L4自動運転「DeepRoute」が配車大手と提携、2022年にロボタクシー運用を目指す

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L4自動運転スタートアップ「深圳元戎啓行科技有限公司(DeepRoute.ai)」(以下「元戎啓行」)とインターネット配車サービス「曹操出行(Caocao Chuxing)」が、杭州でのロボタクシー公道試験を共同実施しており、2022年に杭州で開催されるアジア競技大会でロボタクシーサービスを提供すると発表した。

テスト車両には中国大手自動車メーカー「吉利汽車(Geely Automobile)」のコンパクトEVセダン「Geometry(幾何)A」を採用する。元戎啓行は曹操出行が杭州で自動運転の公道試験のライセンスを取得する時から協力している。

元戎啓行は2019年2月に設立され、自動車メーカー、一次サプライヤー、モビリティ会社、物流企業などに向けて、さまざまなシーンに対応できるカスタマイズされた自動運転ソリューションを提供している。曹操出行は中国で有数のB2Cモビリティプラットフォームであり、公式情報では登録ユーザーは約3940万人に上る。

元戎啓行の劉念邱副総裁は、今年の後半には、曹操出行と共同で実施する自動運転テスト車両を10台まで増やして曹操出行アプリに接続、来年には一般向けの自動運転試乗サービスを提供する予定だと語った。2022年のアジア競技大会中は、サービス車両を数百台まで増強する計画だ。

曹操出行の劉金良董事長は、杭州に加えて、中国の他の都市でも両社による自動運転モビリティサービスを展開していくと語った。

杭州の梅雨時期である6~7月にも安全を確保するために、元戎啓行はGeometryA用にカスタマイズした防雨防湿型のルーフボックス内蔵センサーシステム「DeepRoute−Sense II」を開発した。

7台のカメラすべてをルーフボックスに格納するDeepRoute-Sense IIは、第一世代よりも流線形の設計になっている。車両上部の3台のLiDAR(ライダー)に加えて、フロントにもソリッドステート式LiDARを1台配備した。これら2つのLiDARにより最小検出距離は10cmに縮まり、車両周囲の死角の問題を改善できる。水平視野は360°を保持し、死角をかなり減らしている。

「DeepRoute-SenseII」LiDARのカバー範囲(出典:元戎啓行)

元戎啓行によると、今年3月、3Dオブジェクト検出ネットワークモデルに関する同社の論文は、世界最高のAI系学会CVPR(Computer Vision and Pattern Recognition)で採択されたという。このネットワークモデルは、自動運転に関する世界的ベンチマークテスト「Semantic KITTI」の「3D点群クラウド・セマンティックセグメンテーション」の単回スキャニングで1位にランキングされている。自社開発プラットフォーム「DeepRoute-Tite」では、高性能AI推論エンジンによりL4自動運転の消費電力を従来の9分の1、コストをほぼ半分にまで引き下げた。

元戎啓行は、車載カメラ「DeepRoute-Vision」やセンサー同期コントローラー「DeepRoute-Syntric」などのハードウェア製品も自社開発している。

現在、世界中の自動運転会社がモビリティプラットフォームとの連携を急いでいる。一般のモビリティプラットフォームで提供されるのはプラットフォームへのアクセスだけで、車両は自動運転会社自身が準備する必要がある。しかし、曹操出行はプラットフォームだけでなく、曹操出行をバックアップする吉利汽車からの車両や技術も元戎啓行に提供している。

曹操出行の親会社である吉利汽車は、近年モビリティ分野に力を入れている。2015年、吉利汽車は中国初の配車サービス会社「曹操専車(Caocao Zhuanche)」を設立した。2019年4月、吉利汽車はアジア競技大会の自動車サービスのオフィシャルパートナーになり、2022年の杭州アジア競技大会中に競技場エリアで自動運転サービスを提供すると発表した。今年3月、吉利汽車は年内に自社製の静止軌道衛星を2台打ち上げ、将来のモビリティとその宇宙インフラに備えると発表している。

元戎啓行の劉副総裁は「ロボタクシーは元戎啓行のメイン事業だ。我々は、自動車メーカーやモビリティ会社と協力して、アセットライト経営をさらに進めていく。曹操出行は中国国内55都市に5万台以上を投入しており、モビリティプラットフォームの運用において豊富な経験を持つ。曹操出行が当社と提携したことは、当社のテクノロジーが認められたことの表れであり、テスト運用において安全で信頼できる『ドライバー』を作り出す技術を最適化していく後押しになる」と語る。

元戎啓行は曹操出行や吉利汽車以外に、中国国営自動車メーカー大手「東風汽車集団(Dongfeng Mortor Group)」技術センターとも自動運転で提携し、2019年に武漢市で開催された第7回「ミリタリーワールドゲームズ(Military World Games)」期間中に東風汽車の自動運転デモンストレーションで協力した。武漢のスマートモビリティ会社「東風暢行(Dongfeng changxing)」や厦門の港湾コンテナターミナル「遠海集装箱碼頭」とも共同でプロジェクトを行ってきた。

元戎啓行は杭州に加え武漢で自律走行車20台、厦門で無人トラック6台のテスト運用を計画しているという。使用車両は東風のEV中型セダン「E70」、吉利汽車のGeometryA、東風商用車の無人トラックで、杭州や武漢では公道試験のライセンスを既に取得している。(翻訳・永野倫子)

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