無人配送、病棟消毒、AI案内・・新型コロナ対策にスマートロボット、その理想と現実の隔たり

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ウイルスが人から人へ感染するのを防ぐ要の時期に、無人車両が多くの期待を背負って重要な役割を果たしている。目に見えないウイルスとの戦いの中で、人々は人間の力の限界と無人化産業の潜在能力を実感しつつある。

現在、一部の無人車両は武漢および中国各地の街中や病院でひそかに導入されつつある。これらの車両は、街中で荷物の配達を行ったり、病棟の消毒を行ったり、隔離病棟で食事の配膳を行ったり、医療スタッフをサポートして問診を行ったりしている。

武漢第九医院の入り口に停車する京東物流の無人配送車 提供:京東物流

しかし、多くの企業は無人車両の導入について慎重な姿勢を見せている。上海金融法律研究院(SIFL INSTITUTE)の傅蔚岡研究員は中国版Twitter「微博(ウェイボー)」で「普段あれほど声高に宣伝している無人車両だが、なぜ肝心な時に静かになってしまうのか。無人車両は公道を走り、物資を配送することはできないのか」と疑問を呈した。

これに対して、無人運転技術を開発する「智行者(IDRIVERPLUS)」の張徳兆CEOは、「完全な無人化にはまだ達しておらず、無人車両が配達ドライバーの代わりに仕事を行うことは現実的ではない」と率直に述べている。

理想と現実の隔たり

京東物流の無人配送車 提供:京東物流

新型コロナウイルスの流行が広がった後、「京東物流(JD Logistics)」は北京からL4クラスの無人配送車2台を緊急に手配して武漢へ運び、技術者が北京からクラウドプラットフォームを通じてリモートで車両の配置を行った。京東物流X事業部自動運転研究開発部の責任者である孔旗氏によると、無人配送車が武漢へ届けられた後、現場での調整はすべて現地の配送スタッフが行い、2-3日後に実際の配送業務を開始した。

データによると、武漢第九医院から毎日10-20件の注文があり、そのうち50-70%は無人配送車で配達されている。同氏によると、配達物が大きく車両の荷物スペースに入らない場合に限って、配送ドライバーに配達を依頼しているとのこと。

京東物流・武漢仁和拠点の配達員と無人配送車 提供:京東物流

無人配送車が投入されているのは武漢だけではない。1月29日、バイドゥ(百度)が主導する自動運転の開発連合「アポロ計画(Apollo)」のパートナーである智行者が寄贈した3台の無人配送車が、上海の2つの病院と北京の1つの隔離拠点で正式に採用された。これらの無人配送車はフル充電から6-8時間連続して仕事をすることができ、人間が歩いたりジョギングしたりする速度(時速5-10キロ)で移動ができる。

張徳兆CEOによると、どのような無人機でも導入と使用には、社員と現地の作業員が現場に行って配置と調整を行う必要があり、この作業にはリスクが伴うとのこと。

2月4日、同じくApolloのパートナーで無人車両を開発する「新石器(neolix)」は、2台の小型無人搬送車を武漢へ送り、感染症対策業務を行う準備を始めた。2月6日、新石器と智行者がそれぞれ開発した無人搬送車と無人消毒車が、北京の隔離拠点へ到着し、隔離エリアでの消毒と食事の配膳に利用されている。

「広州賽特智能(SAITE)」が開発したサービスロボットは広東省人民医院で、薬の配達、食事の配膳、医療廃棄物の回収などを行い、医療スタッフをサポートしている。ロボットは自ら充電を行い、扉を開閉したりエレベーターへ乗ったりすることもできるほか、消毒機能も搭載されている。

2月12日、高精度位置情報サービス企業「千尋位置(Qianxun SI)」の「ドローン感染対策プラットフォーム」によって、3機のドローンが上海市楊浦区の住宅地へ派遣され、それぞれのドローンが1回あたり10-15リットルの消毒液を噴出し、1時間で1万平方メートルの消毒作業を完了した。

未来汽車日報が公開されている資料を整理した結果、現在現場で働く無人機の中で、医療スタッフをサポートするために室内で働くロボットは多いが、低速の無人配送車や消毒車は少ない。

現場で働くロボット 提供:「普渡科技(Pudu Technology)」「鈦米机器人(TMiRob)」

この時点において自動運転車両の活用がほとんど話題に上らないのは、分からない話ではない。専門家によると、自動運転車の開発企業がテスト走行を行えるエリアは非常に限られており、現時点において完全自動運転車が公道上で、患者や市民を送り迎えするのはまだまだリスクが多い。

完全な無人化への道のりはまだ遠い。

(翻訳・普洱)

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