美容医療をライブコマースで販売 「変美日記」が数千万円調達

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美容医療の施術などをライブコマースの形で販売する「変美日記」がこのほど、エンジェルラウンドで数百万元(数千万円)を調達した。リード・インベスターは「啓峰資本(Springhill Fund)」、コ・インベスターは複数のエンジェル投資家、財務アドバイザーは「凌波資本(Waverider Capital)」が務めた。資金は番組司会者の採用とトレーニングのほか、運営チームの構築などに充てる方針だという。

2020年4月に設立された変美日記は、美容医療機関と番組司会者および医師とを連携させたライブ配信番組を放送することで、美容医療の施術などの成約率を向上させている。番組司会者は出演料と番組による売り上げの分配金を、番組常駐医師は契約料を、変美日記は番組による売り上げから手数料を受け取る形となっている。

「変美日記」のライブ配信

創業者の邵偉志氏は、中国における美容医療の浸透率は約2%と米国や日本、韓国などの5分の1にすぎないが、中国の人口の多さを背景に今後はこれまでの10倍の速さで成長する可能性があると指摘。外科的施術を伴わない美容医療、いわゆるプチ整形が利用者のハードルを下げる一方で、ライブコマースも急成長していることから、美容医療業界もライブコマースで収益を上げる時機を迎えていると説明した。

美容日記の強みは3点ある。一つ目は、美容医療機関800カ所以上と提携し、サプライチェーン管理システムを構築している点。二つ目は、トレーニングにより番組司会者のレベルアップを図ると同時に、集客やアフターサービスを含むカスタマーサービスなどを統一管理している点。三つ目は、番組に適切な司会者を選抜するとともに、ユーザーの価値観に合わせたマニュアルを作成している点だ。

ライブコマースで美容医療に関する取引を成立させるには、詳しい説明で信頼を得ることが鍵となる。変美日記は、番組司会者とプラットフォーム、医師の3者が信頼を保証する。

変美日記は大手ECサイトの「天猫(Tmall)」、「京東(JD.com)」および「拼多多(Pinduoduo)」に旗艦店コーナーを設け、各プラットフォームのルールに合わせたライブ番組を放送している。取引額の6割を占めるのは、美容医療に関する制限が少ない天猫で、制限のある京東や拼多多の旗艦店では主に美容医療関連商品を販売している。このほか、ショート動画サイトの「抖音(Douyin」も美容医療に対する制限が比較的強いため、KOL(キーオピニオンリーダー)による情報発信にとどめている。邵氏は、美容医療関連のライブ番組に関するルールが統一されれば各プラットフォームの制限も緩み、市場が拡大するとの見通しを示している。

司会者の選抜については、番組放送90日分の平均客単価や視聴者の居住地分布、販売した商品の品目、視聴者とのコミュニケーションなどを評価基準とし、総合得点80点以上で合格としている。現在のライブ番組では、主に各美容医療機関のサービスや商品をまとめて紹介しているが、今後は単一機関に特化した番組を増やすとともに、実力のある番組司会者とは専属契約を結ぶ予定だという。

邵氏によると、変美日記のユーザーの男女比は8対2で、居住地は分散傾向にある。現在は、主にサーマクールやヒアルロン酸注入など客単価の高いプチ整形を勧めているが、施術の種類には流行があるため、主力とする施術は変化する。平均客単価は7000元(約11万2000円)で、昨年12月単月のオンライン取引による手数料収入は3000万元(4億8000万円)だった。これまでに500本近くのライブ番組を配信しており、施術の契約や商品の購入に至った視聴者は数万人に上る。取引成立の9割以上は美容医療の施術に関するもので、残りの約1割がパックなどの美容商品となっている。

変美日記は今後、視聴者の囲い込みをシステム化し、収益に結びつけていく方針だ。今後1年以内に全ECサイトでライブ番組を配信し、2年以内に安定的なアクセスを確保する計画だという。

創業者の邵氏は、10年連続で数々の企業の創業に携わり、累計数億元(数十億円)を調達した実績がある。

今回の出資者、啓峰資本の蒋子元パートナーは、「美容医療とKOLが結びつくことは自然で効果も高い。リスクを伴う事柄なので、ユーザーは比較検討を繰り返す必要があるが、実際に施術を体験したKOLへの信頼感があれば決断につながりやすい。インフルエンサーを利用した美容医療のプロモーション事業は、ここ数年で爆発的に成長した。変美日記はそのうちの一つだ。創業者を中心としたメンバーの革新性と実行力には非常に期待している」と述べている。(翻訳・田村広子)

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