小売分野に注力、ミニプログラムで売れ行きはさらに伸びるか?

2018年7月11日、WeChat公開セミナー上海会場でミニプログラム特別講演があり、その中でWeChat関係者はミニプログラム公開16か月後の主要データを発表した。それによると、現在までに100万本を超えるミニプログラムが公開され、市場においては開発者は150万を超え、サードパーティー(WeChatではない第三者によるもの)のプラットフォームも5000を超えている。

現場のWeChat関係者は、ミニプログラムの新しい能力をいくつか公表した。

・シーンのグレードアップ、新たに「マイミニプログラムタスクバー」「ブランド検索とカテゴリ検索」「APPによりミニプログラムを開く」そして「タブレット向け表示」が追加された。

・情報のグレードアップ、コードを読み取ってユーザーをフォローする、グループの動向(たとえばマルチプレーヤーゲームの参加者数)を見るなど。これによりいろいろな場面でユーザーとつながる。

・性能の向上、分割ダウンロードにより機能のモジュール化とが可能になるなど、性能面での向上。これにより開発のハードルが下がる。

・広告の流動性の向上、開発者が広告スペースの開放を自己申請できるように(ただし訪問数1000UV以上)なる。

WeChat関係者はさらに、ミニプログラムのプラグインについても言及した。これは、ミニプログラム内に直接追加し使用できるサービスとのこと。ミニプログラムのプラグインは、開発の敷居を下げたり、インターフェース専門の開発チーム(サードパーティのサービス業者)の作業を補助したり、プラグインの機能を利用しやすくするのに有利である。特に開発スキルがそれほどでもない小規模ベンダーに有利である。現在のところ、WeChatへのログイン、支払い、全画面表示などのプラグインがリリースされている。同時に、開発者が完全なパッケージの作成を支援するサービスを提供しており、低コストで手軽にプラグインを使用できる。このほか、動画、ナビ、予約、会員カードなどのサービスのプラグインも続々とリリースされている。

注目すべきは、お店の小売業とeコマースの提携に重点的に踏み込むことで、ミニプログラム開発者のビジネスの実現を促進しているというところだ。

WeChatミニプログラム担当者陳浩氏は36Krに対し、ミニプログラム開発者が収入を得る方法は主に2つあり、1つは広告閲覧数に基づきそれに応じた額を得るもの、もう1つは広告の誘導率を高め、当該商品の購買量を伸ばすものだ、と語った。前者も多くのコンテンツが生産側の自己メディアによる主な利益を生むモデルだが、ミニプログラムのサービスはコンテンツではなく、後者の小売業者にもたらす変革である。効率的に素早くオフライン小売業をデジタル化し、一体化し、実店舗の運用効率を高める。

ミニプログラムは現在、リアル店舗の小売業と大々的に協力を進めている。しかしミニプログラムの主たる機能は物品販売ではなく、リアル小売店をより支援することだ。例えば、ミニプログラムを使って会員ポイント、クーポン券、返品/交換などのサービスを提供する。漢光百貨店、商務電子部最高製品責任者、董有良氏は36Krの記者に対し、漢光百貨店はこれまで顧客に「ショッピングの楽しさ」を提供し続けてきており、これからもそうし続け、シーンサービスを追求するようなことはない、さらには「顧客がネット上にとどまる時間と労力を減らす」と語った。

ミニプログラムは、これまで多くの企業で採用されてきたHTML5ページにとって代わり、ブランドの会員、サービスの主要窓口になりつつある。例えば、過去にHTML5で構築されたウェブサイトによる効果は芳しくなく、漢光百貨店はすでにそのサイトの運用を停止している。代わって2018年1月からはミニプログラムをリリースした。結果、1か月の間に売り上げが70%増加、客単価は36%増加、また顧客がプログラムを使用する時間も120%増加した。このほか、店舗におけるサービスの効率も向上し、運用するレジの台数も18台から14台に減少。このことから、HTML5のサイトをやめ、会員システムやサービスを全面的にミニプログラムに移行する商店は少なくないことがうかがえる。

「ミニプログラムは完全な会員向け媒体になりつつある」百果園自営eコマース担当、李想氏はWeChatセミナー上でこう述べた。小売業の本質は人の流れとブランドの運営で、百果園のようなリアル店舗の立場から見ると、ミニプログラムの最大の機能は会員システムの構築と改善にある。百果園が当初採用していたのは、携帯電話番号による会員管理で、会員は店員に携帯電話の番号を伝えるものだ。ミニプログラムができて以降は会員番号をスキャンする方法に変え、大幅な時短につながった。さらには会員のポイントやステータスの管理の面でも大幅に改善した。

百果園はまたミニプログラムを利用して拼团自提(友達を一定数誘ったら集団購入価格で購入できる)という機能を開発した。この機能により、一日平均来店者数が2万人を超え、二次転換率は40%近くに達し、15%の新規顧客を獲得した。同時に、ミニプログラムを経由して正確なユーザー画像を提供することができた。百果園は、2017年9月以来、ミニプログラムの初版をリリースしており、累積ユーザー数は500万人で、1日のピークは50万人であるとのことだ。


服飾、化粧品、食品その他小売、どの店もミニプログラムを作っている

このほか、WeChat関係者が公表したところでは、現在のところ各ユーザーは日に4回ミニプログラムを開き、そのうち54%のユーザーは自主的に訪問しているとのことだ。

WeChatのeコマースでは、ミニプログラムの使用を習慣づけることは喜ばしいことだ。これが意味することは、微店に訪れた後、WeChatミニプログラムのeコマースがネットの人気者たちが何かを売るのに理想的なチャネルになるかもしれない、ということだ。一つのトレンドとして、ますます多くの人がタオバオネットを見てまわるかのようにミニプログラムのショップを見てまわるのを日常とし、公式アカウントやチャットでのおすすめに頼らずミニプログラムで買い物している。

ウェイポーで700万以上のフォロワーを持ち、WeChatでもフォロー数160万以上の人気ブロガーgogoboi氏は、過去にHTML5サイトでネットショップをやっていたものの芳しくなく、LOOKと共同で自身のミニアプリ「不大精選」を作成した。LOOK創業者でCEOの厳明氏は、現在のところ57%を超えるユーザーが誘導なしに、公式アカウントのメニュー、ミニプログラム履歴、プルダウンタスクリストなどから「不大精選」に訪れており、ミニプログラム内で商品をチェックする習慣がすでについてきている、と説明した。

タオバオの攻勢が激しさを増すにつれ、ネットの人気者が運営するショップに人々は流れていっている。WeChatミニプログラムでのeコマースは試す価値のある未開拓市場かもしれない。さらにはWeChat内の公式アカウントと、チャットグループとを結合し、顧客とブランドをつなげてコミュニティーを形成することがさらに容易になる。

当初はいたって普通だったミニプログラムがオンライン/オフラインショッピングのシステムを変えつつある。

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