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eバイク(電動アシスト自転車)のコア部品を開発・製造する中国発スタートアップ企業「Okawa Motor Technology(大川電機)」がこのほど、襄禾資本(XIANG HE CAPITAL)が主導するシリーズAで1億2100万元(約24億円)を調達した。
Okawaは2020年に設立され、eバイクのモーター、ECU(電子制御装置)、バッテリーの開発・製造をメインに手がける。独自に開発したトルクセンサー技術を携えて、ボッシュやシマノなど世界的大手による寡占市場に挑み、世界的な影響力を持つ中国ブランドを目指す。
コロナ禍の影響や短距離モビリティに対する需要増もあり、近年の欧米市場では交通渋滞と無縁で環境にもやさしいeバイクが爆発的に成長を遂げている。「Aventon Bikes」、「TENWAYS E-Bike」などのスターブランドは資本市場からも高く評価され、資金調達に成功している。
独市場調査会社Stastiaによると、eバイクの世界市場は2022年に360億ドル(約5兆円)規模を突破し、年平均成長率10%で拡大を続けている。CONEBI(欧州自転車産業連盟)、WEF(世界経済フォーラム)、CIE(欧州自転車産業連合)の予測では、欧州市場のeバイク浸透率は25年に50%に達し、販売台数は1000万台を超える見込みだ。
これまでの自転車産業では、高級自転車の80%以上に採用されているシマノの変速機に代表されるように、精密部品がコアバリューだった。一方、eバイク産業で中核をなす技術は川上のモーターや動力伝達系に集中し、参入障壁もより高くなっている。
大きく分けて2種類あるeバイクのモーターのうち、センターモーターは低価格なインホイールモーターと比べてトルクが大きく、レスポンスも速い。外観も性能面でも明らかに優れ、ミッドレンジからハイエンド帯のeバイクにとって主要な選択肢になっている。市場は一部の限られた企業による寡占状態で、独ボッシュや日本のシマノなど世界的大手の他、中国で最も知名度の高い「八方股份(BAFANG)」などが占めている。
現在の競争構造にOkawaが切り込んでいくための基礎となるのは、既存の技術ロードマップを覆す独自開発の技術だ。現状では、超大手企業もスタートアップ企業もトルクセンサーは基本的に外部からの調達に依存している。しかしOkawaは全面的に独自技術を有しているため信頼性が高く、修理対応でも有利になる。
Okawaを創業した杜磊氏は学部から博士課程まで清華大学で学んだ。同氏によると、現在市場に流通するトルクセンサーは精度に限界があり、そのほとんどに不感帯が存在するという。トルクの変化が微細なときには信号を検出できず、トルクの変化が比較的大きな時のみ信号をモーターに伝達して推進力を生じる。つまり、実際に自転車を漕ぐ時、漕ぎ始めに推進力を得るには力を入れてペダルを踏む必要があり、ユーザーにはレスポンスが遅く感じられる。現在、Okawaのトルクセンサーは精度0.1%に達し、一般的なセンサーの3~5%を大幅に上回っている。
OKAWAの製品は、販売後に不具合が起きてメーカー修理となる比率が0.47%で、業界最低水準だという。今回の資金調達後は市場拡大を目指していく。現状では主に歴史のあるブランドをターゲットとし、欧米や日本のトップブランド数十社の製品検証試験に合格し、ボッシュの「Performance」シリーズ、シマノの「EP800」「EP801」などに代替できる有力候補となっている。 さらに、ブランド運営やマーケティング、アフターサービスなどの業務を行う子会社をオランダに設立した。
OKAWAではセンターモーターの次世代製品がまもなく量産に入るという。杜磊氏が「業界のゲームチェンジャー」と期待を寄せる製品で、集積化、インテリジェント化、小型化といった特徴を兼ね備えたドライブトレインだ。
(翻訳・山下にか)
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