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西湖大学は、2018年に中国の著名な研究者らの提案により、浙江省杭州市に設立された新しい大学である。創設時には、「万達集団(WANDA group)」の王健林氏、テンセントのポニー・マー氏など、複数の大物経営者が寄付をしている。「西湖未来智造」は、その西湖大学工学院の特別研究員周南嘉氏が2020年6月に設立した企業であり、マイクロメートル級の3Dプリント技術の開発を専門としている。この企業は、同大学工学院の研究成果の初の事業化でもある。
西湖未来智造の技術はマイクロ波通信、光インターコネクト、高精度な3Dパッケージングなどで使われ始めている。同社は、多種多様な素材を使った製造に対応できる素材データバンクを構築しており、完全に独自開発した技術で、世界最高クラスの精度を実現している。また、同社の技術が用いられたデバイスは十分小型化され、アジャイル生産を実現できる。コスト抑制の効果も高いという。
とくにパッケージングにおいて、西湖未来智造が各産業の特徴に合わせたパッケージング方法を開発したため、使用する素材と精度が大きく改善された。この技術によって、当該産業の複数の企業とすでに緊密な協力関係が結ばれている。現在電子製品の3Dプリント分野では、「Nano Dimension」という上場企業があるが、100マイクロメートルの精度で製造するには、特定の素材が必要となり、3枚のプリント基板を製造するのに約20時間かかる。それに対し、西湖未来智造の技術を使えば、素材をより自由に選ぶことができ、同じ数を1時間で製造することができる。
西湖未来智造創業者の周南嘉氏によると、同社は今後スマート製造のソリューションを提供していき、より多くの分野で3Dプリントを実用化させていきたいのだという。そのため、特定の産業に注力するのではなく、幅広い企業の疑問に答えていき、それぞれのニーズに合わせた設備を開発・設計する予定で、それに合わせた素材も開発していく。
同社は創業後すぐに、数千万元(約数億円)のエンジェルラウンドの資金調達を行った。リードインベスターはAI分野での投資に長けた「英諾天使基金(Innoangel Fund)」で、コ・インベスターは「中科創星(CASSTAR)」。調達した資金は顧客との共同開発を含めた開発に使われる。また同社は、当該産業に興味を持つ人材も募集している。
(翻訳:小六)
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