テンセント支援の中国スマートコンビニ「便利蜂」、1商品からOKの宅配開始

北京、上海など数都市で展開する中国のローカルコンビニ「便利蜂」が、商品の配送サービスをスタートした。配送システムを自社で運営する点や、生鮮食品に注力する点で差別化を図る。

便利蜂のアプリやミニプログラムですでに受注が始まっている。サービス地域は各店舗から3キロ圏内で、平均30分以内で配達を完了する。

「便利蜂」アプリやミニプログラムに表示される配送サービス画面

中国では、コンビニが商品配達を行うのは決して珍しいことではない。大手ではセブンイレブンやファミリーマートがすでに導入している。ただし、便利蜂のサービスが他社と異なるのは、美団(Meituan)や餓了麼(Ele.me)など既存の配送プラットフォームを利用せず、自社で配送体制を構築した点だ。また、最低購入金額は設けず、商品1点からの購入に対応する。配送手数料は4元(約65円)に設定した。店舗で扱っている商品は基本的に全て配達する。

商品1点から配送を行っている

さらに他社と差別化を図るために注力したのが生鮮食品だ。一般的に、コンビニの主力商品はお弁当だが、便利蜂は野菜、果物、肉、魚、卵まで多様な食品を扱う。品揃えの点からすれば、コンビニというよりもむしろ「次世代スーパー」と言われる生鮮ECに近い。

コンビニとしては独自の特色を打ち出した便利蜂だが、「盒馬鮮生(Hema Fresh)」や「毎日優鮮(Miss Fresh)」といった生鮮EC大手と比較すると、品目や在庫数で大幅に劣り、供給面が弱点である点は否めない。また、チルド配送は多大なコストがかかるうえ、相応の設備が求められる。自社でこれらをまかなうのは簡単にはいかないだろう。

資金面では、解決策がないとはいえない。IT大手騰訊(テンセント)の支援を取り付けているからだ。テンセントは最近も、便利蜂に2億5600万ドルを出資している。

ただし、既存の大手配送プラットフォームを通さず、自社プラットフォームのみで顧客を獲得するのは心許ない。また、まとまった買い物に対応することが多い生鮮専門ECに比べ、「急な需要にすぐ応える」というコンビニの性質上、客単価が低くなることも避けられないだろう。1件の配送でティッシュ1箱、肉まん1個しか売れないのでは割に合わない。

中国では生活関連のオンラインサービスが急成長し、いまやコンビニやスーパーに限らず、街中の飲食店までがデリバリー事業に参入しているが、既存のプラットフォームに頼らず自社でまかなう便利蜂のようなモデルはコスト面での負荷が大きい。運営体制の省力化が成功の課題になってくるだろう。
(翻訳・愛玉)

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