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自動運転のなかで、実用化が最も進んでいるシーンの一つが道路清掃車両だ。道路清掃は中国において年間6000億元(約9兆6000億円)という巨大市場であり、この市場を狙うスタートアップも複数ある。そのなかで「掃地僧」という名の自動清掃車を開発する「掃地僧智能科技」が今年2月に1億2000万元(約19億円)の資金調達を行った。同社は全自動工場を完成させており、年間10万台の量産が可能だという。
掃地僧は太陽電池を電源とし、ゴミの検知、収集からゴミ捨てまで自動で行う。清掃幅は2mで、ほぼすべての道路で使用可能だ。太陽光がある場合の連続稼働時間は8時間で、1時間あたり約2万平米を清掃することができる。車体に備え付けられたゴミ箱の容積は300リットルで、ゴミ捨て場についたときに自動で捨て、再び清掃作業に戻れるようになっている。ほかにも、車両の前後に設置された噴霧、送風装置により埃を減らす機能がついている。
自動運転機能に関していうと、掃地僧はマシンビジョンをメインとし、LiDAR、超音波レーダーでサポートする手法を採用している。このことにより、100m先の障害物も確認することができる。
まもなく発売予定の「掃地僧s2000」は、マシンビジョンのほかに2基のLiDAR、8基の超音波レーダーと高精度の慣性航法装置を搭載することで、より移動の精度を高めた。チップは毎秒3兆回の計算が可能だ。車両の定価は20万元(約320万円)で、主要競合製品より安い価格となっている。
同社創業者の陳碩氏によると、現在車両の受注台数は3000台以上あり、出荷台数は300台となった。主な購入者は各地の行政機関で、上海の工業団地や揚州の公園で導入済みだ。海外市場の開拓も始まっており、特に日本では伊藤忠商事と住友商事が代理販売やリースを行う予定だ。
自動清掃車市場では、掃地僧のほかにも実用化を始めた企業が複数ある。「仙途智能(autowise.ai)」の無人清掃車は上海、北京、アモイ、杭州、武漢、蘇州などで導入が始まった。また、「智行者科技(Idriverplus Technology)」の無人清掃車は北京オリンピック公園で稼働しており、雄安新区でパイロット運用が始まった。「酷哇機器人(COWAROBOT)」は長沙、蕪湖、合肥、上海などで導入が始まった。これらスタートアップのほか、国有企業の「北京環衛(Beijing Huangwei)」も2018年から7種類の無人清掃設備を開発・導入している。
(翻訳・小六)
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