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新エネルギーを動力源とする商用インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)を開発する「前晨汽車科技(Newrizon Automobile Technology)」が、シリーズB+で新興EVメーカー蔚来汽車(NIO)傘下「蔚来資本(NIO Capital)」から1億元(約19億6000万円)以上を調達した。調達した資金はライトトラックやバンの開発・量産とマーケティング、駆動用電池・駆動用モーター・電気制御システムやICVなどのコア技術の開発とアップグレード、サプライチェーン統合のスピードアップ、国内外市場のさらなる開拓などに充てる。
前晨汽車は、過去に蔚来汽車でシニアバイスプレジデントを務めた黄晨東氏が2020年9月に設立した新エネルギー商用車のブランドだ。これまでに「前晨EC1」「前晨IC1」の2車種を発表しており、EC1は発売初年で1000台以上を販売した。
乗用車は全体的な技術が商用車より4〜5年進んでいるため、乗用車の技術を商用車に応用し、電動化やインテリジェント化を進めれば、かなりの成長の余地があると黄氏は見ている。
同分野には吉利控股集団(Geely Holding Group)傘下の「遠程汽車(Farizon Auto)」や「東風商用車(Dongfeng Commercial Vehicle)」など歴史ある商用車メーカーや、老舗企業とタッグを組む自動運転車開発ベンチャー「DeepWay(京深深向科技)」も参入してきている。
前晨汽車がこれまでに発表した2車種のうち、すでに発売した前晨EC1は年間販売台数で上位10位に入った。2車種目の前晨 IC1は今年半ばから後半に発売予定で、3車種目のバン「前晨IV1」は現在開発中だという。IC1とIV1はすでに物流サービス「貨拉拉(Lalamove)」から5万台を受注しており、向こう3年で複数回に分けて納車するという。
黄氏はNIO在籍時に駆動用電池・駆動用モーター・電気制御システムや自動運転の開発に従事し、新エネルギー車に関する知見も豊富だ。
製品技術に関しては、前晨汽車は独自に電動化シャシ「Horizion E-Platform(視野電動平台)」を開発。容量が増設できる一体型の水冷式バッテリーパック、バッテリーのライフサイクルを引き伸ばせる冷却設計とバッテリーマネジメントシステム(BMS)を盛り込んだ。モーターの最大出力は130kw(キロワット)、エネルギー密度は140Wh/kg以上で、航続距離に関してはさまざまなシーンで求められるレベルを満たせる。さらに、ドメインコントローラーをベースとしたネットワークアーキテクチャーを独自に開発し、動力システムの最適化やAIを使った動的な省エネを実行できるため、他社製品と比較して同等の電力消費量で航続距離が10〜20%ほど伸ばせる。
前晨汽車のライトトラックは前出の電動化シャシや同軸式の電動パワートレインを採用したり、車両全体の設計を工夫したり、板材や部品をうまくまとめたしるることで車両を軽量化させ、同類の製品と比較して重さを10%以上減らしている。また、車両本体とバッテリーを別個にすることで車両販売価格を下げただけでなく、同社にとってバッテリー関連サービスを立ち上げるきっかけにもなった。
商用車メーカーの経営は乗用車のそれとはやや異なると黄氏は述べ、商用車の場合は製品やサプライチェーン、生産体制を確立する以外にも、しっかりとしたプロダクトオペレーションが必要だという。
前晨汽車では顧客にソフトウェア関連のサービスも提供する。アセットプラットフォームを構築して、日々の電力消費量をレポートしたりメンテナンス時期を通知したりするなど車両管理関係の情報を提供するほか、ドライバーの運転態度などマネジメント関連の情報も共有して顧客をサポートする。
今年は車両リースを手がける運営チームを立ち上げる計画で、ユーザーの粘性を高め、同社の製品やサービスに対してより理解を深めてもらうほか、自社の収入源を増やしていく。
今回、前晨汽車に出資したNIO Capitalのマネジングパートナー朱岩氏は「自動車の電動化を進めるにあたり、乗用車に続いて重要になるのが商用車だ。道路交通から排出される二酸化炭素(CO2)の60%が商用車からのもので、排出削減に大きく貢献できる可能性がある」と述べ、「NIO Capitalが自動車産業を支援する中で前晨汽車がさらに総合力を高め、中国ひいては世界の電動商用車企業のトップに立つことを期待している」とした。
(翻訳・山下にか)
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