世界で話題のEC「SHEIN」も顧客に。アパレル業界の小ロット生産、柔軟なサプライチェーンで支援

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

世界で話題のEC「SHEIN」も顧客に。アパレル業界の小ロット生産、柔軟なサプライチェーンで支援

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

アパレル業界のフレキシブルサプライチェーンに関連するサービスを提供する「達達辛巴達科技(Singbada、以下「辛巴達」)が、シリーズAで隠山資本(Hidden Hill Capital)から数千万ドル(数十億円)を調達した。

同社を創業した李勇CEOは大学、修士・博士課程を通じてサプライチェーンについて学んだ。Eコマース産業の成長に伴って柔軟なサプライチェーンに対するニーズが高まると考え、2017年に辛巴達を創業している。

消費者は「情報の洪水」にさらされており、ファッションに関する好みも週単位、ひいては1日単位で変化している。そこで、次世代のブランドはライバルに先んじて消費者の心をつかむことが必須になってくると李CEOは感じている。次世代ブランドに求められる要素は4つ。変化し続ける消費者の最新のニーズを素早く捉えること、小ロット生産と新商品発売を迅速に実行すること、商品をいち早く消費者に届けること、多くの消費者の心をつかむことだ。サプライチェーンに対する要求も従来のブランドとは本質的に異なってくる。

大量の新商品を発売し、小ロット生産をスピーディーに進め、ヒットした商品を速やかに追加生産するため、次世代ブランドはサプライチェーンに対し、柔軟性を絶対条件として求める。これまでのブランドが補完的に柔軟性を求めていたのとは異なる。

商品を迅速に配達するため、次世代ブランドは航空便を使う。輸送コストを下げ、より速く配達し、サプライチェーンをグローバル化させるために、サプライチェーンの一部は中国から販売先に近い場欧州や米州などに移転している。従来型のブランドは生産コストを最小限に抑えるために生産拠点を1カ所に集め、商品は船便で発送してきた。

会社は設立当初から、SHEINなどに代表される急成長中の「超大口顧客」の需要に応じるべく、柔軟性に富むサプライチェーンを構築してきた。現在は中国国内で20以上の自社工場を建設・運営しているほか、安定的な提携関係にある数百の工場を管理している。

世界を席巻するファストファッション「SHEIN」、日本に上陸 アプリDL数はメルカリやZOZO超え

自社工場を持つことからスタートし、顧客にサービスを提供し、中核的サプライヤーになるまでの過程で、辛巴達はフレキシブルサプライチェーンに適したプラットフォームを開発し、業界全体にマネジメントや標準、技術を提供した。

「小単快反(小ロット生産・短納期での追加生産)」の注文では、コストが20元(約390円)変動するだけで利益は1%も変わってくる。1日に数万SKU(商品の最小管理単位)もの商品に対応するには、技術を大がかりに利用しなければ高度に安定した納品やコストの自動計算・コントロールはできない。さらに、400人以上の従業員を管理し、1日1000件以上の注文に同時対応するような大規模な工場では、注文1件につき10以上のサプライヤーと連携し、10以上の生産工程に対応しなければならず、受注件数が増えれば指数関数的に複雑さが増していく。

同社独自に開発した技術システムは受注案件の分配、コスト分解・計算、運営診断、エラー監視、リスク警報など、従来のアパレル業界では管理者層やワーカーの経験値に頼っていた部分を分担し、従来の作業を大規模化する際に「人材」「材料」「注文」を標準化させるという難題を解決する。

市場や顧客からのニーズをとっかかりに辛巴達はグローバル化の道を歩みはじめた。李CEOによると、すでにトルコで工場建設が始まっているほか、ローカライズしたフレキシブルサプライチェーンを各国の顧客に提供するため、今後はブラジル、メキシコ、モロッコなどへの事業拡大を検討中だという。

現在の収益は主に、国際的に展開する大手あるいは超大手のブランドから得ている。将来的には顧客層を中堅企業にまで拡げていく予定だ。李CEOは「世界中のアパレルブランドと顧客にフレキシブルサプライチェーンを提供し、世界のアパレル産業で新しいインフラを築くのが我々の目標だ」と述べている。

(翻訳・山下にか)

7月1日より、これまで36Kr Japanのメディアで提供していた記事のうち、一部スタートアップ企業に関するニュースについては、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」の会員限定で提供します(初期段階では無料会員も対象とします)。まだ登録されていない方は、ぜひそちらをご利用ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録