テンセント、コナミとの提携は「ゲーム機」展開の布石

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テンセント、コナミとの提携は「ゲーム機」展開の布石

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テンセント(騰訊)傘下のモバイルゲーム開発会社「TiMi Studio Group(天美工作室群)」が、コナミと共同でアクションシューティングゲーム『魂斗羅(コントラ)』シリーズの最新作『Contra Returns』の海外版をリリースすることを発表した。現在、事前登録が開始されているが、詳細なリリース日時とサービス対象地域は明らかにされていない。

TiMi Studio Groupは今年、米シアトルにAAAタイトル(トリプルエータイトル、大ヒットゲームタイトルの意味)の開発を行う新スタジオを設立している。
テンセントのゲーム事業を振り返ると、モバイル端末上で動くゲームから始まり、スマホゲームによって全盛期を迎えた。そして現在は、今後の照準をゲーム専用機に定め、AAAタイトルの開発に力を入れ始めている。

モバイルゲームの王者

今や世界最大のゲーム開発スタジオとなったTiMi Studio Groupは、2015年末にリリースされた『王者栄耀(Honor of Kings)』で、中国モバイルゲーム市場のトッププレーヤーとなり、人気ジャンル「MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)」の新時代を築いてきた。

テンセントの財務報告書によると2020年のオンラインゲームの売上高は1561億元(約2兆6600億円)で、そのうちTiMi Studio Groupの売上高は全体の40%を超える656億元(約1兆1200億円)だった。2021年第1四半期のゲーム事業の売上高は前年同期比17%増の436億元(約7400億円)に達し、テンセントの売上高全体の32.2%を占めた。

海外市場においても王者栄耀は、長期にわたって人気モバイルゲームランキングのトップを守ってきた。米モバイルアプリ調査会社「Sensor Tower」のデータによると、王者栄耀のApp StoreとGoogle Playを合わせた売上高は、今年1月に前年同期比22%増の2億6700万ドル(約300億円)、2月には同57.2%増の2億1800万ドル(約240億円)、3月には同63%増の2億5700万ドル(約280億円)となった。

王者栄耀は東南アジア市場では『伝説対決(Arena of Valor)』というタイトルでリリースされており、TiMi Studio Groupとシンガポールのゲーム開発企業「Garena」が2016年に共同で開発した。今回、Contra Returnsの英語版を東南アジアでリリースするのもGarenaだ。

その背景には、2020年4月時点でテンセントがGarenaの親会社である「Sea」の25.6%の株式と25.1%の議決権を持っていることがある。

これ以外にもポケモンとTiMi Studio Groupが共同開発した対戦ゲーム『Pokemon UNITE(ポケモンユナイト)』のSwitch版が7月に、モバイル版が9月にリリースされる。

TiMi Studio Groupが海外の大手ゲームメーカーと頻繁に提携してモバイルゲームを開発している背景には、TiMi Studio Groupなど中国ゲームメーカーに対する海外ゲームメーカーからの一定の評価がある。

モバイルゲーム市場と中国の新興ゲームメーカーが勢いを増すにつれ、競争は激化している。海外の老舗ゲームメーカーも、モバイルゲームの研究開発に力を入れている。これは将来的に海外市場で、テンセントが海外の大手ゲームメーカーと闘わざるを得ないことを意味している。

目標はAAAタイトル

モバイルゲーム分野ではテンセントなど中国のゲームメーカーが世界ランキングの上位を占めている。しかし、PCやゲーム機などのAAAタイトルの開発では、中国メーカーの水準はまだ世界のトップメーカーと差がある。

欧米のゲームメーカーと同じ土俵で競うのがテンセントの目標だ。過去10年間、テンセントのゲームメーカーへの投資は150社を超え、2021年第1四半期だけで少なくとも31社に投資している。

大まかな統計によると、2012年から2021年第1四半期までにテンセントが投資した海外のゲームメーカーは26社を超えており、投資先は欧米を初めとして日本、韓国など多くの国と地域にまたがっている。このうちPCやゲーム機向けのメーカーが9割を占めているという。

テンセントが過去10年間に投資を行った海外ゲームメーカー

テンセントの高級副総裁でゲーム事業を統括する馬暁軼氏によると、テンセントが海外投資によって株式を保有するAAAタイトルの開発スタジオは10を超え、研究開発に関わる人員は年間2700人を超えているという。今後も規模の拡大を続け、今年末には開発者数が少なくとも3500人に達する見込みだ。

AAAタイトルへの投資を強化する以外に、テンセントは自らのスタジオを設立することや、海外市場でトップレベルのゲーム人材を発掘する事にも力を入れている。

6月24日にはロサンゼルスに続いてシアトルに新たなスタジオを開設することを発表した。これは北米における事業強化の一環だ。

5月13日にも「Xbox Game Studios」との戦略的提携を発表し、双方の経験と優位性を活かして密に協力を行うことを表明した。

また今年3月にTiMi Studio Groupは「AAAタイトル開発に向けたグローバル求人」を開始し、「次世代ゲームエンジンUnreal Engine 5を使用したグローバル向けのAAAタイトルの研究開発を進めており、ゲーム機、PC、モバイル端末、次世代端末などでのリリースを予定している」と述べている。

TiMi Studio Groupは、まさにAAAタイトル開発に向けて全力で突き進んでいる。

作者:競合核(WeChat ID:Coreesports)、桂志偉
(翻訳・普洱)

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