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TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)が、AIに特化した研究開発部門「人工智能実験室(AI Lab)」の北京、上海、米カリフォルニア州マウンテンビューにある各拠点で医薬・ヘルスケア分野の人材募集を行っている。業務内容として医薬品の研究開発、設計などが挙げられている。
2016年に設立された人工智能実験室は、機械学習などの先端技術を研究する部門で、TikTok(中国国内版は「抖音(Douyin)」)などのサービス向けに最適なアルゴリズムを提供している。このたび同実験室がその研究範囲をヘルスケア分野に広げたことは、バイトダンスがヘルスケア事業を大規模に展開していく決意を示している。
バイトダンスはこのほど、ヘルスケア事業を担うセクション「極光部門」を設立した。元バイドゥ(百度)副総裁の呉海峰氏が率いるこの部門は、統一ブランド「小荷健康」としてサービスを展開する。
12月10日、バイトダンスは呉海峰氏が設立したヘルステック企業「幺零貳四科技」を買収。幺零貳四科技は傘下にオフライン診療機関「松果門診(PINECONE CLINIC)」などを有する。
ヘルスケア企業を買収する動きこそ迅速ではあったが、バイトダンスは医療関連事業への取り組みでは大手インターネット企業の中で遅れをとる。
中国のオンライン医療市場の規模は2019年の時点ですでに270億元(約4280億円)に達しており、2020年は新型コロナウイルス感染症によって一層活気づいた。コロナ禍よる旺盛な需要のもと、大手インターネット企業がヘルスケア事業に注力する動きが活発化している。
テンセント(騰訊)傘下の「騰訊人工知能研究室(Tencent AI Lab)」は2019年から医薬品開発の研究結果を発表。バイドゥは今年3月に医療プラットフォーム「百度健康(Baidu Health)」を設立し、3年でAI創薬スタートアップを創設することで20億ドル(約320億円)を調達する計画を示した。9月にはアリババ傘下の「アリヘルス(阿里健康)」がアプリサービスを統合してブランド名を「医鹿」に改名した。12月には京東集団(JD.com)傘下のヘルスケア企業「京東健康(JD Health)」が香港に上場している。
(翻訳・小久江)
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