土壌浄化の研究開発に注力、環境保全業界のユニコーンが資金調達

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土壌浄化事業で注目されている「蓋亜科技(Gaiya Technology)」はこのほど、シリーズBで1億元(約17億円)を調達した。リード・インベスターは「元禾控股(Oriza Holdings)」。調達資金は優秀な研究開発者の採用、ハイエンド機器と専門技術の研究およびイノベーションの加速、国内外の事業拡大、株式上場の準備に充てられる。

蓋亜科技は創業後、3度にわたる資金調達を行い、合わせて数億元(数十億円)を調達している。

土壌浄化の研究開発に注力、目指すは環境保全業界のユニコーン

2012年創業の同社は土壌浄化の技術および機器の研究開発に力を入れている。中国政府の国家重点研究開発プログラムを実施する企業として、自社で研究開発した機器の量産と大規模な応用に成功した。

これまでに中国で出願した230件以上の特許を通じて土壌浄化の産業チェーン全体をカバーしている。2018年と2020年に国家重点研究開発プログラムの立案を主導し、計4000万元(約6億8000万円)近くの資金を政府から得ている。

蓋亜科技の土壌浄化コア技術と機器

同社は3年続けて事業と売上高を急成長させており、1600件以上の土壌調査プロジェクトと80件以上の土壌浄化プロジェクトに関与。事業エリアを中国全土に広げ、売上高は倍増している。

董事長の程功弼氏は、今回の資金調達後にAIとIoT技術をベースにした次世代ロボットの開発を加速させる方針を示した。同社の第三世代ロボットは、従来の環境保全機器にあった時間的および空間的な限界を打ち破り、スマート化・無人化・IT化を通じて中国のハイエンド環境保全機器の技術革新をリードすることで、国際競争力を高めると同時に環境保全ビッグデータプラットフォームの構築にも貢献している。

同社はすでに米国と欧州に海外研究開発センターを設立。今後は海外の先端技術とハイエンド人材を取り込み、環境保全機器分野で中国を代表する企業として国際市場への進出を目指す。また、今回の調達資金を使って、中国の複数都市でEPC(設計・調達・建設)プロジェクトを進めていく。

現在は上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(スターマーケット)」への上場準備を進めており、環境保全分野のユニコーンを目指している。

元禾控股の張聡氏は、「土壌浄化は子孫に恩恵が及ぶ事業だ。中国ではこの業界は法整備と政策の実施が進む発展期にあり、将来的には市場規模が年間数百億元(数千億円)に達すると見ている。中国は米国が200年かかった工業発展プロセスを30年余りで歩んできた。深刻な土壌汚染、複雑な汚染成分、多様な土質、制約の多い現場に対し、事業者はさまざまな浄化技術の習得、継続的なイノベーション能力、施工実績の蓄積が求められる。同社は土壌の調査と浄化に必要な機器や工法など産業チェーン全体の技術体系構築に取り組んでいる」との見解を示した。
(翻訳・神戸三四郎)

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