生活関連サービスの美団、信用スコア制導入へ スーパーアプリ目指し布石相次ぐ

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生活関連サービスの美団、信用スコア制導入へ スーパーアプリ目指し布石相次ぐ

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生活関連サービス大手の美団(Meituan)は、その旗艦アプリをアリババの電子決済アプリ「Alipay(支付宝)」やテンセントのチャットアプリ「WeChat(微信)」のようなスーパーアプリに育成すべく、様々な動きを見せている。

美団の「信任スコア」サービス

美団はもともと、レストランの口コミ評価・共同購入の「大衆点評」や食事デリバリーの「美団外売(=出前)」といったアプリによるサービス展開で成長した企業であり、今では旅行予約や映画のチケット購入、それに自転車シェアリングの「Mobike」といった生活関連アプリを多数展開している。

それらのサービスを利用できるワンストップの「旗艦アプリ」が「美団」。テンセントのWechatがもともとモバイルチャット機能を軸にしながら、QRコード決済の電子マネー機能や大手EC京東(JD.com)のショッピングサイト、旅行予約や公共料金支払いなどのさまざまな機能を取り込んで利用者数10憶人超の巨大アプリに育てたように、美団も自らの旗艦アプリをスーパーアプリ化することを狙っている兆候がいくつか見える。

その一つが、ユーザーの信用度を評価する機能の導入だ。美団の金融事業部が「信任分(=信用スコア)」というサービスの小規模テストしていることが、このほどわかった。美団のカスタマーサービスに確認したところ、このサービスは利用者の社会的条件、行動、金融サービスの利用状況、過去の契約履行状況の4つの面から総合的にスコアをつけるものだ。

信用スコアが490点以上の利用者は、追加料金なしで美団の重大疾病保険「美団互助」に加入でき、重大疾病の治療費を最高100万元(約1500万円)までカバーできる。560点以上なら美団での決済後払いサービスが利用できるようになり、当月分の買い物を翌月にまとめて支払うことが可能だ。

今後はさらに、信用スコアの利用者向けに、無利子貸付や貸付の上限額引き上げなど、特別な金融サービスを提供する用意があるという。

個人の信用を点数化させるサービスには、アリババが2015年1月に始めた「芝麻信用」と、テンセントが2019年10月に始めた「WeChat決済点数」がある。この2者と比べ、美団の信用スコアが使われるのはまだ上述のサービスに限定されている。しかし、同社はデリバリー、宿泊、EC、自転車シェアリング、金融事業なども手掛けているため、今後すべてのサービスを信用スコアと紐付ける可能性もある。

「閃購」などのブランドイメージを希薄に、美団アプリへ誘導

美団アプリから利用できる個々のサービスの再構築にも動いている。

2018年7月、同社は「閃購」というオンラインショッピング+即時配送の業務を開始した。このサービスはスーパーマーケット、コンビニで扱っている商品、生鮮野菜、生花などを24時間オンラインで販売し、30分以内に配送することを謳っている。当時公表されたデータによると、全国2500の都市と県で53万人の配達スタッフが業務にあたっているという。

ニューリテールの重要な一環として、美団は同サービスで様々な施策を行ってきた。2019年11月には、閃購を独立したアプリに変更するほどだった。だが現在、美団のアプリから閃購に飛ぶことができなくなっている。

美団閃購アプリの画面

4月8日に確認したところ、閃購アプリは「菜大全」と名称変更したという。現在は、アップルのアプリストアやスマホ各社のストアで新名称のアプリのダウンロードが開始されている。

アプリ内のバージョン記録から、菜大全は閃購のバージョン2.0.0に相当することがわかる。名称変更は4月7日だ。このことについて、美団のある管理職は、「閃購というブランドのイメージを薄れさせるためであり、今後この業務は(再び)美団アプリ内に統合される可能性がある」と話した。

閃購のほか、美団の買い物代行アプリ「跑腿」も4月1日に更新された。サービスの内容は変わらないものの、名称は「美団配送商家版」に変わった。これも、将来の美団アプリでの集約に向けた準備だと言える。そうなれば、美団は生活関連サービスすべてを提供するアプリになり、そこからも同社のスーパーアプリを作ろうという意志が見え隠れする。

生鮮食品ECの強化

改称後の菜大全は、2019年7月から武漢で試験的に運営され、11月の時点で50以上の地区でサービスを開始。さらに12月以降は、佛山、広州の各都市でそれぞれ30の地区に展開している。

菜大全アプリの画面

美団はこれまでも「美団買菜」という自社倉庫を持つ生鮮食品ECを運営していたが、菜大全には倉庫がなく、地元の野菜市場との協力を前提とする。野菜市場の実店舗の店主の代わりに、オンラインでその店の商品を販売する形式だ。そのため、これまでの生鮮食品ECより葉物野菜の種類が多く、最低購入金額も低く設定されている。

伝統的な野菜市場は、スーパーマーケットとネット販売の影響で売り上げが激減しているため、すでにかなりの数の店主が美団のデリバリーサービスを利用している。菜大全はデリバリーだけでなく、野菜の品質管理、パッケージングをも代行し、さらにブランドイメージをもたせることで、オンラインでの販売を支援しようとするものだ。

現在、生鮮食品ECにおいて、美団は自社倉庫の美団買菜、上述の菜大全、そして外食産業の仕入れ専門の「快驢進貨」の3つのサービスを展開している。上場から2年がたった美団は、生鮮食品ECの「エコシステム(生態系)」を形作ろうとしており、そのこともまた、スーパーアプリになるという目標につながっている。

作者:Tech星球(Wechat ID:tech618)、馬微氷&陳橋輝

(翻訳:小六)

(編集:後藤)

原文はこちら

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