中国平安保険傘下のフィンテック企業「陸金所」が約1500億円を調達するも、IPOは不透明

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中国平安保険集団傘下のフィンテック企業「陸金所(Lufax)」が13億3000万ドル(約1504億円)を調達したとロイター通信が報じた。

同社は今年6月、評価額400億ドルで最大で20億ドルを調達するとしていたが、今回の評価額は380億ドル(約4兆3000億円)となり、目標には届かなかった。

ロイター通信の取材によると、出資したのは12社。リードインベスターは中国のプライベートエクイティ「春華資本(プリマベーラ・キャピタル)」で、その他に「カタール投資庁(QIA)」、香港の「全明星投資公司(オールスターズ・インベストメント)」、日本の「SBIホールディングス」、アメリカの「JPモルガン」、豪州最大の投資銀行「マッコーリー・グループ」、スイス最大の銀行「UBSグループ」、シンガポールの「ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)」、アメリカの「ゴールドマン・サックス」プライベートエクイティ部門、香港の投資会社「ライオンロック・キャピタル」、英VCファンドの「ヘドソフィア」、主にロシア市場へ投資する「エルミタージュ・キャピタル」が参加したという。今後、参加企業が増えて、調達額が変動する可能性もあるとのこと。

陸金所、出資者の双方から、今回の調達に関するコメントは得られていない。

中国平安保険集団の2018年上半期のデータでは、陸金所の登録顧客数は3684万人で、管理資産額は年初から16.6%減の3852億1200万元(約6兆3700億円)。6月30日時点で累計貸付金額は7925億200万元(約13兆1000億円)、融資残は年初より8.8%増の3137億4700万元(約5兆2000億円)。

今年4月初旬に評価額600億ドルをつけた陸金所は、香港取引所にIPOを申請する予定だったが、結果的に延期となっている。再開の時期も未定だ。同社の主力事業である消費者向け融資に関する規制が変わり、新興企業に対する締め付けが厳しくなったためとみられている。また、陸金所が代理店となって金融商品を販売している「神州長城(Sino Great Wall)」など複数の企業に借入金未返済や訴訟などのトラブルが続いたことも影響している。関係者がロイター通信に明かしたところによれば、同社はIPO前に主力事業を変更することを模索しているという。まずは信用を回復することが喫緊の課題だろう。

なお、同じ金融系では、アリババグループ傘下のアント・フィナンシャル(螞蟻金服)も今年8月にIPO再延期を決定している。
(翻訳・愛玉)

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