「マイミニプログラム」公開、微信はモバイル・インターネットを呑み込み一層暗がりの奥へ…

過去2ヶ月間、微信(WeChat)ミニプログラムは「人々がおもっていた」限界、自己束縛を激しく打ち破っている。例えば、ゲーム類を含めてミニプログラムの広告モジュールを全面的に公開したり、Appからミニプログラムへのチャレンジを新たにサポートしたり、ブランド検索を自由化したり…といった具合だ。
2018年7月13日、iOS用微信最新バージョンでまたも公開された「マイミニプログラム」ポータル。これはつまり、ミニプログラムが2017年1月にリリースされて以来開発者がずっと望んでいたミニプログラムの「お気に入り」だ。
微信によるこの一連の動きは、ミニプログラムを全面的商業化、およびOS化するための布石だ。

急速な変化の中にある微信

2017年と比較して、2018年上半期のミニプログラムポータルの公開ペースは減速しているように見えるが、一説では微信は「胸に一物ある」のではないか、とのことだ。5月以降のミニプログラムに関する一連の動きだけを見ても、この説を裏付けている。
微信開発者の間には早くからある噂があった。プルダウンメニューの次バージョンが2018年5月にリリースされ、そこではプルダウンメニューの容量が増える、というものだ。しかしこのリリースは2018年7月中旬にずれ込んだ。それでも、発表されたばかりのプルダウンメニュー上に設定されている「マイミニプログラム」ポータルには開発者もうれしい悲鳴を上げた。
6.7.1にバージョンアップしたばかりのiOS版微信において、微信トップページのプルダウンに新たに「マイミニプログラム」ポータルが設定され、既存の「最近使ったもの」ポータルの下にユーザーが50本のミニプログラムを追加できる。
「マイミニプログラム」は「お気に入り」と同じと見なすことができる。開発者が、モーメンツがいつかミニプログラムに解放されることを期待するように、お気に入りのような「マイミニプログラム」も、微信ミニプログラムがはじめてリリースされたころから最も期待されていたポータルでもある。微信は集約化ロジックを提唱しているため、ミニプログラムのために「アプリストア」を開くことはおそらくないと思われるが、お気に入りは今迄に出てきた中で最も集約効果のあるポータルである。
「最近使ったもの」と比べると、「マイミニプログラム」はもっと効率良く各ユーザーがよく使うミニプログラムを保持できる。直接的な効果は、そこにあるミニプログラムのキープ率と転換率の向上だ。「星マーク機能」と比べても利用のハードルは低く、特にお気に入りのミニプログラム登録可能本数も10本から50本に増えた。
「マイミニプログラム」ポータルのアクセスによる効果は、もっとデータが出てくるまで時間をおかなければ判断できないが、重要性についてはもはや疑う余地はない。微信ミニプログラムで今まで公開してきた64のポータルの中で、プルダウンリストはアクセス数第2位で、第1位のグループチャットポータルにわずかに劣る程度だ。

すべてのオペレーティングシステムを飲み込む

バイドゥー(百度)Appがミニプログラムを作るのが、自己の境界を検索エンジンから開拓し、スーパーツールセットに発展させる試みであるのと同じように、アリペイがミニプログラムを作るのは取引システムから手を引くというわけではなく、微信同様、ソーシャルゲノムを突破する試みである。
「微信の能力はソーシャルツールであり、人と人、人とサービスをつなげ、(ミニプログラムの)アクセスの大部分はソーシャルから来ているが、我々のビジョンはソーシャルのみにとどまらず、検索やコードのスキャンもあってほしい。」微信オープンプラットフォームインフラ部上級プロダクトマネージャー陳浩氏は、最近行われた微信オープンセミナーの席上でメディアに対しこう語った。
「検索」、それにオンラインアプリの利用シーンをオフラインにも広げた「コードスキャン」は、それぞれ中国のインターネット及び二大巨頭、百度とアリババの成功の引き金であることに気付くはずだ。
「マイミニプログラム」のほか、7月前半、微信は2つの重大ニュースを伝えた。それはブランド検索とミニプログラム内広告プラグインの全面公開である。
ブランド検索の公開は、微信をOS化する意図をさらに示す合図であり、微信関係者による規定では、ブランド検索により商店はブランド公式サイトとトップページが与えられる。後者ではブランドの紹介、主な商品、サービス、問い合わせ方法などの情報が表示される。まるでモバイル版公式サイトのようだが。PC時代では百度がこのようなことを行っていた。

業界関係者の一人は、ミニプログラムは既存のeコマースや、O2O(Online to Offline)ビジネスの大手にとって脅威だ、とコメントした。「商店がネットにつながってまず行うことはユーザーの引き寄せで、もしブランド検索や近くの人の検索、近くのミニプログラム検索がされれば、ユーザーにその習慣がつき、meituan.comのようなプラットフォームへ行って金を払って客を引き寄せるなんてことをもうしなくてもよくなる」
別の観点からみると、さらなるサービスにつながることを希望し、しかしまた単なるコネクターとしての役割を果たしたいと考える微信の一連の動きは、さらにブランドを引き付けるためのものとなる。彼らの微信エコシステム内での情報と展開の手法を充実させ、微信エコシステムはますます正統であるように見せている。
組織の参画に伴い、ミニプログラムにロングテール効果が表れ、また微信は誘導シェアの手法を終始封印することとなった。かつて蔓延していたマイクロビジネススクリーン広告の未熟な実態は過去のものとなった。
終わったばかりの上海でのオープンセミナーにおいて、ミニプログラムについての重要なテーマは商業化だった。またセミナーの一週間前に微信はミニプログラムゲームの広告モジュールを公開している。
微信が商業化について議論を始めたころ、ミニプログラム市場の安定性についてすでに自信を持っていたことが示された。微信はここまでくるのに1年半を要した。
今年のミニプログラムエコシステムの発展は目に見えて速くなってきている。2017年末までは、投資家の多くはミニプログラムが本当にブレイクするのかわからずにいた。開発者の一人は36Krに対し、2018年初に社の財務顧問から、可能な範囲で融資を受け、今後のエコシステムの思わぬ変化に備えるようアドバイスを受けた、と語った。しかし300億米ドルともいわれるプロダクトが出現すると、微信エコシステムはホットマネーを追い求めるフィールドと化した。
微信がこのほど公表したデータによると、ミニゲームの広告のアクセス数は1日1千万を超えている。利益を出した開発者の第一群がすでに出現している。利益を得た人はここから、微信エコシステムの「その場ですぐ遊べる」という方針への適合を始めた。一方別の群では、ツール系のミニプログラムは今なお商業化の道半ばにある。
リリース後16か月の時点で、微信エコシステム内にはすでに100万本を超えるミニプログラム、150万人を超える開発者、5000件を超えるサードパーティープラットフォームが存在する。

ますます多くの人が利用するのに伴い、微信エコシステムは急速に膨張してきている。人々は相変わらずいろいろと問い合わせを寄せ、一方の微信側は各種機能の改修に追われている。例えば微信内であるサイトを閲覧中、前のページに戻るのが難しい、というユーザーに対しては、微信側は「ポップアップ」機能を実装して前のページに戻りやすくした。
微信は成功したかどうかによらず、スーパーアプリの限界を超え、OS化を目指した先例であることは確かと言える。この挑戦はその一歩を進めることができた。先が楽しみである。

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