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機能性化粧品を手がける「Claritee’s Group(克莱麗緹集団)」が2020年末にシードラウンドで「藍湖資本(Blue Lake Capital)」から1000万元(約1億6000万円)規模の資金を調達していたことが分かった。調達した資金はブランドマーケティングや製品開発に充てるという。
2020年に創業したClaritee’s Groupは機能性化粧品のマルチブランド展開を目指している。創業者の方驊氏によれば、現在主流となっているスキンケアブランドの多くは植物由来の天然成分を打ち出すにとどまり、新鋭ブランドは成分やその濃度をアピールしているものの、若い消費者がより専門的で完成された製品を求めるようになってきたため、スキンケア業界全体で効力高いスキンケア製品が必要とされている。
同グループはマルチブランド戦略を採用し、「ブランド=カテゴリ」との考えのもと、アンチエイジング、リペア、にきび対策、美白など消費者の悩みに特化したスキンケア製品の提供を目指している。傘下の第1号ブランドとなった「Dermasensa(DS徳瑪森氏)」は、もともと米国の形成外科医Miller氏と25人の皮膚科医が立ち上げたドクターズコスメで、すでに数百例の臨床試験を経て米国内の数十もの皮膚科クリニックで販売されている。現在はClaritee’s Groupが買収し中国エリアでのブランド運営を行っている。
Dermasensaはアンチエイジングに特化し、クレンジング、化粧水、エッセンス、クリーム、日焼け止めなどの製品を含め、21のSKUをそろえている。人気商品にはビタミンC成分を20%配合したエッセンス「C Super」、ペプチド22%配合の塗るボトックス「UPセラム」等があり、価格帯は300~500元(約5000~8200円)ほど。現在、Dermasensaの製品は越境ECモール「天猫国際(Tmall Global)」で販売されているほか、人気動画サイト「ビリビリ動画(bilibili)」やショート動画アプリ「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」などにも進出している。オフラインでは皮膚科クリニックや美容医療クリニックへも販路を広げている。
Claritee’s GroupとDermasensaとは共同で研究開発を行うことで合意に達している。皮膚科医と研究者が処方設計を行い、著名な専門医に使用感や感想を述べてもらうことで製品の信頼度を高め、皮膚科医や美容専門ブロガー、「成分党」と呼ばれる美容成分フリークなどを通じて口コミを広げようとの考えだ。
中国のスキンケア市場は2000億~3000億元(約3兆3000億~5兆円)規模に上り、毎年10%以上の成長を維持している。スキンケアに対する消費者のニーズ増大に伴い、機能性スキンケア製品もSNSを通じて認知度や浸透率を急速に高めてきた。その成長率はスキンケア業界全体の2倍にも達する。
方氏によれば、現在市場で流通している機能性化粧品ブランドの多くは安全性に比重を置いており、高機能型の化粧品は空白市場となっている。Claritee’s Groupは高機能型の化粧品開発に注力し、今後はリペアやにきび肌用など肌の悩みにアプローチしたスキンケアブランドをリリースしていく計画だ。
現在、Claritee’s Groupのメンバーは十数人。創業者の方氏は上海交通大学を卒業、米ハーバードビジネススクールでMBAを取得、これまでシンガポール政府投資公社(GIC)、中国の化粧品大手「上海家化(Jahwa)」、人気泥パック「御泥坊(Unifon)」を抱える化粧品会社「御家匯(Yujiahui)」などに勤務し、機能性化粧品ブランドの育成や企業の上場において経験を積んできた。
(翻訳・畠中裕子)
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