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中国の第14次五カ年計画(2021~2025年)要綱は、デジタル時代の到来に伴い、慢性疾患の予防や早期発見、総合的アプローチを強化すると掲げている。データ駆動型の医療・健康管理は予測力や能動性に富み、「未病あるいは軽症のうちに治療する」医療が可能になる。
メディテック企業「清雷科技(Qinglei Technology)」は、デジタル医療やスマート介護、ヘルスケア分野向けにミリ波レーダーを活用したスマート端末を開発する。端末はユーザーの行動や健康データを追跡し、AIによる診断支援を行う。
ミリ波レーダーは時間帯や天候を問わず使えるため、軍事、航空・宇宙などの分野で測位・追跡・認識・画像生成などの役割を担ってきた。民生用に転換すると車載機器への導入が始まり、現在では運転支援システムにとって重要なセンサーの一つとなっている。米グーグルは2015年に立ち上げた「Soli」プロジェクトでミリ波レーダーにハンドジェスチャーを認識させる研究を進め、ウェアラブル端末などの小型機器に搭載してヒューマンマシンインターフェースを実現させた。
清雷科技は、中国の名門・清華大学による国家重要プロジェクトが16年かけて積み上げてきた技術的成果を基礎として、データ駆動型医療・ヘルスケア分野にレーダー技術を取り入れた。
同社が開発したミリ波レーダーによるスマートソリューションは、エッジコンピューティングやクラウドコンピューティングによって移動物体や生命体を高精度に検知し、データマイニングを通じてスマート介護、スマート医療に必要な各機能を提供する。すでに人体測位・追跡、心拍・呼吸監視、人体姿勢認識などの機能を有しており、技術指標で世界の先端水準に達している。
同社はクロマトグラフィ(分離分析法)を応用したミリ波レーダーによるセンシング技術を自主開発。人体の全微動情報を高精度に捉える。また、呼吸・心拍数などのバイタルサイン(生命兆候)のモニタリング技術では、生体接触型医療機器と比較して呼吸の測定誤差が1分あたり1回以下、心拍数の測定誤差が1分あたり2回以下となっている。
清雷科技の製品はすでに医療・ヘルスケア・高齢者介護業界で導入され、10万時間分のバイタルデータを収集済みだ。これらのデータを活かして睡眠の質を分析したり慢性呼吸器疾患などの異変を検知したりと重要な成果を得ている。北京大学第三病院などの医療機関とも共同で臨床研究を行っており、クロマトグラフィのセンシング技術を基盤としたAI診断支援システムを開発した。睡眠測定や慢性呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群など)の初期診断を可能にしている。
介護業界向けにはSaaSを開発し、介護業務をデータ化および可視化。重要な情報は即時共有し、潜在リスクを事前予測する。高齢者介護施設「泰康之家(Taikang Community)」「復星星堡(Fosun Starcastle)」などへの導入実績がある。
清雷科技は2019年、清華大学電子工学科出身の丁玉国氏、李剛氏が設立した。丁氏はこれまで音声AI、インターネット教育などの分野で16年の起業歴がある。李氏は清華大教授で、優秀な若手研究者を支援する国家傑出青年基金プロジェクトで助成金を受けた経験がある。製品は医療機器登録および製造許可を申請中で、今年9月には認可が下りる見込みだ。
(翻訳・愛玉)
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