動画生成AIでコンテンツEC支える「Tabcut」、バーチャルヒューマンのライブ配信も手軽に

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動画生成AIでコンテンツEC支える「Tabcut」、バーチャルヒューマンのライブ配信も手軽に

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EC事業者向けコンテンツ制作ツールを開発する「特看科技(Tabcut)」がこのほど、エンジェルラウンドで数千万元(数億~十数億円)を調達した。出資を主導したのは峰瑞資本(FreeS Fund)で、嘉程資本(Next Capital)も出資に加わった。調達した資金は動画制作技術プラットフォームの構築やグローバル展開に用いられる。

特看科技は2022年6月に設立された。創業者の呉春松CEOは過去にアリババでプロダクトエキスパートを務め、スマートデザイン研究室の責任者としてAIデザインプラットフォーム「魯班(Luban)」を立ち上げたほか、淘宝(タオバオ)コンテンツツール事業ではEC事業者向けショート動画制作アプリ「親拍」の開発に関わった経歴を持つ。

同社のコアチームは、生成系AIや事業者向けライブ配信ツールに関して技術および製品実用化の面で長年の経験を有し、EC業界にも知見が深い。チームはグローバルEC事業者向けのSaaS型コンテンツツールの開発に注力しており、すでに越境ECデータ分析・動画生成プラットフォーム「Tabcut.com」やデジタルヒューマンを使ったライブ配信ツール「主播宝」をリリースしている。

(画像は企業提供)

中国では、TikTok本国版「抖音(Douyin)」に代表されるショート動画プラットフォームが巨大なエンタメトラフィックを基盤としたECインフラを作り上げ、コンテンツとEコマースが一体となった「コンテンツEC」モデルが急速に発展した。特看科技がターゲットにするのは世界のライブコマースだ。海外市場のTikTokも10億人のデイリーアクティブユーザーを抱えており、抖音EC事業の成功モデルの再現を試みている。現在、TikTokのEC機能「TikTok Shop」は東南アジアで一定の規模に達したほか、2022年11月には世界第2位のEC市場である米国でもサービスを開始した。ショート動画プラットフォームでのライブ配信は最も効率が良く、最も進んだメディア形態として、世界のEC市場に確実に浸透していく見込みで、特看科技が今後さらなる成長を遂げるチャンスともなる分野だ。

グローバル化が進むコンテンツECは、各国で直面する問題や解決策がそれぞれに異なるため中国のビジネスモデルを単純にコピーできるわけではないが、根本的なロジックは共通していると特看科技は考える。中国の越境EC事業者であれ、海外の現地EC事業者であれ、コンテンツEC運営の基盤となるのはデータチェック、商品セレクト、ベンチマーク設定、ヒット商品の動画研究、ライバルの動向観察といった日常業務の基本スキルだ。このため、特看科技は最初のサービスとしてEC事業者向けにTikTokのECデータ分析ツールをリリースした。

また、質の高いコンテンツへのニーズもある。さまざまな国の消費者に向けて現地の文化に合ったコンテンツ素材を作成するために、海外のインフルエンサーと共同で制作したり、自社でコンテンツ制作チームを立ち上げたりする方法がある。特看科技ではコンテンツを自社制作する事業者を対象にサービスを展開しており、「脚本・素材・編集・配信」に特化したワンストップのコンテンツ制作運用プラットフォームを提供している。まずデータから人気のコンテンツを探し、人気コンテンツの脚本をAIに学習させる。それからコンテンツ生成AIを活用して脚本を制作し、動画や画像を組み合わせ、最終的にヒット商品の法則を取り入れたコンテンツが出来上がる。さらにプラットフォームのコンテンツ配信効果のデータをもとに動画生成アルゴリズムを改良し、事業者の分析に役立てることで、データのクローズドループを確立している。

コンテンツ制作に影響を与える重要な要素の一つはライブコマースの配信者だ。海外の配信者は採用や管理が難しく、時間をかけて育成してもすぐ他社に引き抜かれてしまううえ、ルックスの問題もあるため、事業者は頭を痛めている。この問題に着目し、特看科技はデジタルヒューマンがライブ配信する「主播宝」をリリースした。実際の人物の動きを再現したデジタルヒューマンによるライブコマースが可能で、事業者が配信者を起用する際のコストを大幅に削減できる。

米VCセコイアキャピタルが公開した「ジェネレーティブAI(生成系AI)」に関する分析記事では、AI生成コンテンツが今後10年間で数兆ドル(数百兆円)もの経済価値を生み出すと予想している。市場ですでに評価されている画像生成AI関連企業だけでなく、アリババやバイトダンス、テンセント、バイドゥなどの大企業や関連技術のスタートアップも、ショート動画分野のAI生成コンテンツへの参入を始めている。このような動きにより、デジタルコンテンツ制作を取り巻くエコシステムの新たな変革にいっそう弾みがつくことだろう。

(翻訳・畠中裕子)

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