勃興する中国新消費ブランド、話題のつけまつげ「WOSADO」が半年で2度の資金調達

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アイメイクブランド「悦瞳(WOSADO)」が半年の間にシリーズAとシリーズA+の資金調達を実施し、累計約3億元(約50億円)を調達した。「セコイア・キャピタル・チャイナ・シードファンド(紅杉中国種子基金)」「高瓴創投(GL Ventures)」がリード・インベスター、「達晨創投(Fortune Venture Capital)」、「聯想之星(Legend Star)」などがコ・インベスターを務めた。

悦瞳は2017年設立。ラテックスフリー(天然ゴム成分なし)の軽量つけまつ毛が主力商品で、創業者の趙威盛氏はまず留学先の米国で商品を開発し、発売。帰国後、中国国内でも本格的に展開を始めた。現在全世界で80万人以上のユーザーを擁する。創業者の趙威盛氏は「まつ毛関連の美容業界はずっと大手企業から重視されてこなかった。ラテックスフリーまつ毛のユーザーには、これまでグルーで接着するつけまつ毛を使っていたユーザーのほか、まつ毛を植毛しているユーザーもいる。控えめに見積もっても中国のラテックスフリーまつ毛の市場は約400億元(約7100億円)規模だ」と話す。

悦瞳のアイライナー

悦瞳は使いやすいアイメイク商品で目を傷つけずに、化粧の時間を短縮したいと考えている。主力商品のラテックスフリーまつ毛を例に取ると、まつ毛の重さは1セット0.07g、0.2mmの超薄型ソフトマグネットと0.05mmの極めて柔らかいまつ毛を使用し、毛先の糸を細くするハンドメイドの技術と磁気吸着技術によって、安全で長持ちし、より自然に見えるまつ毛に仕上げている。

2回の資金調達後、悦瞳は市場細分化戦略をさらに推し進めている。主力商品であるSPUラテックスフリー軽量まつ毛に、新たに1カ月使い捨てのナチュラルタイプなどを追加。さらにスティックの両端に筆のあるカラーアイライナーやカラーのマスカラベースなどのメイクシリーズ商品も展開し始めた。ユーザーを細かく分類し、複数のシリーズや価格を展開することで、アイメイクのさまざまな需要を取り込む。

悦瞳は今年、全国の大都市で38店舗を運営する。一店舗平均10~15平米で、実店舗の担う役割は販売、オンライン販売後の対応や試着サービスの提供、ブランディング、ネイルサロンやまつ毛エクステサロンの顧客を取り込むことだ。

1万5000平米の自社工場で生産から加工の原料供給を行い、現在、サンプル作成から量産までの期間は3~4カ月から10日に短縮されている。まつ毛の原料は米デュポンから仕入れており、またデュポンと提携して特殊な抗菌剤を製造し、細菌の繁殖を防いでいる。趙氏は大規模量産を行わなければ、致命的な欠陥は分かりにくいとして、「サプライチェーンが整っていないとブランドを立ち上げることはできない」と話す。

完全なDTC(Direct to Consumer、ネット直販)ブランドと異なり、悦瞳は実店舗を集客とブランド展示の重要な足掛かりと見ている。今年3月の1号店開店から半年足らずで約40の直営店を出店しており、その出店場所は大都市の繁華街の店舗やショッピングセンターである。

カラーマスカラベース

趙氏によると、悦瞳は今年初めてアリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」の6月の大型セールに参加し、つけまつ毛カテゴリーでGMV(流通取引総額)の1位になった。ショート動画プラットフォーム「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」やTikTokの中国本国版「抖音(Douyin)」のECでも今年第3四半期に販売を急激に伸ばしている。

(翻訳・二胡)

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