ファーウェイ、Honor売却で自動車事業に舵切りか 消費者向け端末と自動車関連ICTが事業統合へ

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

ファーウェイ、Honor売却で自動車事業に舵切りか 消費者向け端末と自動車関連ICTが事業統合へ

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国の通信機器大手ファーウェイがスマートフォンのサブブランド「Honor(栄耀)」の売却を取り決め、すでに売却先と合意に達した。

ファーウェイ幹部に近しい複数の人物によると、ファーウェイはさらにコンシューマー向け端末事業部と自動車関連のICT技術を手がけるインテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部を統合し、そのトップとしてコンシューマー向け端末事業部の現CEOリチャード・ユー(余承東)氏が就くことがわかった。

ファーウェイの組織構成は現在、通信事業者向けネットワーク事業部、法人向けICTソリューション事業部、コンシューマー向け端末事業部の三つのビジネスグループと、クラウド&AI事業部、インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部の二つのビジネスユニットから成る。インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部は昨年5月末に行われた組織再編の際に誕生し、ICT管理委員会(ICT Business Organizations)に属している。とはいえ、同事業部は自動車を製造するわけではなく、ICT関連の自動車部品を提供するサプライヤーであり、自動車メーカーの製造を支援するものだとうたっている。

社内関係者によると、ファーウェイではすべての事業部門が社内いずれかの管理委員会(Business Organizations)に属する決まりとなっており、各事業に投入するリソースやマンパワーに関する決定権などは管理委員会が握っている。スマートフォンなどを手がけるコンシューマー向け端末事業部は独立した管理委員会に所属しており、同委員会の責任者もリチャード・ユー氏だ。なお、インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部が属するICT管理委員会の責任者はファーウェイのエリック・シュー(徐直軍)輪番会長が兼任している。今回の事業部統合によって、インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業の属する管理委員会は、シュー氏が統括するものからユー氏が統括すものに移ったということだ。

これらに関して36Kr編集部はファーウェイ側のコメントを求めたが、現段階で返答は得られなかった。

ファーウェイの事業部統合に先駆けて、大手自動車メーカー「長安汽車(Changan Automobile)」は今月14日、ファーウェイおよび車載電池大手CATL(寧徳時代新能源科技)とともに、インテリジェントカーの新ブランドを立ち上げると発表していた。その際、リチャード・ユー氏も動画でメッセージを寄せ、「歴史ある自動車産業もICT産業も一様に時代の転換期に直面している。長安汽車とファーウェイの両社は固いタッグを組むことで、自動車のインテリジェント化と電動化が進む新時代を迎え討ち、共に新しいブランドや製品をつくりあげていく」と述べている。

自動車産業に詳しいある人物はこれについて、米国からの制裁でチップ事業が立ち行かなくなったファーウェイは、今年は売上高の減少が避けがたく、「インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部のような短期的には収益を生み出せない部門を他部署へ統合するのは妥当な判断だ」とする。さらに別の業界関係者は、スマートフォンブランドのHonorがファーウェイの手を離れたことで、コンシューマー向け端末事業部には大きな空席が出たと指摘。「ユーCEOは自動車事業を引き継ぐことを望むだろう」と述べた。

シュー輪番会長も過去に自動車事業の持つ価値に言及しており、「10年後の自動車事業で、ファーウェイは再び見事な実績を出すだろう。現在のスマートフォン事業と同じように」と述べている。

ファーウェイのインテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部は、インテリジェント・ドライビング(自動運転)、インテリジェント・コクピット(運転席のインテリジェント化)、インテリジェント・コネクティビティ(ネットワーク接続のインテリジェント化)、インテリジェント・エレクトリフィケーション(自動車の電動化)、インテリジェント・オートモーティブ・クラウド(自動車向けクラウド)の5つの事業を手がけている。

「インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部のすべての業務はファーウェイの既存のICT事業と相関関係にあり、その延長線上にある」。シュー輪番会長はかつて取材に応じた際、そのように説明していた。

ファーウェイの5G車載通信モジュール、テレマティクス機器「TBox」、車載OS「Harmony OS(鴻蒙OS)」、モバイル端末と連携できるインフォテインメントプラットフォーム「HiCar」はいずれもコンシューマー向け端末事業の技術を用いたもので、インテリジェント・コクピットも同じく同事業部の一部技術を用いている。つまり、インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部とコンシューマー向け端末事業部の統合はリソース活用やR&Dにおいて効率を高めることになる。

両部署統合に伴う人事はまだ大きな変化はみられないが、複数のファーウェイ関係者によると、経営陣の間ではすでに組織編成やビジネスロジックの最終形は固まっているとみられる。インテリジェント・オートモーティブ・ソリューション事業部の事業範囲をみれば、ファーウェイがインテリジェントEVに関してフルレンジの技術を有していることがわかる。これまで重ねて「自動車は造らない」と表明しているファーウェイだが、これは説得力に欠ける物言いだ。
(翻訳・愛玉)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録