クラウドで動画をサクサク共同編集 制作プラットフォーム「MediaTrack」が数千万円を調達

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クラウドネイティブの動画共同制作プラットフォーム「分秒幀(MediaTrack)」がプレシリーズAで数百万ドル(数千万円)の資金調達を行った。リード・インベスターはベンチャーキャピタル「GGV Capital(紀源資本)」、コ・インベスターはエンジェル投資を行う「GFC」で、「源合資本」が財務顧問を務める。

「2020年中国インターネット視聴発展研究報告」によると、2020年6月時点での中国インターネット動画ユーザー規模は9億100万人、うちショート動画ユーザーが8億1800万人となった。新型コロナウイルス感染拡大において、動画市場は爆発的な急成長となり、月別動画再生時間は前年比30%増の300億時間を超えた。

ショート動画分野の細分化市場における一部企業の資金調達状況
データ出典:分秒幀

ショート動画の消費需要が急増となった一方、川上のコンテンツ制作は厳しい状況となっている。動画コンテンツ制作のプロセスが長く、多くの共同作業が複雑で、納品後もフィードバック、修正、確認作業などが続く。コンテンツチェックではOffice、メールボックス、クラウドストレージ、チャットアプリ「WeChat(微信)」、アリババ系動画共有サイト「Youku(優酷)」などを行ったり来たりしての確認を行い、かなり骨が折れる。このほか、コンテンツ制作では人材不足により、コンテンツの数・質の双方に対し急激に高まる消費者側のニーズを満たせない状況となっている。

クラウドネイティブのツールを利用すれば、動画コンテンツのクリエイターおよびプロデューサー、クライアントが同時に共同で作業を進められ、組織や端末の垣根を越えてリアルタイムでマルチタスクが実施できる。

MediaTrackの具体的なソリューションは以下の3点だ。

一つ目がスマートプレーヤー。ユーザーの利用需要と、マルチメディアコンテンツをクラウド上ですり合わせ、繰り返し行わなければならなかったレンダリングの問題を解決する。時間や場所を問わずコンテンツのチェックができ、動画に付けられたコメントに対しても速やかに修正、確認作業ができる。

二つ目が音声・動画に特化したクラウド。ハードウエア、クラウドストレージ、チャットアプリ、メールなどを介すると、転送中のセキュリティリスクやデータ破損リスクなどの問題がついてまわるが、、大容量の転送速度と安定性を大幅に向上させた。ユーザーのファイルやデータ資産の管理をサポートする。

三つ目がリアルタイムでの協働作業。マルチメディアを介したリアルタイムのインタラクションを支援し、協働作業の効率を大幅に改善する。個人ユーザー向けの製品に比肩するアクセシビリティの向上、インタラクションの選択肢の多様化により、異なるシーンでのコラボレーション需要を満たしていく。

MediaTrackは、Dropbox、Slack、Mediaplayerなどとのリンク機能を備えており、音声・動画業界がこれまで行ってきた作業工程をリアルタイムかつインタラクティブに変えることで、協働作業効率を大幅に向上させ、制作コスト削減につなげていると言ってもよい。

収束の兆しが見えない新型コロナウイルスだが、音声・動画業界にもこれまでの考え方に大きな変化が現れ始めている。制作者側の意向に関わらず、現在ではオンラインへの移行を迫られ、オンラインでの協働作業が大前提となっているのだ。2020年5月にリリースされてから、数千社・団体の数万人のユーザーがMediaTrackを利用して協働作業を行っている。

この半年の間に、MediaTrackの開発チームの規模は4倍に拡大した。Web、モバイル、PCを含むすべての製品がバージョンアップされ、ユーザーの異なる作業シーンでの協働作業のニーズを満たしている。

MediaTrackがベンチマークとしている企業は、アメリカで2015年に創設された、チームでポストプロダクション業務を共有するプラットフォーム「Frame.io」だ。

(翻訳:lumu)


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