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光学技術、特にライトフィールドディスプレイの技術に注力する中国のスタートアップ企業「臻像科技(Zx-real)」は、超特大視域角のライトフィールドディスプレイを独自に開発してきた。孫雪君副総裁によると、製品には32インチ、65インチ、さらに大きなサイズのディスプレイや、各種モバイル端末もある。
臻像科技は2017年に設立され、初期には深圳清華大学研究院と提携、その後北京郵電大学の于迅博教授のチームとともに連合実験室を開設した。長年にわたり技術研究に取り組み、今では70件ほどの発明特許を含む100件近くの特許やソフトウェア著作権を有している。
同社のライトフィールドディスプレイの強みは、新たに自社で設計した光制御デバイスと図形・画像アルゴリズムを採用し、デバイスとソフトウェアのアルゴリズムを一体化した点にある。アルゴリズムで3Dデータを動かし、独自開発の光学構造と組み合わせて物体を3Dレンダリングして表示することで、視域角100度、深度100センチメートルの没入型ディスプレイを実現した。
コア技術として、独自開発した複合グレーティング技術とレンダリング技術が挙げられる。複合グレーティングは多層精密光学構造で、それぞれに異なる設計を施された層を何層にも重ねることによって、物体が反射する光をディスプレイ上で再現し、見る方向によって見え方が変化する立体的な映像を実現した。メガネなどのデバイスを使わず裸眼のままで、物体の奥行きを感じられる自然でリアルな立体映像を見ることができる。
孫氏の説明によると、臻像科技のライトフィールドディスプレイでは、まずオリジナルのアルゴリズムを使ってある物体の100の面をレンダリング、合成する。そしてその100の画像が光制御デバイスの屈折・反射を通じて人の眼に届く。画像の密度が非常に高いため、ディスプレイの前で動いても左右100度の範囲なら滑らかな立体感を再現できるのだという。
全面的かつゼロからの研究開発に取り組んだおかげで、同社のライトフィールドディスプレイ技術では、これまでの裸眼3Dディスプレイが持つ課題を克服した。3D酔いや視域角の狭さなどの問題を解決し、めまいを感じることなく広い視域角や複数の視点、深い奥行き、高解像度といった特長を持たせた。
世界に目を向けると、米国のスタートアップ「Looking Glass」の技術が臻像科技によく似ている。しかしLooking Glassの最新製品の視域角がわずか53度なのに対し、臻像科技のディスプレイは100度を実現した。
同社は現在多様な製品ラインを展開している。大型ディスプレイは広告やマスメディア、展覧会、教育や医療研究開発分野などで使用されている。小型のモバイル端末はビデオ通話やライブ配信などの分野で模索が本格化しており、徐々に商業的価値が明らかになり始めている。
実際にライトフィールドディスプレイを広告やメディアに使用した実証実験では、多くの人々の注目を集め、足を止める人の数は平面ディスプレイの4倍に、ディスプレイを見ている時間は1.5倍になったという。
製品のうち何種類かはすでに小規模に量産されており、コアデバイスの設計、加工、量産までを完全に自社で行っている。
臻像科技は今後も引き続き研究開発に取り組み、水平視域角をさらに広げ180度を目指して進化させたいと考えている。将来的に360度の超高精細ディスプレイが実現すれば、真の意味でディスプレイの最終形に近づいたと言えるだろう。同社もより先進的なディスプレイとインタラクションの実現に向けて取り組んでいる。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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