家庭用防犯システム、サプライチェーンの強みを生かした中国製品が好調

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家庭用防犯システム、サプライチェーンの強みを生かした中国製品が好調

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家庭用スマートセキュリティサービスを手がける中国スタートアップ企業「致瓴科技(Glazero)」は、このほどシリーズAで数千万元(数億〜十数億円)を調達した。出資を主導したのは堅果資本(Capital Nuts)で、合創資本(Vinno Capital)と既存株主の雲時資本(Seas Capital)も出資に参加した。

致瓴科技は2020年12月に設立され、「AOSU」と「DEKCO」の2ブランドを展開する。カメラ付きインターホン、室内用パン・チルト(首振り)カメラ、蓄電池を搭載したソーラー給電式の室外用防犯カメラなどの製品を取り扱い、室内・玄関・庭・ガレージなどの安全を守る。ハードウェア製品とAI、IoTを取り入れたクラウドプラットフォームを通じて、来客応対、イベント録画、セキュリティモニター、自動通報、家族の見守りなど家庭のセキュリティに関するさまざまなニーズに応えている。

AOSUは主にミドルレンジ〜ハイエンド市場をターゲットとしている。EC専門メディアの億邦動力(ebrun)が調べたアマゾン(米国サイト)の月間販売額ランキングを見ると、2022年11月のブラックフライデーからサイバーマンデーにかけての期間、AOSUは電子製品の防犯カメラカテゴリーで上位10位以内に入っている。DEKCOはコストパフォーマンスで勝負しており、エコシステム内での協業も行っている。

AOSUの製品(致瓴科技提供)

致瓴科技の創業者・丁振氏によると、同社の製品はすでに北米や欧州、アジアなどの市場に進出しており、今後は中東やオーストラリア市場にも進出する計画だという。主な販路はアマゾンやウォルマートなどのEコマースプラットフォームだ。

市場調査機関Grand View Researchの分析では、スマートホームセキュリティカメラの世界市場は2022年に73億7000万ドル(約1兆500億円)規模となり、23年から30年まで年成長率19.2%で拡大すると予想されている。最大の市場は北米市場だ。スマートホームセキュリティシステムは従来のセキュリティシステムと比較して、より低価格で取り付け工事の必要がなく、通報も迅速で、家庭単位でセキュリティを完結できる強みがあると丁氏は述べる。家庭のあらゆる場所をカバーするためには複数のカメラが必要となるため、セキュリティ関連製品のリピート購入率は比較的高い。

世界的に見ると、家庭用スマートセキュリティ分野でトップランクのブランドはアマゾンの「Ring」、グーグルの「Google Nest」、「Arlo」などだ。中国ではスマートデバイスのサプライチェーンが充実していることから、Anker(安克創新)傘下の「Eufy」、ハイクビジョン(海康威視)から独立した「EZVIZ(蛍石網絡)」、「Reolink(睿聯技術)」など国内ブランドも多くが海外進出している。EZVIZは昨年、上海のハイテクベンチャー向け市場・科創板(スターマーケット)に上場しており、Reolinkはこのほど深圳の新興企業向け市場・創業板(チャイネクスト)への上場申請が受理されたところだ。

データセキュリティもきわめて重要な問題だ。クラウドセキュリティやクラウドプラットフォームの運営力も同様に問われる。致瓴科技のコアメンバーはネットワークセキュリティやスマートデバイス分野で中国トップクラスの企業出身で、IoTやセキュリティ製品の開発・運営に関し豊富な経験を有する。

クラウドプラットフォームや低消費電力技術などに関する経験を強みに、これからは家庭用スマートセキュリティとAIモデルを組み合わせた応用の第2段階に入る。人・場面・イベントを検知・認識し、意思決定をするクラウド・エッジ・端末一体型の「ホームセキュリティの頭脳」を構築することで、全方向・多次元的に家庭の安全を守るセキュリティネットワークを提供し、スマートホームのエコシステムを築いていくという。

(翻訳・山下にか)

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