自動車リサイクル部品プラットフォーム「油滴」が資金調達 EV大手「NIO」と提携強化

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自動車リサイクル部品プラットフォーム「油滴」が資金調達 EV大手「NIO」と提携強化

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自動車リサイクル部品のサプライチェーンプラットフォーム「油滴二手件」を運営する「油滴互聯(北京)信息技術(Youdi)」(以下、油滴)が、シリーズA+での資金調達を果たした。出資者は新興電気自動車(EV)メーカー「蔚来汽車(NIO)」傘下の「蔚来資本(NIO Capital)」、財務アドバイザーは「浅月資本(YUE CAPITAL)」が務めている。

油滴は昨年4月、エンジェルラウンドで「セコイア・キャピタル・チャイナ・シードファンド(紅杉中国種子基金)」から数千万元(数億円)を調達している。続いて、同年11月末にはシリーズAで数千万元(数億円)を調達。リード・インベスターは「経緯中国(MatrixPartners China)」、コ・インベスターは「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」が務めた。同社が過去1年間に調達した資金の総額は、今回のシリーズA+での調達資金を加えて1億元(約16億円)を優に上回ることになる。

2019年7月に設立された油滴は、自動車リサイクル部品のサプライチェーンプラットフォームやSaaS管理プラットフォーム、部品データベースなどの構築を進めてきた。同社は自動車の回収・解体を手掛ける企業や自動車部品のサプライヤー、自動車整備業者などにサービスを提供することで、リサイクル部品関連産業における流通の効率向上を目指している。

リサイクル部品は、一定の基準による選別とオーバーホール、リビルトを経て、新品とほぼ同等の品質を確保しながらも、価格は新品の10~50%に抑えられている。自動車のメンテナンス費用を負担するカーオーナーや保険会社に大きな利益をもたらす上、循環型経済の考え方にも合致し、社会的価値をも生み出す。また、工賃と部品代金を主な収入源としている自動車整備業者にとっては、リサイクル部品の利用が利益率を上げる方法の一つになる。

油滴の創業者でCEOの李洋氏は、2020年下半期に向けて四つの目標を掲げている。

第一に、中古部品仕入先である廃車回収・解体企業との提携をさらに増やしていく。中国には現時点で正規の廃車回収・解体企業が700社余りある。油滴はすでに、そのうち500社余りと提携している。

第二に、保険会社や自動車ディーラーを新たな中古部品仕入先として開拓する。これらの仕入先からは、ヘッドライトなどの破損しやすく廃車回収・解体企業からは回収しにくい外装部品を仕入れていく。

第三に、リビルト産業の構築を目指す。リビルト企業に良質な中古部品を大量供給し、リサイクル部品購入者とも結び付けていく。リビルトの技術でリサイクル部品の品質を高めれば、ユーザー層が拡大し、省エネと環境保全にもつながる。

第四に、自動車解体やリサイクル部品の流通を手掛ける企業向けに開発したERP(企業資源計画)システムやERPツールを利用し、企業の運営機能向上を目指す。

油滴はシリーズA+での資金調達完了後、蔚来汽車との提携関係を深め、顧客体験を大事にしたクローズドループの構築を支援するとともに、自動車本体や部品のリサイクルに関する技術投入とチャネルの統合強化をサポートしていく方針だ。また、蔚来汽車が中古車事業を展開するにあたって、中古車の整備や部品の追跡に関する総合的なソリューションを提供していくという。

蔚来資本の朱岩マネージングパートナーは今回の出資にあたり「中国は廃車台数の急増期に入った。しかし、廃車から回収した部品の流通は依然として初期段階にあり、将来的な成長の可能性が極めて高い。油滴のメンバーは自動車部品のリサイクル事業に関する経験が豊富で、業界への理解も深い。われわれは同社が市場をリードする存在になると確信している」と述べている。
(翻訳・田村広子)

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