自動運転技術開発の「嬴徹科技」、レベル3自動運転トラックを公開

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自動運転技術の開発を手がける「嬴徹科技(Inceptio Technology)」は先月、中国上海市で開催された家電・技術見本市「CES Asia 2019」で、自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の大型トラック試作車「嬴徹1号」を初めて公開した。

CES Asia 2019の嬴徹科技ブース(写真:嬴徹科技)

嬴徹科技は2018年4月、物流テックの「北京匯通天下物聯科技有限公司(G7)」、物流施設大手グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)、新興EVメーカーの「上海蔚来汽車(NIO)」などが出資する「蔚来資本(Nio Capital)」が共同で設立。現在の目標は、2021年末までに高速道路を走行するレベル3の自動運転トラックの量産だ。また、同社は全国の高速道路をカバーする輸送力ネットワークを構築することも計画している。

嬴徹1号には自社で開発したシステムが搭載されている。このシステムは異なる種類のセンサーを組み合わせて検知する仕組みを採用することで、ミリ単位の精度での制御を実現している。中国国内で行われたテストでは、濃霧や大雨などの気象・道路条件でも問題無く作動し、操舵機能が低下する中でも追従誤差に迅速に反応した。ソフトウェアは自社で開発したミドルウェアを使用しており、従来型の一般的なミドルウェアに比べて遅延性が低く、運用コストが安く、拡張性が高く、コード効率が高い。

嬴徹科技が設立されたのは業界でも遅い方だ。しかし同社の自動運転技術開発チームはたった3カ月で、トラックに搭載するハードウェアやソフトウェアの開発と完成車のテストなどをやってのけた。また、嬴徹1号の開発過程において、同社は中国の大手自動車メーカー数社や世界トップクラスの自動車部品メーカーからの支援も取り付けている。

実際に試乗した嬴徹科技の自動運転トラック(写真:36kr)

CES Asia 2019での公開後、上海市のインテリジェント・コネクティッド・ビークル(ICV)走行実験区域で、嬴徹科技のレベル3自動運転トラックに試乗する機会を得た。今回試乗した車両は自動でのスムーズな追従走行、緊急制動、車線変更や追い越し、方向転換、蛇行運転などの動きを見せた。スタッフによると、上海市の実験区域のテストコースは距離が短いため、トラックの最高速度を時速40キロ前後に抑えているが、他の実験区域では時速80キロまで出せるという。

試乗時の様子を撮影した動画

今回のCES Asia 2019では、ドイツの自動車部品メーカー、ZFフリードリヒスハーフェンが、嬴徹科技と上海市の自動車関連イノベーションパーク「自動車・イノベーション港」運営会社が共同で設立した中国初の幹線輸送共同イノベーションセンターに加入することを発表した。同センターの中心メンバーには完成車メーカーの「一汽解放(FAW Jiefang)」や「福田汽車(FOTON)」、商用車向けシステムを手がけるベルギーのWABCO、センサー開発の米ベロダイン・ライダーなどがいる。

ZFフリードリヒスハーフェン副総裁兼中国地区商用車部門責任者の戴章煜氏は、同社には自社で開発した「TraXon」などトラック向け自動変速トランスミッションシステム、自動運転関連システムやハードウェアの分野で豊富な経験があるとし、嬴徹科技に対してはOEMでの量産に関する支援や協力を行っていると明かした。

「嬴徹1号」運転席のモックアップ(写真:嬴徹科技)

嬴徹1号の公開にあたり、嬴徹科技の技術部門責任者3人が初めてメディアの前に姿を見せた。ビジュアルコンピューティングを担当する程代鵬氏は米ボストン大学で博士、シンガポール国立大学で学士と修士の学位を取得。米アップルの人工知能(AI)部門やGEグローバル・リサーチ・センターに勤務した経験を持つ。制御関係を担当する辛明氏は米国のユタ大学で博士号、オハイオ州立大学で修士号を取得。空陸両用軽飛行機を手がける米テラフージアなどに勤務した。システム統合を担当する金至卓氏は上海交通大学を卒業し、米ミシガン大学で修士号を取得した。米ウーバーの自動運転開発部門「Uber ATG」や米マイクロソフトでの勤務経験がある。
(翻訳・池田晃子)

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