建設業界のスマート化を加速する中国 測量ロボットで高精度データ取得、リアルタイム処理

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建設業界のスマート化を加速する中国 測量ロボットで高精度データ取得、リアルタイム処理

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建設デジタル化のソフトウエア・ハードウエアを開発する「盎鋭信息科技(UNRE)」がこのほど、シリーズAで数千万元(数億~十数億円)の資金を調達した。信天創投(Albatross Venture)が主導した。

盎鋭科技は2017年設立、3DスマートビジョンやIoT、AI、5G、測位衛星システム「北斗」、クラウドコンピューティング、ビッグデータなどの技術により建設の情報化とスマート化を進める。これまでに4つのサービスとして3D空間測量サービス「Sense 360」、空間モデリング自動化SaaS「Auto Site 360」、施工記録SaaS「Panorama 360」、データスマートサービスSaaS「Space 360」を開発した。

中国で建設業がGDPに占める割合は7%を超える。極めて規模の大きな業界だが、ITの導入は遅れており、デジタル化のレベルは全産業の中でも最も低い。建設業は国民経済の支柱ともいえる産業だが、インダストリー4.0時代の訪れとともに粗雑な生産方式や労働効率の低さといった課題の解決が求められるようになり、情報化、デジタル化、スマート化への転換を迫られている。

瑕疵を残したままの引き渡しは建設業界の品質面における重大な問題だが、品質を左右するカギとなる要素のひとつは測量だ。従来の人による測量では、メジャー、レーザー距離計、レーザーレベルなど多数の機器を使って2〜3人のチームで作業に当たり、データを手入力する。時間がかかるだけでなく、測量の質の安定性と効率を一定に保つことも難しく、施主、請負業者、監督者などにもコストの負担が生じる。

こうした問題を解決するため盎鋭科技は測量ロボット「UCL 360」を開発、2020年9月に発表した。オプトメカトロニクスを用いた3Dレーザースキャナーで、不動産や建設、内装、第三者による検査などの分野に用いられ、具体的には建設の各プロセスや抜き取り検査、検収、住戸の引き渡し検査、品質監督管理機関による検収などに利用される。

この機器に搭載されたLiDARは、対象となる室内空間の数千万にものぼるオリジナル点群データを1.5ミリの精度で取得する。スキャン後、自社開発の全自動セマンティックモデリング、セマンティックセグメンテーション、測量アルゴリズムによってオリジナル点群から3Dモデルを構築し、このモデルを基に正確な測量データを入手する。UCL360は自動で測量データをエクセル表に落とし込むことができ、プロジェクト、フロア、間取りなど条件に応じたデータ表を作成できる。

盎鋭科技の朱子耕CEOによると、「さまざまなプロジェクトや建設現場で、敢えて人と機器を比較するテストを実施した」という。例えば左官工事では、24戸の測量に1人で8時間かかるところを、機器を使うと1人で1時間半で済み、作業効率は5倍以上だった。コンクリート・レンガ積み工事では、6戸の測量に2人で3時間かかったが、機器を使えば1人で時間は半分以下の75分弱だった。

精度の高さと効率の良さに加え、データの価値も同社の建設デジタル化推進コアとなっている。スキャンデータをリアルタイム処理した空間3Dデータモデルは、BIMによる品質管理のベースとなり、施工のあらゆる場面の映像をデータにして記録、保管できるようにした。同時に、膨大な量の建設空間データのマイニングのPaaSとして、建設業の川上・川下にある設計、ファイナンス、リフォームや監督管理などさまざまな分野を支える。

プラットフォームの画面

朱CEOは、今後技術面で焦点になるのは、精度の高さを維持したまま測量範囲を広げることだと考えている。すでに使用されているUCL360 SEは半径10メートルまで、主に住宅の測量に使用される。盎鋭科技はさらに広い範囲の高精度測量技術を確立しており、23年には半径を150メートルに広げ、ビルやトンネル・橋梁、鋼構造物、交通インフラなどにも対応できる新製品UCL360 PROシリーズを発売する予定だ。

高精度測定技術を開発したことに加え、アルゴリズムについても23年4~6月頃に国産を実現できそうだ。自社で開発したアルゴリズムを使い、UCL360の製品サイズをさらに小さくして消費電力を大幅に削減し、連続使用時間を長くするという。

現在中国で多く使用されている機器は大半が米FAROや独ライカなど輸入製品で、コストが高く、点群の処理は別のソフトウエアを使用し、高い技術が求められる。朱CEOは、ソフトとハードが一体となった空間測量サービスは複数の技術の融合領域であり、開発チームに3Dスマートビジョン、アルゴリズムプラットフォーム、ソフトウエアシステム開発などの技術すべてが備わってようやく建設の全工程・全期間の基礎になるデジタル化ソリューションを作り出せるとし、それが同社の優位性だと語った。

同社の建設空間デジタル化ソリューションは、不動産業の華潤置地(China Resources Land)、金地集団(Gemdale Corporation)、中海物業(China Overseas Property )、中国建築(CSCEC)や、内装業の緑城装飾(Greentown Decoration)、金螳螂装飾(Gold Mantis Construction Decoration )など300社以上に提供され、500件以上のプロジェクトで利用されている。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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