ソーラーインバーター製造「Growatt」が10億ドルの資金調達 欧州でも顧客開拓へ

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ソーラーインバーター製造「Growatt」が10億ドルの資金調達 欧州でも顧客開拓へ

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ソーラーインバーターを製造するユニコーン企業「古瑞瓦特新能源(Growatt New Energy)」が上場目論見書を更新し、10億ドル(約1300億円)の資金調達が明らかになった。これは2022年の香港証券取引所における資金調達額として4番目の規模となる。上場申請は昨年11月に承認されている。

Growattはソーラーインバーターの2021年世界市場におけるシェアが第3位、産業用よりは住宅用に力を入れており、住宅用インバーターでは世界市場の5分の1近くを占めシェアトップだ。過去にはセコイアキャピタルから資金を調達しており、上場前にIDGキャピタルや基石資本(Co-Stone Capital )からも資金調達した結果、評価額は138億元(約2660億円)に達した。

2021年世界ソーラーインバーター市場シェア(左)、住宅用ソーラーインバーター市場シェア(右)
(注:企業A、B、C、Dはそれぞれファーウェイ、陽光電源、錦浪科技、独SMA)

更新された目論見書によると、2022年の売上高と利益はともに増加した。19年から22年までの売上高はそれぞれ、10億元(約190億円)、18億9000万元(約360億円)、31億9000万元(約600億円)、70億9000万元(約1300億円)で、22年は前年比122%増と最大の伸び幅となった。また、純利益も売上高と同様に増加しており、同期間にそれぞれ9200万元(約17億円)、3億6600万元(約70億円)、5億7300万元(約110億円)、12億1000万元(約230億円)となり、22年は前年比111%増だった。

Growattの粗利(目論見書より)

注目すべき点は2021年、22年と全体の粗利率は大きく変化していないことだ。21年は原材料や輸送のコストが上昇し、Growattでも粗利率は下がった。22年には、事業別ではソーラーインバーターおよびシステムの粗利率がいずれもわずかに上昇したものの、粗利率が低めの蓄エネルギー事業の割合が大きくなったことで、全体の粗利率は35.9%にとどまった。

蓄エネルギー事業はGrowattにとって第二の成長の柱となる事業だ。2022年に蓄エネルギー事業による売り上げは前年の4倍に増え、事業の4割以上を占めるまでになった。これは住宅用インバーターの販売で開拓した販路のおかげだ。発電・蓄エネルギーの一体化が進んだことで、蓄エネルギーシステムはソーラーインバーターの売り上げにもプラスに働いた。ユーザーのリピート行動により同社の販売コストはさらに減少し、売上高に占める割合は21年の8.1%から22年には6.1%にまで下がった。目論見書の中でも、遠くない将来に蓄エネルギーを戦略の重点にするとしている。

Growattの事業別割合(目論見書をもとに36Kr作成)

目論見書では同社の直近の状況も更新された。2022年8月に深圳市で本社ビル建設計画が始動したことに加え、23年2月に同社にとって初の海外工場となるベトナム工場でテスト生産に入り、3月にポーランドに子会社を設立、欧州での顧客開拓を加速することなどが記載されている。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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