ドキュサイン上場にみる中国電子署名市場

本文は「ベンチャーキャピタル観察」第70回目の記事です。

4月26日、米電子署名サービス会社ドキュサイン(DocuSign)は一株29ドルで新規株式公開(IPO)を申請、募集資金の総額は6.29ドルになる。IPO実施後1か月で、DocuSignの株価は60数億ドルに上がった。現在は50数億に落ち着いているが、全体として前ラウンドにおける融資額の30億を大きく上回っている。このニュースは確実に、国内電子署名市場を大いに活気づけた。

ドキュサイン社の上場成功は、国内の電子署名市場にどんなニュースをもたらしたのか?国内の電子署名会社とドキュサインとの差異はどこにあるのか?中国電子署名市場の発展方法にはどんな特徴があるのか?国内電子署名会社法大大(Fadada)の創業者でありCEOの黄翔氏はこう語った。

目論見書の基本ポイント

1、ドキュサイン社の目論見書から、2003年設立のDocuSign社には37万社の法人顧客と数億人の個人顧客がおり、プラットフォーム成約件数は総計7億件を超えていることが読み取れる。

2、2015年、2016年及び2017年の売上高はそれぞれ、2.550億、3.815億、5.185億ドルで、同期比成長率は52%および36%である。

3、市場開拓の面では、直販チームが主要な売り上げに貢献しており、一方同時に、先進的科学技術大企業と協力し、製品の統合販売を実現した。例えば、グーグル、マイクロソフト、ネットスイート、オラクル、セールスフォース、SAP、SAP SuccessFactors、Workdayはすでに、ドキュサイン社の電子署名システムを彼らそれぞれのオーダーメード・アプリケーションに組み込み、顧客の業務システム内での契約書の署名、配信、管理のソリューションを提供している。ドキュサイン社はこれら科学技術大企業と協力することで、さらに広い顧客基盤を築くことができた。

国内外の類似環境

主な状況:

1、契約のペーパーレス化、オンライン化は世界的なトレンドで、将来の市場規模はかなり大きい。

ドキュサイン社の推定では、潜在市場規模は2017年で250億ドルに達していて、現在のところ、この1年間の販売額は5.185億ドルだった。国内の電子署名市場の発展は比較的遅いものの、企業における多くの業務がオンラインに拡がるにつれ、契約の電子化への需要は急速に高まってきている。

2、契約は企業の運営における基本的な保障として非常に強力な関連性と拡張性があり、電子契約の市場への広がりに対し非常に好ましいネットワーク効果を生み出す。

ある企業への導入が、その上下流に位置する関連企業への導入をけん引するが、それ以外にも、企業内のある部門に導入し、業務効率が向上すると、他部門への導入も推し進められる。ドキュサインの目論見書によると、最初の顧客は1軒だったのが現在は300軒以上の顧客が存在する。

3、業界をまたいだ電子署名の適用性はかなり高い

ドキュサイン社の業務データを見ると、特定顧客依存度それほど明らかに高くはなく、最大顧客からの収入は全収入の3%に満たない。これは電子署名関連ソリューションの各業界への高い適用性が相関しており、電子署名はインターネットにおける基本インフラであるといえる。

4、電子署名関連ソリューションは、当該地域における法律、規則の電子署名に対する要求基準を満たしていなければならない。

ドキュサイン社の製品設計は、米ESIGN Act法案及びEUのeIDASの要求基準を満たしている。中国においても電子署名に対する一連の法律・規則が存在する。例えば、≪中華人民共和国電子署名法≫、≪中華人民共和国電子商取引法(草案)≫、≪中華人民共和国契約法≫、≪中華人民共和国民事訴訟法≫など、どれも電子署名の使用に対して規定や必要な法的根拠を与えている。現行法及び規則への準拠は、製品設計の基本要件である。

国内外の違い

国内の司法、法律および企業のサービス市場と、欧米のそれらとには違いがある。このことにより、中国での電子署名関連ソリューション及び市場の発展の仕方には独自の特徴が表れる。主な特徴として以下のようなものがある:

1、ソリューションの複雑さや安全性に対する要求がさらに高い。中国では関連法律及び規則に基づき、電子契約における署名者に対し、厳格な身分認証手続きの実施をを求めている。

2、国内でのインターネットの急速な発達は、インターネット裁判所、オンライン仲裁など、世界の司法をリードする新しいサービスの実践を推し進めている。電子署名は最終的に1つの電子的証拠であり、署名は関係者の権益を保障するためのものである。また、電子証明書、法医学や物証鑑定などの司法鑑定、弁護士など一連のサービスにも拡大する必要がある。

3、ドキュサイン社は8年の発展を経た後の2011年になってから大企業への営業を展開した。しかし国内においては、事業展開の2年目に大企業との接触を開始し、多くの業界と大口顧客から支持を得ている。このことは、国内におけるインターネットとインターネットの発展、および大企業の情報化での厳しい要求とは切っても切り離せない。多くの企業業務及び取引がオンラインに移行する中、契約及び文書への署名のオンライン化に対する要求は急速に高まっている。

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