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コールドチェーン(低温輸送)サービスを提供する「瑞雲冷鏈(Ruiyun Cold Chain)」がこのほど、プレシリーズA+で2億元(約40億円)の資金を調達した。三菱商事やMizuho Leaguer Investmentなどが参加した。
瑞雲冷鏈はエンドツーエンドのコールドチェーン統合とデジタル化サービスを手掛ける。2020年5月に設立され、同年エンジェルラウンドで1億2000万元(約24億円)を調達、翌年8月にもプレシリーズAで1億元(約20億円)規模の資金を調達した。
コールドチェーン業界は3つの大きな問題を抱えている。まず、荷主、運送業者とも小規模で分散している状況が長く、輸送効率が悪い。荷主の7~8割は中小企業で、大口顧客は3割に満たない。運送を担うのは7割以上が個人事業主のドライバーで、法人は3割以下だ。
次に、輸送効率の向上が難しい。食品サプライチェーンの短縮と企業のチェーン化の動きが小都市や農村にまで広がりつつあり、一線都市から三線都市、四線都市までカバーする小口トラック輸送(LTL)のネットワークが必要とされるものの、あまりに分散していてコールドチェーン網の拡大と効率的運用という問題が解決されていない。
そして、利益を増やすにはコスト削減と効率向上以外に方法がないということだ。あらゆる業界で原材料や人件費のコストが増加し、コールドチェーンのコストも上昇を続けているが、川上ではコスト削減のために物流に充てる費用を低く抑えている。トラックの稼働効率を上げ、帰り便の空荷を減らし、配送効率を良くするにはどうすればいいか、コールドチェーン事業者は頭を悩ませている。
瑞雲冷鏈はコールドチェーンサービスに注目し、ネットワーク、プラットフォーム、科学技術をコアとする戦略によって、コールドチェーン配送の全国ネットワーク、輸送仲介オンラインプラットフォーム、川上・川下の産業向けデジタル化プラットフォームを構築した。コールドチェーンは運営に重きを置いた市場で、通常の物流との最大の違いは温度にある。温度変化は生鮮食品にダメージを与え、品質に影響を及ぼすことから、温度管理に多くの細やかな配慮が求められ、温度を一定に保つことがサービスにおける中心的な価値となる。輸送のニーズをみても、製造、小売、飲食業などコールドチェーンの主要顧客をみても、サービスの拡大と地方都市への広がりは長期的な傾向だ。また在庫管理では小ロットを頻繁に補充するスタイルが次第に増えており、小口トラック輸送ネットワーク化の要望が高まっていた。

同社は長年にわたる研究の結果、オンラインでの発注規模や地域性を総合的に考慮し、直営、パートナー、専用ルート・地域加盟などの要素をさまざまに組み合わせ、全国で最大のコールドチェーン小口トラック輸送ネットワークを構築した。貨物中継センター23カ所を開設し、主要ルート62路線を開通。40以上のパートナーと提携し、150以上の企業が加盟する、全国1200以上の区や県のネットワーク化を実現した。
さらに同社は、コールドチェーン配送サービスプラットフォーム「冷運宝」を自社で開発した。コールドチェーンでは唯一の請負サービスオンラインプラットフォームで、アプリやミニプログラムにより取引・配送・支払い・納税までを一括してオンラインで処理する。利用する荷主の数は6万以上、10万人以上のドライバーが登録し、コールドチェーンの最適化によって荷主が負担する輸送コストを10~15%削減した。
またデジタル化サービスでは、コールドチェーンを研究する「冷運通」を設立。コールドチェーン業界のスマート化を目指す技術サービスプラットフォームを開設し、工業団地用、物流企業用、荷主用それぞれのSaaSと、ネットワーク輸送プラットフォームを組み合わせてクローズドループのビジネスモデルを構築し、コールドチェーン業界の全面的デジタル化実現を目指す。
同社の売上は、プラットフォームの利用料、保険や給油カードなど関連業務の売上、SaaSソフトウエアの売上の3つに分かれている。今年6月に営業利益は黒字化した。売上高は昨年の2倍以上増加し、ユーザー数は20万を突破すると予想されている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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