ビジュアル重視の調理家電「Miss Xi」、設立10カ月で3回目の調達

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ビジュアル重視の調理家電「Miss Xi」、設立10カ月で3回目の調達

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ミルクティーメーカーなどで人気の小型家電ブランド「Miss Xi(熊小夕)」が、シリーズA+で数千万元(数億円)を調達した。出資者は「紀源資本(GGV Capital)」と「内向基金(Insight Fund)」。アドバイザーは「穆棉資本(MM Capital)」が務めた。調達した資金は、製氷機や冷水機など新製品の開発に充てる。

Miss Xiは2020年8月に設立され、その後1年足らずの間に3回の資金調達を成功させている。エンジェルラウンドとシリーズAでは「天図資本(Tiantu Capital)」と「険峰長青(K2VC)」が出資した。Miss Xiは現在、8種類の製品を発売している。主力製品は、ミルクティーメーカー、加熱機能付きウォーターサーバー、浄水の過程が見られる浄水器の3種類となっている。

Miss Xiは25〜35歳の女性をターゲットとしている。創業者の李文珺氏は、この年齢層の女性は製品に新たな価値を求めており、健康面や利便性、デザイン性を重視にしていることがリサーチによって分かったと語る。しかも、家庭における消費の75%は、女性が主導権を握っているという。

まず人気商品で心をつかんだユーザーに関連サービスを提供し、それと同時に新商品をリリースし続けるのがMiss Xiのビジネスロジックだ。ミルクティーメーカー「小夕姐姐奶茶機」の販売価格は約300元(約5000円)。発売1カ月弱で1万5000台を売り上げ、一躍大人気商品となった。

Miss Xiのミルクティーメーカー「小夕姐姐奶茶機」(画像は同社提供)

李氏は「店で売っているミルクティーは糖分が多い上に値段も高いという若者たちの声に応えられた」と胸を張る。このミルクティーメーカーを購入すれば、材料パックが無料で付いてくる上、次々に更新されるレシピも手に入る。Miss Xiは現在、「WeChat(微信)」のほか、「天猫(Tmall)」「抖音(Douyin)」「小紅書(RED)」などに10万人以上のフォロワーを抱えている。

ポップな中国スタイルをデザインに取り入れたウォーターサーバー「軽国風飲水機」は、薄いブルーとグリーンの2色展開。小ぶりで可愛らしく、テーブルの上に直接置いて使用できる。ペットボトルをそのまま差し込むか、付属のバケツに水を入れて利用することが可能で、わずか3秒でお湯が沸かせる急速加熱機能と7段階の温度調節機能を備えている。

Miss Xiのウォーターサーバー「軽国風飲水機」(画像は同社提供)

浄水器「独角獣浄飲器」は「きれいが見える」をコンセプトにハイエンドな健康志向を打ち出している。基本の水温は摂氏55度となっており、目覚めてすぐに適温の白湯を飲むことができる。このほか、90度回転可能な蛇口と8段階の温度調節、チャイルドロック、自動洗浄などの機能が付いて、販売価格は1999元(約3万4000円)となっている。

この浄水器は、米国の「FCC」、欧州連合(EU)の「CE」と「RoHS」、日本の「PSE」など各種認証を取得し、米国や英国、EU、日本など10を超える国や地域に輸出されている。

Miss Xiの浄水器「独角獣浄飲器」(画像は同社提供)

Miss Xiは現在、天猫をメインに展開し、京東にも自社ページを設けるほか、大手ECプラットフォームとも提携している。また、今年5月には北京や上海をはじめ7カ所の空港内にある家電のセレクトショップで販売を開始している。

李氏はMiss Xiの強みを三つ挙げている。一つ目は専利(中国における特許で実用新案と意匠を含む)申請済みのハードウエア。二つ目はインダストリアルスタイルと中国スタイルを兼ね備えたデザイン。三つ目は、新製品の発売まで2カ月というスピード感だ。今後も続々と新製品をリリースしていくという。

紀源資本の李浩軍パートナーも「コロナ禍で小型家電市場は急速に発展した。若い世代が家庭における消費の主力となりつつある中、使用シーンに合わせて革新的な開発のできる小型家電ブランドには大きな可能性が広がっている」とMiss Xiへの期待感を示している。
(翻訳・田村広子)

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