コロナ禍で人気の「宅トレ」、オンラインジム「YESOUL」が17億円超を調達

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コロナ禍で人気の「宅トレ」、オンラインジム「YESOUL」が17億円超を調達

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オンラインフィットネスを提供する「野小獣(YESOUL)」がシリーズAで1億元(約17億8000万円)以上を調達した。出資を主導したのは中国スマートフォン・IoT機器大手シャオミ(Xiaomi)で、シャオミの雷軍CEOが設立したVC順為資本(Shunwei Capital)や清科創投(Zero2IPO Venture)も参加した。YESOULは今回の調達案件を機に、シャオミのエコシステムの一員となる。

YESOULは2015年に設立され、フィットネス機器を関連コンテンツと合わせて提供する事業モデルで、自宅でできるフィットネスを提供してきた。2017年に家庭用エアロバイクと、バイクと連携してオンラインコンテンツを提供する専用アプリをリリース。2019年にはトレッドミル、2020年にはローイングマシン(ボート漕ぎマシン)もリリースした。エアロバイクの販売額は、2021年上半期に中国の大手ECプラットフォーム天猫(Tmall)と京東(JD.com)でカテゴリー内1位となっている。

YESOULによると、レッスンコンテンツは年3000回分が制作可能だ。視聴完了率は87.3%で、ユーザーは週平均4回、1回平均27分のトレーニングを行っているという。

業界再編期のフィットネス

あるデータによると、2020年の中国のフィットネスジム市場は1200億元(約2兆1300億円)を超えた。またフィットネス機器市場は526億元(約9300億円)規模、オンラインフィットネス製品市場は1749億元(約3兆1000億円)規模となっており、オンラインフィットネス製品市場の著しい成長がうかがえる。2020年末時点で中国のフィットネスジム会員数は約7029万人(香港・マカオ・台湾は除外)で、人口に対する浸透率は5.02%。欧米の20%という数字と比べると大きな隔たりがある。

中国体育用品業聯合会(CSGF)が発表した「2021年一般市民の運動・消費に関する研究報告」では、中国では1人あたりが運動に費やす平均費用が年5670元(約10万円)で前年比35%増となっており、うち年8000元(約14万2000円)以上を消費する人が4分の1近くを占める。特にコロナ禍以後は健康への関心や体を動かすことへの意識が高まるとともに、運動習慣にも変化が生じ、オンラインで行う傾向が顕著になってきた。

オンラインフィットネス市場の急成長について、YESOULの創業者でCEOの駱少猛氏は、フィットネスジムやフィットネス機器サプライヤーの業績は過去5年、オンラインフィットネスブランドに及ばない状況だと説明する。

マシン+コンテンツ=おうちフィットネス

フィットネスマシンとともにレッスンコンテンツも提供するYESOULにとって、核心となるのは専門的なマシン、専門的なインストラクターによるオンラインコーチング、専門的でありながら楽しめるカリキュラムを含む「おうちフィットネス」のソリューションだ。

画像はYESOUL提供

YESOULのサプライチェーンは2018年から自力で開拓してきたものがすでに完成形に近づき、サプライヤーは200社を超えている。市場の変化に迅速に対応するため、開発エンジニアも100人近く擁し、組み込みシステムの開発、ハードウェアの設計開発、ソフトウェアの設計開発、レッスンプログラムの開発などが独立したユニットとして稼働している。マシンに組み込まれたAIチップによってユーザーに没入型体験を提供し、本物のジムにいるかのような体感を得てもらうことを目指す。

YESOULは中国科学院コンピューティング技術研究所の厦門(アモイ)支部と提携し、ユーザーの年齢・性別・運動能力・身体状況や個々の目標を基にカリキュラムを個別に組むアルゴリズムを開発した。YESOULはユーザー個人のデータに基づいて脂肪燃焼プログラムや食事プランを作成し、目標達成を早める手助けをする。数百人が同時参加するオンラインレッスンでも同様に、ユーザーには個別にゴールが設定され、目標の達成状況などがリアルタイムで提示される。

1回7〜60分のレッスンを月300回分配信

駱CEOによると、YESOULはカリキュラム開発システムや制作プロセスをおおかた完成させており、これらを配信するスタジオも設けている。年中無休でレッスンを配信し、コンテンツの鮮度を保てるようになっているのだ。

画像はYESOUL提供

レッスンコンテンツは六大カテゴリーに分かれ、1回あたり7〜60分と時間にも幅があり、ユーザーにさまざまな選択肢を提供している。受講者とインストラクターの相互交流も可能で、インストラクターは受講者のリアルタイムデータを確認しながら、評価やアドバイスができる。受講者間でも切磋琢磨できるよう、受講者のデータをリアルタイムでランキング形式で提供する。

YESOULによると、同社のアプリは月平均2万人のペースでユーザーを増やしており、すでに50万人以上がユーザー登録している。新しく掲載されるレッスン数は月平均300回分だ。また、配信スタジオを中国と海外に同時に設け、欧州や北米、豪州、日本、韓国など海外市場に対しても、シャオミのチャネルを利用しながらマシンの販売と海外向けコンテンツを提供し、世界展開を実現していく計画だ。
(翻訳・愛玉)

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