インテル脱却に向け アップルの独自チップ「M1」、すでに次世代製品が控えていた

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米アップルは先月、デスクトップPC向けの自主開発チップ「M1」を発表したばかりだが、ブルームバーグの報道によると、早ければ来年初めにさらに高性能な次世代チップを発表する予定で、続けて下半期には最大32コアとなるハイエンドデスクトップ向けのチップを発表する。米半導体最大手インテルが現行でコンシューマー機器向けに提供している最上位製品を上回る性能になるという。

インテルの株価の変動

報道では更に詳細に触れている。アップルは来年、春季と秋季の2回に分けてより高性能なチップを発表する。春季に発表されるものは、動画編集など高負荷の作業に対応する16個の高性能コアと、Web閲覧など軽負荷の作業に対応する4個の高効率コアで構成される20コアとなり、最新のノートブックMacBook ProやデスクトップiMac(エントリーモデル、上位モデル)に搭載される予定だ。秋季に発表されるものは最大32コアで、超ハイスペックな最新のワークステーションMac Proに搭載される。ただし、開発の複雑さや商品戦略上の理由から、来年に発表されるチップは8コア〜12コアに留められる可能性もある。

アップルはCPU以外にGPU(グラフィックプロセッサー)でも攻めの姿勢だ。

M1はMacシリーズのローエンドおよびエントリーモデル向けに発表されたものだが、将来的にノートブックのハイエンド機種やデスクトップのミドルレンジ機種向けを想定し、アップルは現在iMacおよびMacbook Proに搭載する16コア、32コアのGPUをテスト中だという。またデスクトップの最上位機種向けには64コア、128コアのGPUを搭載する予定で、その処理スピードは既存機種に搭載されているAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)製のグラフィックモジュールの数倍に達するという。発表は2021年末から2022年になるとみられる。

チップはアップル、インテル、AMDの三つ巴の闘いとなる(画像:wccftech)

アップルのティム・クックCEOは今年6月に開催した年次開発者会議「WWDC 20」で、ある「移行計画」を発表。向こう2年間でMacシリーズの全製品をARMアーキテクチャの自主開発チップに差し替えるとしたうえで、2022年にはインテル製チップからの完全脱却を果たすと宣言した。

そして11月に発表されたのがARMアーキテクチャの自主開発チップ「M1」だ。M1はMacBook Proのエントリーモデルを筆頭に、Mac Miniの新機種、MacBook Air全モデルに搭載された。Macシリーズ製品向けとしては初めてCPU、I/O、セキュリティなどのモジュールがワンチップに統合されたSoCであり、自主開発のチップとなる。

アップルの自主開発チップ「M1」のコンセプトマップ(画像:アップル)

アップルによるチップ開発の過程に付随して、半導体製造二大大手インテルとAMDの戦いを振り返ってみる。

両者はほぼ同時期にシリコンバレーで創業している。近年はAMDがインテルに押されていたが、2014年にリサ・スー(蘇姿豊)CEOが旗振り役となり、AMDは技術面で猛攻態勢に入った。2017年には初めて8コアのプロセッサー「Ryzen」を発表。優れた性能と低価格を武器に、インテルの独壇場だった市場でシェアを奪いはじめた。

今年3月、スーCEOは新CPUアーキテクチャー「Zen4」で5nmプロセスを採用すると発表した。一方のインテルは9月に10nmプロセスのプロセッサー「Tiger Lake」を発表。性能面では前世代から進化したものの、AMDの5nmには及ばない。

チップの製造プロセスが勝るということは、同一面積上により多くのトランジスターを載せられるという意味であり、よりローコストで、発熱や電力消費も抑えられるということである。

こうした面からみるとインテルの10nmと比較してアップルはチップの製造プロセスにおいて、後発ながらインテルに勝る。

またAMDは技術面では大幅な進化を遂げたものの、2009年にウェハー工場を売却してしまったためにTSMCなどのメーカーに製造を依頼するしかなく、資金面で問題を抱える。

AMDとアップルによる5nmチップは早ければ来年に発表される。アップルはTSMCの最大の顧客であり、常に他メーカーに先んじて最先端プロセスのチップの量産に漕ぎつけている。

11月にM1を発表して、アップルはパソコン向けチップ市場の一勢力となった。

アップルが自主開発チップの陣営を補完することはインテル依存を脱却する重要な一歩であり、業界の刷新を加速させることにもなる。将来的にアップルが市場の勢力図を書き換えるのか?期待を持って見守りたい。
(翻訳・愛玉)

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