中国発AIGCサービス「行者AI」、ゲーム制作をあらゆる面からサポート 参入の門戸広げる

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中国発AIGCサービス「行者AI」、ゲーム制作をあらゆる面からサポート 参入の門戸広げる

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画像生成AIの「DALL-E 2」や「Midjourny」「Stable Diffusion」などが2022年半ば頃から登場し、AIに対するさまざまな業界の見方が変わってくると、AIGC(AI生成コンテンツ)もアプリケーション開発者のあいだで大きな注目を集めるようになった。AIGCはこれまでとは全く異なるコンテンツ制作方法で、テキストや音声、コード、画像、動画、ロボットの動きといったコンテンツをAIが自動生成するというものだ。

ChatGPTに代表される対話型AIが市場に一気に火を付けたことで、AIGCもインダストリー4.0(第4次産業革命)を推進する生産性向上ツールになると目されている。

ゲーム分野でフルスタックのAIGCサービス「行者AI(Xingzhe.AI)」を提供する「潜在人工智能科技」の創業者・尹学淵CEOは次のように語る。「AIGCはゲーム業界にとって革命的な意義を持つものだ。ゲーム制作会社は開発にかかる時間や労力を大幅に圧縮できるだけでなく、クリエイティブのレベルを高めることができる。それによりトリレンマとされたQCD(品質・コスト・納期)を全て実現する」。

行者AIの開発チームは2016年に立ち上げられ、ゲーム分野におけるAIの研究と応用に取り組んできた。このほどエンジェルラウンドでの数千万元(数億~十数億円)の資金調達を公表したばかりだ。

行者AIのAIGC製品

ゲームは現時点で最も複雑なコンテンツまた娯楽で、産業チェーン全体にはイラスト、3Dモデル、音響、音楽、キャラクター、動画、レベルデザインなど数十種類のデジタル資産が関わっている。このためゲームは最も成熟し、最も価値が高いAICGの実用化シナリオとみなされてきた。AIGCは大規模言語モデルや深層学習、自然言語処理(NLP)などの技術によって急速に進化し、これまでのゲーム制作プロセスを根本から覆すこともできる。

行者AIが開発したのはゲームの産業チェーン全てをカバーするAIGCツール集で、研究開発からマーケティングまであらゆる分野に対応している。

例えば、ゲームのイラスト向けツールはテキスト画像生成、モデル訓練、画像スタイル変換などの機能を備え、わずか十数枚の画像で訓練でき、20以上の異なるスタイルに仕上げてくれる。3Dモデル向けにもAIを活用し、人体モデリング、生成3Dモデル、テクスチャ生成、アーキテクチャ生成、静態シナリオと環境生成、3Dモデルのデシメーションなどができる。

行者AIはさらに、次世代バーチャルプレイヤーを開発した。レベルの異なるAIロボットが用意され、さまざまなタイプのゲームでバランスやクリア難易度をテストできる。さまざまな角度からデータを提供することで開発者をサポートするとともに、プレイ体験を向上させ、定着率を高める。

「これまでのゲーム業界は労働集約型産業だった。AIGCが広く導入される前は原画1枚を作成するのに2週間、3Dモデルをひとつ完成させるのに1カ月必要だった。行者AIはゲーム開発の作業時間を短縮し、コストは10分の1に下がった。さらにコストを100分の1にまで抑えることが目標だ」と尹CEOは自信を示す。

AIGCを活用すればコンテンツ生成の効率が良くなるだけでなく、多様性も増す。NLPや拡散モデル(diffusion model)の技術が開発されたことで、AIはコンテンツ作成における補助的役割からコンテンツを生み出す主体となった。

行者AIのAIGC音楽制作ラインは対話形式で作詞から作曲、編曲、音声の合成までが可能なだけでなく、人の声と音楽を分離することができる。さらに楽曲中に使用されているさまざまな楽器を識別できるため、楽曲から素早く楽器を抽出し、わずか数分で求める音楽素材を手に入れることが可能だ。

行者AIのAIGCツールはいずれもSaaS方式で提供されている。そのおかげでゲーム業界の中小企業や入門レベルのクリエイターでも導入が容易になり、駆け出しの開発者や美術担当者なども簡単な操作によってインスピレーションをかたちにすることができる。

同社は現在100社を超える顧客を抱えているという。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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