中国初の中古ブランド品のライブコマースプラットフォーム「妃魚」が資金調達

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中古高級品のライブコマースを手掛ける「妃魚(FEIYU.LIVE)」がシリーズBで約3000万ドル(約33億円)を調達した。某米ドルファンドと「五岳資本(N5Capital)」が共同でリードインベスターとなり、「君聯資本(Legend Capital)」、「経緯中国( Matrix Partners China)」、「晨暉創投(CHENHUI VENTURE PARTNERS)」などの既存株主がコ・インベスター、「弈秋資本(Each Capital)」がアドバイザーを務めた。調達した資金は主にサプライチェーンの拡充、プロモーション、チャネルの拡大および組織の拡充に充てる。

妃魚は2016年設立で、18年から中古高級品のライブコマースのプラットフォームを運営する。20年にはショート動画アプリ「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」のEC事業「抖音電商(Douyin Dianshang)」でも販売し、21年の取引額は急速に伸びている。妃魚のビジネスモデルはライブコマース、サプライチェーンの再構築による商品回転率の向上、高頻度で消費者にアプローチすることによるブランドの確立だ。

妃魚のライブコマースアカウント

妃魚はアリババグループが運営するECプラットフォームの「タオバオ(淘宝網)」や抖音と提携する。大手プラットフォーム経由で獲得する大量のユーザー、自社で構築したサプライチェーン、ライバー起用などにより商品回転率を高め、商品の購入者は将来的に妃魚で自身の所有する不用品を委託販売をするサイクルが形成されている。創業者の黄世昌氏は、妃魚アプリはユーザーに担保を提供する会員サービスセンターと位置付ける。販売を請け負う物品の回収、鑑定、販売、アフターサービスなどのシステム構築が重要で、一度でも取引履歴のあるユーザーに継続的に取引サービスを提供していくことを重視する。

中国は世界最大の高級品市場だ。黄氏は、20年の中国の高級品市場は7000億元(約12兆円)規模で中古市場は5%を占めるにすぎないが、今後5年以内に3倍以上伸びると予想する。

中古高級品のオンライン委託販売モデルは値付けに透明性があり、商品回転率が向上する。ユーザーにサービスを提供する期間も長くなるため、ユーザーの信頼を得ることが鍵となる。

妃魚は自社開発した値付けシステムで過去の取引データも参考にしながら自動で参考価格帯を算出し、個人客はその範囲内で価格を決定するほか、販売中はシステムが適時価格を調整する。

中古高級品業界では、商品の鑑定、在庫管理、物流が重要だ。妃魚は第三者の高級品鑑定機関と提携し、顧客が購入した商品が偽物だった場合の補償は保険会社が請け負う。自前の物流システムは配送の全過程をモニタリングし、リアルタイムで追跡する。商品は個人客のほか提携する700社以上が提供し、妃魚は実店舗も運営する。

妃魚は100人以上のライバーを抱え、全国で毎月2000回以上ライブ配信を行う。毎月6万件以上の商品が出品され、ユーザーは500万人以上、商品の平均回転期間は1週間だ。

妃魚のライバーは、テレビのキャスター、ファッション関係のバイヤー、高級品の販売員などの経験者が多い。

妃魚はこれまで前例のなかった中古高級品のライブコマースを行い、その業務をマニュアル化したプラットフォームだ。黄氏によると、ライブコマースで重要なのはライバーの商品紹介、バイヤーの商品選び、商品の鑑定、値付け、アフターサービスなどの管理で、ユーザーに最高の体験を提供することに主眼を置く。妃魚は今年、取り扱う商品カテゴリーを拡大する予定だ。

黄氏はEC業界で10年以上の創業経験があり、チョコレートブランドの中国ネット販売総代理店の総経理などを務めた。
(翻訳・二胡)

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