スポーツシーンにぴったりの機能性コーヒー、代謝向上や疲労回復で新たな可能性探る

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スポーツシーンにぴったりの機能性コーヒー、代謝向上や疲労回復で新たな可能性探る

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著しい成長を続ける中国のコーヒー業界は、間違いなく魅力的な市場と言えるだろう。

中国の調査会社・艾媒諮詢(iiMedia Research)のデータによると、2021年に3817億元(約7兆5000億円)だった中国のコーヒー市場は、25年には1兆元(約20兆円)に達すると見込まれている。調査会社・灼識咨詢(CIC)によると、22年1月から23年3月にかけて、コーヒー業界では30件の資金調達が行われ、消費分野ではコロナ禍後真っ先に回復した業界となった。

巨大な市場には新旧ブランドがひしめき合っている。スターバックス、luckin coffee(瑞幸咖啡)に代表されるカフェチェーンのほか、ネスレ、新興ブランドの「三頓半(Saturnbird Coffee)」「永璞咖啡(YongPu Coffee)」などインスタントコーヒーも各価格帯で存在感を見せている。レッドオーシャン状態の市場では特定の分野にターゲットを絞った機能性コーヒーが新しい可能性となるかもしれない。なかでも見過ごせないのが、中国で3億人を超えるとされるスポーツ愛好家だ。

コーヒーにはもともと代謝を高め、持久力を向上させるなどの効果があるが、こうした機能性の掘り起こしが十分でなく、専門ブランドもないことから機能性コーヒーの認知度はいまだ低い。

そこに目を付けた企業がある。2021年に上海で設立されたスポーツ愛好家向けの高級インスタントコーヒーブランド「嗨小瓶」だ。22年にオンラインで販売を開始し、現在は4種類のフレーバーを展開している。アリババ傘下の大手ECサイト「天猫(Tmall)」では昨年、購入者の36%がリピート購入に至った。

「嗨小瓶」の商品

創業者の王侃氏はかつて中国国内のプロスポーツチームで管理職を務めていた。専門的な知識もあり、このニッチな分野にチャンスを見いだしたという。

嗨小瓶の商品は現在「ミックスセット」と「スポーツシリーズ」の二つのラインナップがある。先に発売されたミックスセットは浅煎り、中煎り、深煎りの3種類のコーヒーと少量の機能性コーヒーがセットになっている。開発に重点を置いているのはスポーツシリーズだ。「スポーツ歴が違えば、運動補助食品に求める機能もさまざまに異なってくる。ニーズは脂肪燃焼だけではない」と王氏は話す。

「嗨小瓶」がとらえるスポーツ愛好家のニーズ

すでに発売されている「熱力血橙」は代謝を高める効果がウリで、スポーツ初心者に適している。間もなく発売予定の「酸桜桃珈琲」は日常的に運動する人をターゲットにしており、運動後の筋肉疲労を和らげるのに役立つ。このほか、運動後の抵抗力を高めるマテ茶コーヒー、脂肪燃焼し始めるまでの時間を短縮し、短時間に高いパフォーマンスを発揮するよう助けるラズベリーコーヒーなどが近々発売予定だ。

同社はマーケティングでも強みを見せている。創業メンバーはスポーツイベントやスポーツ用品などの分野で提携先を増やしてきたため、試合やイベントの機会に低コストでブランドの宣伝をすることができる。スキーやフリスビー、キャンプなど提携したイベントは30件以上で、提携ブランドも15を超えている。代表的な提携先はスウェーデン発の植物性ミルクブランド「Oatly(オートリー)」、新型フィットネスジム「SUPERMONKEY(超級猩猩)」などだ。

各種スポーツイベントとコラボする「嗨小瓶」

また、来年にはプロジェクトの形式で、ヨガやテニスなど特定のスポーツ向けのコーヒーを発売する予定だという。

嗨小瓶はオンライン上での販売が60~70%を占めている。2022年はコロナ禍の影響を強く受け、プロモーションを行わなかった状態でも売上高100万元(約2000万円)を実現した。商品の粗利率はミックスセットが約58%、スポーツシリーズは約62%だ。今年は上海市と四川省成都市の二大市場に重点を置き、競技場や試合での露出を増やす戦略だ。同時にネット販売もさらに強化し、年間売上高1000万元(約2億円)を見込んでいるという。

現在はプレシリーズAで資金調達が進行中で、800万~1200万元(約1億5000万~約2億3000万円)の調達を予定している。

(翻訳・山口幸子)

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