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ショート動画プラットフォーム「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」が2021年2月5日に香港上場を計画していることが分かった。香港IPOにおける引受証券会社が明らかにしたところでは、目標評価額は500億ドル(約5兆1800億円)だという。
快手は2011年3月に設立された。最初に手掛けたのはGIF動画の作成・共有用アプリだが、たった数年でショート動画、ライブ配信、Eコマースを一手に抱えるインターネット大手に成長した。現在、プラットフォームのDAU(デイリーアクティブユーザー数)は3億人、MAU(月間アクティブ ユーザー数)は4億人、1日の露出回数は1000億回を超える。
ここでは、製品形態、収益化の仕組み、財務状況などさまざまな角度から快手の将来性を分析する。
ツールアプリからショート動画大手に
快手創業者の程一笑氏は2011年、快手の前身だった「GIF快手」を立ち上げた。
創業2年目にはショート動画事業に転向し、2013年に現在のCEOである宿華氏のチームと合併。コンテンツの配信にレコメンドアルゴリズムを応用するようになった。この時期にシリーズAで「晨興資本(現在の『五源資本(5Y Capital)』)」から数百万ドル(数億円)を調達している。
その後社名を快手に変更し、製品形態も固まってきた。2015年初めにDAUは1000万人を突破、2016年4月には登録ユーザー数が3億を超え、テンセントのSNSアプリ「WeChat」、同傘下のコミュニケーションツール「QQ」、中国版Twitterと呼ばれる「微博(weibo)」に次ぐ第4のスマホアプリになった。
2016年にはライブ配信機能を追加した。
2020年6月末時点で、中国市場において快手のアプリおよびミニプログラムの平均DAUは3億200万人、MAU は7億7600万人となり、世界第2位のショート動画およびライブコマースプラットフォームになった。
最大の強みは「一般社会の縮図」
大多数のショート動画プラットフォームに比べ、快手のアルゴリズムの最大の特徴は、分散型のエコシステムですべてのユーザーのコンテンツが表示されることだ。
ショート動画アプリ「抖音(Douyin)」は芸能人やインフルエンサーの起用でアクセスを増やしているが、快手は地方都市や農村に浸透している。コンテンツは「地域密着型」で、日常生活や農作業など一般社会の縮図を示している。
地域密着型コンテンツは快手のソーシャル性を強め、ユーザーのつなぎ留めや利用率向上に極めて重要な役割を果たしている。
収益化の両輪「ライブ配信+マーケティング」
快手の本当の意味での収益化は2016年に始まった。ライブ配信機能がリリースされた当時は「ユーザーがインフルエンサーに投げ銭を送り、プラットフォームはコミッションを受け取る」モデルにより売上高が爆発的に増加した。
目論見書によると、2017~2020年上半期の快手のライブ配信収入は79億元(約1300億円)、186億元(約3000億円)、314億元(約5000億円)、173億元(約2800億円)で、それぞれ収入全体の95.3%、91.7%、80.4%、68.5%を占めた。ライブ配信収入が占める割合は減少傾向にあるが、それでも最も重要な収入源だ。
2018年10月、快手は広告とビジネスを2本柱とするマーケティングプラットフォームを立ち上げた。
目論見書によると、オンラインマーケティングとライブ配信の投げ銭が主な収入源となっている。2017~2020年上半期のオンラインマーケティングサービスの売上高は3億9060万元(約60億円)、17億元(約270億円)、74億元(約1200億円)、72億元(約1200億円)で、それぞれ売上高全体の4.7%、8.2%、19.0%、28.3%を占めている。
現在はライブ配信の投げ銭のコミッション収入が依然として高い。快手の課題は、投げ銭とオンラインマーケティングに次ぐ第三の成長の柱をどうするかだ。
【徹底分析】中国バイトダンスの最大競合「快手」、目論見書から見る収益モデルと事業展望(二)
作者:節点財経(WeChat ID:jiedian2018)
(翻訳・二胡)
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