アップルのずるいiPhone戦略。創造性なくても中国の需要に対応
アップルが3つの新型iPhoneを発表した。中国では、中国限定のデュアルSIMカード対応と、iPhoneXS Maxの1万2799元(日本では512GBで16万4800円)という価格が議論を呼んでいる。
今年のiPhoneの販売戦略は昨年を踏襲しつつ、よりずるくなった。
昨年秋の発表会では、この数年で最も革命的と言えるiPhone Xが披露された。その価格はiPhone 7Pの6388元から一気に2000元以上上がった。

iPhone Xの価格は非難ごうごうだったが、それでもよく売れた。発売後の3四半期で、iPhone の売り上げは増加。つまり、アップルユーザーは強気の価格を受け入れた。
価格が上がった分は、アップルの利益になっている。2018年第1-3四半期、iPhoneの販売額はそれぞれ13%、14%、20%増加し、アップルの業績は史上最も高くなった。その中でもiPhone Xの貢献は大きい。貢献の一つはその創造性で多くのユーザーを引き付けたこと。もう一つは、会社の利益を膨らませる価格設定をしたことだ。
今回の新商品の創造力は、iPhone Xに及ばず、その点では昨年ほどはユーザーを引き付けられない。
しかしアップルは、高い価格をユーザーに納得させるための手は打っている。例えば中国向けのデュアルSIMカード対応は、何の目新しさはなくても、市場の需要を捉えている。中国ユーザーはかねてから、デュアルSIM対応を熱望しており、販売には確実にプラスになるだろう。

アップルの賢さは、それだけではない。発売から1年も経たずにiPhone Xを「引退」させた。アップルは生産終了を否定しているが、販売を縮小することは間違いない。
iPhone Xはアップルのイノベーション力をアピールし、価格を引き上げて利益を増やすことに大きく貢献した。そして同機種の使命は終わったのだ。
アップルユーザーの忠誠度はとても高い。この2年、iPhoneの新機種はブーイングを受けてきたが、ユーザーはそれでもiPhoneを買う。
高価格帯端末ではライバルも多くない。サムスンと華為技術(ファーウェイ)くらいだ。ファーウェイの今年のフラッグシップモデルの評判は上々だが、サムスンのS9とNote 9は振るわない。高価格帯の競争はさほどし烈ではない。
ジョブズが復帰したアップルは、技術で世界を変えただけでなく、極めて高い商品力を持ち、莫大な利益を生み出す企業になった。イノベーションで世界を驚かすことができなくなった今は、市場のニーズに対応することで、安定した稼ぎを得るのだろう。
(翻訳・浦上早苗)