高性能LiDARを低価格で。中国ベンチャーのチップ、近く自動運転車に搭載へ

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高性能LiDARを低価格で。中国ベンチャーのチップ、近く自動運転車に搭載へ

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センサーチップの設計やアルゴリズム開発を手がける「深圳阜時科技(Fortsense)」がこのほど、シリーズC1で数億元(数十億~百数十億円)を調達した。成都科創投(Chengdu Capital Group)が出資を主導し、北汽産業投資(BAIC Capital)、深圳市重大産業投資(SZMII)などの産業投資機関が出資に加わった。

阜時科技は2017年に設立され、すでにLiDAR向けSPAD(単一光子アバランシェダイオード)、3Dビジョン、ディスプレイ内光学センサーという3つの製品ラインを展開している。19年に3D構造化光とステレオカメラの初期開発を完了した後、LiDARチップの開発に着手、21年にSPADチップのテープアウト(設計完了)に成功した。22年には数多くの自動車メーカーやLiDARメーカーとカスタム設計の契約を結んだほか、LiDAR受信機チップが車載用信頼性試験AEC-Q102をクリアして量産を開始した。自動運転の分野に広く活用できるこのチップはすでに顧客による検証を終え、23年には自動車に搭載される予定だ。

自動運転に必要な技術ソリューションには、カメラによるマシンビジョン、ミリ波レーダー、LiDARの3種類がある。このうちLiDARは、レーザー照射から反射光を受信するまでの時間で距離や方向を測定するため、太陽光や照明の条件に左右されないという利点がある。トンネル内外での明るさの変化、逆光、雨天、暗闇など光量が不足している場面や、カメラの認識アルゴリズムが学習していないシーンでは、LiDARの安定性や信頼性が勝っており、自動運転レベル4の技術開発における要と見なされている。LiDARを運転支援技術に活用することでも安全性を大幅に高められるので、多くのユーザーから支持されている。

ただ自動運転技術に広く活用するうえで、コストがネックとなっている。最初期には、LiDARシステム1つが数万ドル(数百万円)と、ほぼ自動車1台分の価格だったため、市場では多くがカメラやミリ波レーダーに流れた。LiDARの普及を進めるにはコストダウンが不可欠となる。

そのコストダウンをもたらすのは技術のイノベーションだ。阜時科技を創業した莫良華氏によると、チップ技術が進歩するにつれて、LiDARは初期のAPD(アバランシェフォトダイオード)からSPADに進化し、コストが劇的に低下、さらに小型化や性能・信頼性の向上、検出距離の長距離化などの面でも改良が進んでいるという。

こうした技術の改良により、現在LiDARのコストは数万元(数十万~百数十万円)、ものによっては数千元(数万~十数万円)にまで下がってきた。阜時科技が開発したSPADチップは、LiDARシステムのコストを大幅に削減できるだけでなく、性能も大きく向上した。

(画像提供:企業)

SPADチップのコア技術を確立している企業は世界的にも少ないが、阜時科技のチームはチップ設計、ハードウエア・ソフトウエアサポート、アルゴリズム開発など製品生産に必要なスキルを有している。設計から量産、応用までライフサイクル全体の制御と追跡を行い、産業チェーンの川上・川下の豊富なリソースを生かして複数の製品ラインの実用化に成功した。

阜時科技は自社研究所が持つLiDARシステムやデバイスに対する深い理解をもとに、別のLiDARの開発を計画しており、今後3年をかけて新技術を蓄積していくとしている。

(翻訳・畠中裕子)

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