用いられる。

大毛牛は2019年8月に設立された、超低密度ポリマー材料の物理発泡技術に注力する新素材メーカーだ。断熱材料、緩衝材料、防音材料、エネルギー吸収材料、分解性材料という5つのカテゴリで製品を扱っており、基材はポリプロピレンやポリエチレン、EVAからシリコンゴム、フッ素ゴムまでほぼ全てのポリマー素材をカバーしている。

物理発泡成形を用いた同社の発泡体DMNシリーズは、ファッション、スポーツ用品、コールドチェーン(低温物流)、軍事産業、建設、自動車、軌道交通、高価値医療用消耗品など幅広い分野で活用でき、ターゲット市場は実に1兆元(約20兆円)規模に上る。

物理発泡成形とは、化学発泡剤の代わりに超臨界流体(二酸化炭素や窒素)を使って高分子多孔質体を作る方法で、環境に優しく安全な発泡技術とされている。超臨界流体を用いた物理発泡は製造プロセスや成分配合、設備に高いレベルが要求される難しい技術だ。そのため、超高圧・超低密度の物理発泡量産技術では英国の上場企業「Zote Foams」が40年近く世界市場を独占しており、中国における製品の販売価格は一般的な化学発泡成形の材料と比べて3~5倍になっている。

大毛牛は数年をかけて知的財産権を持つ超高圧(65メガパスカル)・超低密度の物理発泡技術の開発に成功、量産を実現してZote Foamsの独占市場にくさびを打ち込んだ。しかも、省エネや調合コスト、一部製品の指数ではZote Foamsを上回り、国産品による代替を実現した。

汚染ゼロ・分解可能 中国新材料メーカー、物理発泡技術で量産を本格化

同社の物理発泡技術はいくつものブレークスルーを果たしてきた。主要なものは、超高圧物理発泡装置による大幅な効率化、エラストマーの調合や材料の性能・指標の改善、独創的な超臨界発泡技術によるコスト低減、材料構造を調整したことによる強度や発泡密度、安定性の問題解決だ。

物理発泡技術で中心的な役割を果たす窒素の生産については、知的財産権を持つエネルギー取得・節約装置を使用することで、空気中から分離した窒素を65メガパスカルの超高圧下で90%以上循環利用できる。これにより調合コストを30%以上削減できるだけでなく、窒素の生産・加圧・放出に必要なエネルギーの再利用効率を数倍に高めることができた。

現在はフル稼働で安定した量産を行っており、製品タイプも充実してきている。顧客は世界的なスポーツ・アウトドアブランド、コールドチェーン大手、ウェアラブルデバイスや自動車のサプライチェーン企業などに及ぶ。

現時点で受注量が既存の生産能力を大きく超えており、今後も長期にわたってこの状況が続くと予想されるため、生産能力の迅速な拡大が大毛牛の大きな課題となっている。目下、南京工場の第1生産ラインはフル稼働しており、来年の第2四半期までには第2、第3生産ラインの稼働を始める見込みだという。将来的には生産ライン10本以上を備え、年間生産高20億元(約400億円)超の大規模工場を1カ所もしくは複数建設する計画だ。

大毛牛は現在、上場準備を進めており、すでに証券会社などとの間で関係する作業を開始しているという。

(翻訳・畠中裕子)

厚さ3ミリでマイナス40度に耐える防寒着、「大毛牛」の新素材

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