水だけで空間を消毒・消臭する「PeroPure」が資金調達、ロボットや車載にも対応し市場拡大へ

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水だけで空間を消毒・消臭する「PeroPure」が資金調達、ロボットや車載にも対応し市場拡大へ

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電気化学技術を使った空間消毒を手がける「PeroPure(清越科技)」がこのほど、シリーズAで数千万元(数億~十数億円)を調達した。中国の一度資本(AceBridge Capital)が出資を主導し、DCMベンチャーズや特想投資が参加した。現在の評価額は3億元(約57億円)を超えている。

同社は2020年に米国のシリコンバレーで設立された。研究に10年近くを費やした特許技術「Electro Pero」を使って、中国で空気清浄や空間消毒の事業に取り組んできた。この技術は電気化学的酸化還元法を利用し、空気と水を直接反応させて、濃度の調整可能な過酸化水素水(オキシドール)を生成するというもの。過酸化水素水は物体表面や空気中のウイルス、細菌、有機汚染物質(ホルムアルデヒドなど)や有害ガス(アンモニア、硫化水素、窒素酸化物など)を効果的に殺菌・分解できる。

従来の物理的および化学的な消毒方法に比べ、電気化学技術で過酸化水素水を生成するのに必要な原料は水のみ。使用後、生成された過酸化水素分子は数分から数時間で水と酸素に分解され、残留物は一切残らない。低炭素化の取り組みが進む今の時代にもマッチしている。

以前は過酸化水素の生成には複雑な化学反応が必要で、大規模な化学プラントがなければ無理だった。しかし電気化学技術によって、このプロセスが大幅に簡略化され、PeroPureでは水から過酸化水素を直接発生させる持ち運び可能な小型装置を開発している。

PeroPureは2021年、まず消毒シナリオからスタートし、「PEIDUN(配盾)」を立ち上げた。これまでユーザーから継続的にニーズを聞き取ることで、製品ラインを徐々に整えてきた。そしてビジネスの方向性も、純粋な消毒からさらに幅広い用途へと広がっている。

「ユーザーが本当に求めているのは単なる消毒ではなく、環境を総合的に管理すること、つまり健康的で安全な空気を吸いたいという願いを叶えることだ」と陳志華CEOは語る。例えば、ペットショップや飲食店からは、店内の消毒以外に消臭もできないかという声が多かったという。通常の空気清浄機では微小な気体分子を取り除くことが難しく、消臭効果が不十分なため、チームは継続的に研究を進め、過酸化水素分子が臭い除去においても効果があることを突き止めた。

この「空気を管理する」という点を軸に、PEIDUNをあらゆるシーンに対応したスマート空気管理ブランドへと格上げし、消毒装置のみの提供から、政府や企業、駅、病院などで活用できるトータルソリューションの提案へとビジネスを広げていった。

現在、PEIDUNは空間の広さに応じて車載・ポータブルタイプ、スタンダードタイプ、大規模スペース向けのスマート消毒ロボットを提供しており、家庭やオフィスなどさまざまな場面で細菌やウイルスの除菌、ホルムアルデヒドなど汚染物質の除去、消臭などのニーズに対応できる。

「PEIDUN」ポータブルタイプの車載製品

PeroPureの製品はすでにバージョン2.0に進化している。例えばPEIDUNのポータブル製品は半透明のつや消しデザインを採用し、内部の反応装置の動作状態が直接見えるようになっている。第2世代の製品は注水口や照明などのデザインに改良を加えたほか、全面的な防水技術を施し、本体が倒れても水が漏れないようになっている。また都市によって水質が異なることを考慮し、水垢を除去して動作効率を高めるセルフクリーニングモードが搭載されている。

目下、PEIDUNの商品の一部はすでに多くのオンラインプラットフォームで取り扱われており、ライブコマースの試みも行っている。中国の大手ECサイトの天猫(Tmall)や京東(JDドットコム)、ショート動画プラットフォームの抖音(Douyin)など主要なECチャネルも構築してきた。

これからPeroPureが注力するのは農業や水産業の分野だ。家畜や水産物の養殖、イチゴやブドウ、有機野菜などの高付加価値作物の栽培、水処理におけるシノアバクテリア対策など複数の分野で、電気化学技術を消毒や環境浄化、排水処理、農業の窒素固定などに生かし、生産性の向上に役立てていくという。

(翻訳・畠中裕子)

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